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自分の企画を楽しむ

10月初旬から、フランスにあるボルドーのメドック地区と呼ばれる場所で2級に認められた、14本のワインを1年ですべて飲んでしまおうという企画を立ち上げた。

9月中旬頃にその企画案を思いつき、懇意にしているお店のオーナーに相談して、14本全て仕入れてもらうよう頼んだ。

そのオーナーも面白いアイデアだねと快く引き受けてくださり、精力的に準備を進めてくれたので、10月初旬から無事にスタートすることにした。

そのオーナーもワイン好きで、1980年代後半のバブル期に今では高価で手が出せなくなってしまったワインを浴びるように飲んできた方なので、自分にもある程度おすそ分けがあるだろうと踏んで喜んでいた。

残るは、僕が誰を誘って一緒に14本あるワインをすべて飲み干すのかということになるが、あまり大人数だと一人当たりの飲める量が少なくなってしまい、十分に味わえないので、3人か4人くらいがベストだろうと当たりをつけ、パートナー探しを始めた。

外せない一人は、ワインエキスパートの資格の勉強を一緒にしない?と声をかけたときに、すぐに飛びついてくれた、30代前半の従兄弟だ。

その従兄弟とは別に、あと2人どうしようかと考えていたら、その懇意にしているオーナーのお店で知り合った20代後半の弁護士と50代の建築関係の方の顔が思い浮かんだ。

本当は35歳の僕よりも年下の人を誘って、メドック地区の2級ワインをすべて飲んだことがあるという経験を、将来彼らがどこかで役立ててくれるとよいなと思っていたけれど、50代の知人にも声をかけた。

彼ら2人を交えた4人で、10月2日に1回目を開催することにした。

僕と従兄弟は1軒目から一緒に食事して、意気揚々と2軒目のそのお店へ向かった。

残りの2人は仕事を終えて、そのままお店へ来てくれたようだった。

さすがはメドック2級のワインだけあって、人を呼び寄せる力が強く、感心する。

ワインを飲むことで、僕にもそんな能力が培われないものかと思う。

コルクを開けるだけで、その香りは花畑のようだし、デキャンタして空気に触れさせれば、時間の経過と共に味わいは豊かになる。

1本目のワインを口にしたとき、これから13本飲む楽しみが一気に膨らんだ。

結局10月2日は2本飲み干し、幸先のよいスタートを切ることができた。

その会に一番味を占めたのは、僕でも従兄弟でもなく、50代の建築関係の方だった。

もともと、その人とは毎月1回は定期的に食事をして、飲む仲だったが、ワインを飲む会を始めて以来、週に1度は飲む仲になってしまった。

それほどまでに、人を魅了してしまうワインは素晴らしいと共に恐ろしい。

その建築関係の知人のおかげで、毎月1本ペースで1年かけて飲み干そうと考えていた予定が数倍のスピードで進み、昨夜飲んだ3本をあわせると、10月の1ヶ月で10本飲んでしまった。

このペースでいくと11月末を待たずに、14本飲み干してしまいそうなので、次はどこの地区のおいしいワインを飲む企画を立ち上げようか、すでに模索している。

次はシャブリ地区のグランクリュを攻めようかな。

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