dukuyo

づくよ 創作/グリム童話みたい本を書きたい

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最近の記事

不幸を食べる怪物

僕は不幸を食べる怪物を飼っている。 怪物は人の不幸を目にすると、すぐに顔を出して 大きな口をあけて不幸を食べる。 そして、怪物は一時的に満たされたような顔をして 消えていく。 怪物はよく餌をくれと僕にせがんだ。 僕は適当にインターネットで拾った不幸を怪物に与える。 怪物は嬉しそうにそれを食べた。 ある日、僕は親友からご飯に誘われた。 親友はずっと前から好きだった女の子に告白して付き合ったらしい。 怪物はそのことが気に入らないらしくとても怒った。 そこに親

    • 二度目の失恋

      小学生の頃好きな男の子がいた。 走るのが早くて頭もよかった。 隣のクラスだったけれど、廊下で会うたびにお互いにイタズラをしたり 憎まれ口を叩いたりした。 ある帰り道、私は転んで怪我をした。 膝からは血が出ていた。 彼は私にティッシュを渡した。 素直にときめいた。 心のどこかでは分かっていたが その日から私は彼のことが 明確に好きになったのだと自覚した。 中学校からは彼とは違う学校になった。 私は、彼と接点を持ちたくて 同じ中学の人から情報を得て、

      • 王様と結晶の魔女

        あるところに1人の容姿のいい王様がいました。 王様は、毎日色々な女の人と遊びへ出かけ、とても幸せでした。 ある町の純粋な少女は、その王様に心を奪われました。 一目見て初めて恋に落ちたのです。 純粋な少女は、王様に自分を妃にするようお願いしました。 王様は今すぐにはできないが、何年後かには妃として 迎え入れることを約束しました。 純粋な少女はとても浮かれ、自分は特別だと思いました。 雪が溶け春になった日を5度繰り返しましたが、 王様の生活は変わりませんでした。

        • 運命の王子様

          この世には運命の人は2人いると言います。 1人目の運命の相手は、人を愛する激情を教えてくれる人。 2人目は永遠の愛を教えてくれる人。 昔々あるところに、自己中心的な利益しか 求めないお姫様がいました。 お姫様は頭が良くなかったので、 結婚する王子様には完璧でいてほしいと願いました。 ある時、お姫様はとても顔が良く、 男らしい性格の王子様に惹かれます。 男らしい王子もお姫様のことを一目で気に入り すぐに結婚したいと思いました。 お姫様もその王子のことを気に入

        不幸を食べる怪物

          雨が嫌い

          彼は雨が嫌い。 雨が嫌いと言うよりも傘が嫌い。 彼は雨が降っても傘をささない。 ずぶ濡れになって帰ってくる彼をいつも私は 怪訝そうな目で見て、洗い立てのふわふわのタオルで 包んであげた。 そのあとは、あったかいお風呂に彼をいれ その間は一仕事終えたかのように、 ゆっくりと紅茶を飲む。 3月に私たちはそれぞれの道を選んだ。 私は彼ではなく将来を。 もう彼の濡れた頭を拭いてあげることはできない。 もう時期梅雨が来る。 彼は雨が嫌い。 彼は私が嫌い。

          雨が嫌い

          私には好きな人がいる

          私には好きな人がいる。 その人は一年前に付き合ってた元彼だ。 彼は何よりもロマンチストだった。 時折私を驚かせるために、 誕生日にはサプライズでマジックをしてくれた。 私を笑わせるためにハロウィーンでもないのに ピエロになってくれたりもした。 2人の夢はディズニーのミラコスタホテルに泊まることだった。 ずっとずっと一緒にいれると思っていた。 だが、私と彼は長くは続かなかった。 別れた理由は、とてもありふれた理由だった。 遠距離恋愛だ。 別れた選択に後悔

          私には好きな人がいる