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約束した時間に遅れることで相手に抱かせるモヤモヤした気持ち
僕も以前あの人を昨日の僕と同じようなモヤモヤした気持ちにさせていたのだろうか。
もし、そうだったら申し訳ないことをした。
昨夜、結果的に過去の自分の行動を考えさせられることになった、あるお客様との食事会がありました。
人数は合計4名、内訳はお客様側(同じ会社所属)2名とこちら側(同じ会社所属)2名で、4名のうち1名だけ東京から来られる人で、残りは中部地区で働いている人の集いでした。
開始時間を18時30分に設定していましたが、当日の午前中に東京から駆けつけてくれる予定の人から、『新幹線でそちらに着いたら、荷物が多いので一旦ホテルにチェックインして身軽な格好で伺いたいです。そうなると、18時30分には間に合いそうにありませんので、開始時間を遅らせてもらえませんか。』という連絡を受け、開始時間を変更する旨を他の2名に伝えました。
結局、開始時間を30分遅らせて、19時にすることにしました。
こちら側の2名は、19時前に到着するため、18時25分に会社を出ました。
乗用車で向かいましたので、道中が混んでいて、思ったよりも時間がかかりましたが、19時前に無事に着席しました。
道中、お客様側の1人が、仕事の都合で19時に間に合わないと思いますと連絡をくれました。
まあ仕事の都合で遅れるのは、よくあることですから、承諾して、焦らずゆっくり来てくださいと伝えました。
19時前に僕ら2名が着席してから、19時を迎え、その後5分経ち、10分経ち、15分経っても、お客様側は1人も姿をあらわしません。
気になって、お客様に連絡をしてみると、1人はホテルのチェックインを終え、タクシーに乗ってお店へ向かおうとしているが、なかなかタクシーがつかまらないという状況でした。
もう一人は、電車に乗っていて、まだお店の最寄駅に近いとは言えない駅周辺を走っていますと返答がきました。
そのタイミングで、お客様側の2名には申し訳ないけれど、のどが渇いて、お腹が空いたので、私たち2人で先に始めていますと連絡をして、注文して、食べ始めることにしました。
店員さんも、ようやくですかという安堵の表情を浮かべ、注文を聞いてくれました。
席に届けられたビールで喉を潤し、キムチ、ナムル、厚切りタンで小腹を満たしながら、お客様の到着を待ちました。
そうこうしていると、予定開始時間から30分遅れで、お客様2名が同時に到着され、本格的に食事会の幕が上がりました。
普段は食事相手が遅れることに対して、何とも思わない質なのですが、昨夜は少し胸にひっかかりを覚えました。
喉に魚の小骨が刺さったような嫌な感じとでも言いましょうか。
なぜ、昨夜はそのような違和感というか、猜疑心というか、どんな言葉で表現したらいいのかわからない苛立ちにも似た感情が湧いてきたのでしょうか。
あえて言葉にするなら、『何をやっているの?時間くらい守れないの?』というニュアンスでしょうか。
相手側2名のうち1名でも時間通りに来ていれば、もう1名が30分遅れてこようとも、こんな風に感じることはなかったかもしれません。
相手側2名が両方いない状況で、僕たちは飲むわけでもなく、食べるわけでもなく、部屋からの見晴らしのよい景色を数分眺め、その後はスマートフォンを画面を見ながら、手持ち無沙汰な時間を過ごしました。
僕たちの貴重な時間を蔑ろにされたと感じたのかもしれません。
店員さんがちょこちょこと様子を見に来られて、相手の2名のうち1名でも早く到着して欲しいと願う気持ちが転化して、なんでこんなに遅いんだという攻撃的な気持ちになったのかもしれません。
単純にお腹が空いて、イライラしただけかもしれません。
僕だけではなく、同じ会社の社員も一緒に待ってくれていることに申し訳なさを感じたのかもしれません。
きっと、それらの感情が入り混じって、モヤモヤした気持ちを醸成したのでしょう。
僕も食事会の約束時間に遅れることがあり、その時に相手をモヤモヤさせてしまっていたのだと気づいたとき、食事会の約束時間には絶対に遅れないようにしている、僕のある敬愛する経営者の顔が頭に浮かびました。