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金星の不思議風

あんたも夜空を見上げて宇宙に思いを馳せる瞬間ってあるかい?

小さい頃から宇宙戦艦ヤマトやら機動戦士ガンダムやらを見て育ってきた俺たち世代にとっては、多分今の子供たちに比べて、宇宙に思いを馳せる瞬間って多かったんじゃないかな?

生まれた時には、すでにアポロ11号が月に行ったあとだったし、俺たちは俺たちが大人になる頃には普通に宇宙に行くもんだと思って育ってきた。

ところが、アポロ計画から後、俺たちヒトはヒトを宇宙にある他の天体に送り込むことはなくなってしまった。

じゃあ、俺たちヒトは宇宙への関心を失ってしまったんだろうか?
断じて否だ。それを証拠に未だに俺は宇宙オッサンだ。

今回は宇宙オッサンの俺のアンテナに引っかかってきた宇宙ニュースを堪能する回だ。

あれだよ。深遠なる宇宙の神秘ってやつに思いを馳せてみようじゃんか?

金星の「スーパーローテーション」

金星の大気の動きって、チットばかり特徴があるって知っているかい?

「スーパーローテーション」と呼ばれる大気の動きがあるんだけれど、金星上では秒速100m以上の速度で風が吹いているんだよね。
この風が「常に」吹いているってのがすげー謎だったんだよ。

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出典:https://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/6133.html

ちっと想像してみ?金星の地表近くの気温って接し460℃程度なんだけれど、その猛烈な気温に加えて、秒速100mもの風が吹いていて、しかもそれが常に吹いている。
どんな地獄絵図だ。マジで。豚を投入すればソッコーでローストポークの出来上がりってスンポーだ。

でだ。このスーパーローテーションの仕組みがJAXAの誇る探査機「あかつき」の観測データからわかったってんだよね。
ちっと燃える展開だ!

キーワードは「熱潮汐波」

このスーパーローテーションを引き起こすメカニズムのキーワードは「熱潮汐波」ってやつらしい。

何?聞いた時無い言葉だって?安心しろ。俺も無い。

要するに太陽に温められることによって動く大気の動きのことなんだと。
そんなん、地球にだってあるだろって?
そこがだよ。地球と金星に決定的な違いがあるんだ。
ズバリ「雲の質と量」だ。

金星って星は地表から45km~70kmあたりに分厚い硫酸の雲がある。
この雲は地球のように局地的にあるわけじゃなくて、まんべんなく惑星全体を覆うほどの量なんだ。

結果、この硫酸の雲が太陽光をほとんど吸収してしまって、地表に届く光は1割くらいしか届かないんだと。年がら年中分厚い雲に覆われているってわけだ。

で、雲が温められると、そのエネルギーが雲の層の上下に伝搬していって、雲の層とは逆向きの気流が生じるんだそうだ。よく理屈はわからんけれど。

で、その逆向きの気流が地面に届くと、地面は気体じゃないから、そこで摩擦が生じる。ってなると、地面付近ではこの雲の層と逆向きの風が弱まるんだそうだ。

で、その逆向きの風への抵抗が反作用となって、雲の層の気流を更に増す。
こいつがスーパーローテーションの正体だってんだよね。なんかすげー。

熱潮汐波を支える自転速度の遅さ

俺もよく走らなかったんだけれど、金星って自転速度が地球に比べるとめっちゃ遅いんだって。
どのくらい遅いのかって?1回転自転するのにかかる時間は243日だってんだ。だけど自転と公転の向きが逆なので、金星の1日は117日分なんだって。
意味分かんないよな。

つまり、そんだけ長い期間「昼間のまんま」だったり「夜のまんま」なんだそうだ。

ってなると、さっきの硫酸の雲が太陽によって熱せられる時間も長くなる。
なので、熱潮汐波が生じるためのエネルギーがたっぷりと硫酸の雲に蓄えられるってスンポーなんだそうだ。

ここまで来ると、なんつーんだ?想像がおっつかないくらいの不思議空間だよな。

こんな風に宇宙って領域は、俺たちオッサンにとってもまだまだ妄想の余地を残してくれている。

さて、あんたはどう思う?

俺たちはまだ、この宇宙ってフロンティアで遊ぶことが出来ると思うかい?

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