雨が嫌い
彼は雨が嫌い。
雨が嫌いと言うよりも傘が嫌い。
彼は雨が降っても傘をささない。
ずぶ濡れになって帰ってくる彼をいつも私は
怪訝そうな目で見て、洗い立てのふわふわのタオルで
包んであげた。
そのあとは、あったかいお風呂に彼をいれ
その間は一仕事終えたかのように、
ゆっくりと紅茶を飲む。
3月に私たちはそれぞれの道を選んだ。
私は彼ではなく将来を。
もう彼の濡れた頭を拭いてあげることはできない。
もう時期梅雨が来る。
彼は雨が嫌い。
彼は私が嫌い。
私は私が嫌い。
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