野球をダシに嫌韓
私は野球には余り関心が無いし、詳しくない。
ただ、日韓戦が大盛り上がりしたらしい。(試合の内容までの詳細は知らない。)
ここは両国選手の健闘を称えるべきであろう。
また、練習試合を含めて、日系米国人のヌートバー選手が君が代を覚えて一生懸命斉唱したという。
これぞ、八紘一宇の大理想とスポーツマンシップの融和した姿ではないかと思う。
しかし、一部で残念な言説が見られた。
当然ながら旭日旗は日章旗と共に日本を象徴する旗章であり、『軍国主義が云々』『民族差別』と排除を要求されるようなものではなく、そのような外国メディアや左翼の主張に屈服することはあってはならない。
しかしながら、そのような攻撃を仕向けられても仕方ないような使用をする者も事実である。
聞くところによれば、韓国や中国相手の国際試合ではよく旭日旗が掲揚されるが、米国や欧州諸国などが相手の時は旭日旗は殆ど出てこないらしい。(反証となる写真などがあれば、是非提示されたい。)
これでは、白人国には気を遣う一方で、韓国や中国には、彼らのメディアや左翼が主張するような『嫌がらせ』の意図で旭日旗を掲揚していると捉えられても仕方ない。
但し、韓国はサッカーの日韓戦において安重根や李舜臣の肖像画を掲げたことがある。これは非難されて然るべきだが、似たようなことを日本もやって良いという免罪符にはならない。
こんなことを書けば、『日本の右翼の癖に、国際試合で旭日旗を掲げることを否定するのか!』と真っ赤になって糾弾してくるのかもしれない。
しかしながら、先にあげたTwitterのネトウヨ共を見れば、明らかに韓国を侮辱する目的で旭日旗を使用しており、そのようなやり方こそ日韓両国の選手達に失礼なだけではなく、本当の野球ファンにも失礼であり、栄光ある旭日旗と皇軍に対する不敬であり冒涜に他ならない。
支那事変、大東亜戦争においては約24万人の朝鮮人が軍人軍属として出征し、約2万1千柱が靖国神社に祀られている。
彼らは天皇陛下の為に、日章旗、旭日旗の下に殉じたのであり、日章旗、旭日旗は決して『嫌がらせ』の道具でも、溜飲を下げるダシでもない。
私は断固として誤った似非民族主義的軽挙妄動に反対する。それこそ、先祖や日本国に対する侮辱であり、『反日行為』に他ならず、更に言えば、彼らが大嫌いな韓国や中国の反日デモの姿に瓜二つである。
序論が長くなってしまったが、これからが本題となる。
北韓は韓国より良い国か
実はネットを見ていると『北朝鮮の方が韓国よりマシ。』と主張する自称右派が少なからず存在しているのだ。
やり取りをしてみて、その異常性に恐れ入った。
当然ながら、韓国は竹島問題や歴史問題で対立する国であり、国民に反日教育を行っている。
この領土問題と歴史問題の解決なくして正常な日韓関係はありえない。
更に言えば、私は北韓(朝鮮民主主義人民共和国)はソ連傀儡、大韓民国は米国傀儡であり、正当な政府は明治43年の日韓併合において、日本に国土国民を託した純宗皇帝の大韓帝国であり、もし大東亜戦争に日本が勝利していれば遠からず大韓帝国が快復されていたと考えている。
この李氏大韓帝国を正当とする立場からすれば、北韓も大韓民国も究極的には否定の対象ではあるが、手続き的に『大韓民国の帝政復古維新』による大韓帝国再興を理想とする考えから、大韓民国を便宜的に支持し、北朝鮮のことを『北韓』と称するようにしているのが私の朝鮮問題における基本的立場である。
やや脱線したが、この朝鮮問題に対する基本的姿勢を踏まえた上で、現大韓民国とは対立する点が多いのは事実であり、私自身、竹島の日など節目には韓国領事館に抗議行動を行っている。
しかしながら、曲がりなりにも韓国は民主国家である。
確かに過去には、『日本統治時代は良かった。』と懐かしんだ老人が撲殺される事件もあった。
しかし、現在は慰安婦詐欺精算連帯の金柄憲博士のような真の愛国者が台頭しつつある。
ここで最も重要な点は、如何に韓国が李承晩や朴正煕によって植え付けられた激しい反日洗脳を国是としていても、金柄憲博士のような人達が逮捕されたり、処刑されたりはしないということだ。
この一点において、韓国はロシアや中共、北韓とは明確に異なっており、それを承知しながら韓国を北韓などと同一視したり、『北朝鮮がマシ』とは暴論以外の何物でもないだろう。
そして、当の北韓の考え方について見てみよう。
今どき、韓国や中国の教科書や朝日新聞でもここまでは言わないだろう。
こと『反日』『抗日』思想と洗脳教育という意味では、韓国や中国と同等であり、決して無視できないものである。
そして、その反日的主張もさることながら、『それに尹錫悦逆賊一味は民族の敵に「関係改善」を要請しながら過去の罪悪をうやむやにし再侵略の道を開けている。』とあるように矛先の本丸は尹錫悦大統領であることが読み取れる。
現在、尹錫悦大統領は日米韓による安全保障の緊密な連携を目指しており、米国のバイデン大統領も尹錫悦大統領による徴用工問題解決策を『英断』と評価し、尹大統領を国賓で迎える予定である。
もっとも、米国は第二次世界大戦における戦勝国であり『大韓民国をでっち上げた』側であり、歴史観においては、常に韓国や北韓、中共と同一の視点を共有し、日本に対しては言外に『敗戦国の日本は中国や韓国に謝ってろ。』と見える形、見えない形で圧力を掛けているのは確かである。
しかし、私自身は『米国に頼らず日本は独力で中国やロシア、北韓に負けない国防力を持つべき』という立場であるが、今の日本国総体で見たとき、日米韓の枠組みで中国、北韓に備えるというのは妥当な国家戦略である。
その流れに対して北韓が焦っていることは『わが民族同士』の社説から明らかである。
当然ながら歴史問題として決して譲れない一線はある。
如何に良心的、知日的な尹錫悦大統領と雖も、ある程度は反日的な歴史観に立たざるを得ない。
それ自体は、李承晩や朴正煕の責任であり、仕方ない面もあるのだが、尹錫悦大統領を手放しで称賛する訳にもいかない。
しかし、この期に及んで殊更嫌韓原理主義を叫ぶ者は、自覚的、無自覚的にしろ構造的には北韓の手先であり、共産主義に屈服した者と見做されて然るべきであろう。
嫌韓保守と尾崎秀実、種村佐孝の類似
このような一部の嫌韓原理主義のネトウヨ活動家を見て想起するのは、戦前朝日新聞社に巣食い、対支強硬論を主張し『支那問題の権威』と呼ばれた尾崎秀実である。
知っての通り、その正体はリヒャルト・ゾルゲと同じくソ連の工作員、スパイであった。
彼は中国国民党との戦争を煽り、日ソ戦争を防止したのである。
勿論、当時の中国国民党も反日政権であり、決して信用を置けた相手ではない。
幣原喜重郎政権の対中宥和政策(幣原外交)が国民党をつけ上がらせ、反日・侮日政策に誘導した。
ただし、中国国民党を反日へ誘導するソ連の工作活動についても指摘しておかねばならない。
対ソ防衛を第一義とする陸軍は事変不拡大を目指したのにも関わらず、朝日新聞と世論に煽られた近衛文麿は全面戦争に突入した。
(もっとも、石原莞爾が参謀本部第一部長の座を追われたように、第二次上海事変へ至った時点で全面戦争は最早回避できる状態ではなかった。)
そして、更に尾崎秀実は南進論を唱え、北進論への動きを封じたのである。
元より、英米の帝国主義は看過せざるものであり、いずれは対決する運命にあったであろう。
大東亜戦争の世界史的意義は明瞭である。
その一方で本来のもう一つの敵、ソ連や八路軍と妥協を強いられ、終戦直前には種村佐孝という『可能な限りソ連に領土を渡せ。』と主張する関東軍参謀まで出現した。
とても驚くべき内容である。
英米と戦闘継続する為に、ソ連や八路軍(中共)に考えられるべき最大限の譲歩を行うべきと説いているのである。
そもそも、日本が満蒙へ進出したのは『防共』の為である。
その満洲国を守る為に、支那事変へ至り、更に英米との対決を余儀なくされた。
しかし、大東亜戦争開戦の半年程前に日ソ中立条約が結ばれるとソ連は仮初の友好国となり、『防共』はすっかりどこかへ忘れ去られてしまった。
英米と戦う以上、英米との戦いに専念するのは当たり前だが、ソ連への警戒を忘れるべきではなかった。
ところが、あべこべなことに終戦前になると陸軍も海軍も外務省もソ連を頼りにして継戦するか、和平仲介に期待することばかり考えるようになる。
そして、一番酷いのは先述した種村佐孝の終戦構想である。
『防共』の為に満洲を抑え、支那事変、大東亜戦争に至った筈なのに、最終的に『ソ連や延安(中共)を頼りに英米と戦う。』と目的がすり替わってしまっているのである。
否、彼らは意図的に目的をすり替えてしまったのだ。
終戦直前の日本陸軍、特に対ソ最前線たる関東軍にはソ連への内通者が多数いたのである。
特に先述した種村佐孝、伊藤忠商事のトップになった瀬島龍三、志位和夫の叔父、志位正二、メディアに親ソ、親中発言を多く残した朝枝繁春。
尾崎秀実や種村佐孝ら『右翼を偽装した共産主義者』や『赤化親ソ軍人』は、英米打倒、アジア解放の大東亜戦争の大義に便乗して、ソ連共産主義の利益に奉仕しようとした民族的裏切者である。
嫌韓保守と赤化右翼
さて、今見てきたような尾崎秀実や種村佐孝らの事例が韓国問題にどう通じているのか。
それは、この支那事変、大東亜戦争に至る過程における『右翼を偽装した共産主義者』(これを『赤化右翼』と命名す。)の存在を見るに、現在の嫌韓保守にも北韓を利する偽装という疑念を拭い去ることは出来ないということである。
昭和初年代の蒋介石政権も現在の韓国も反日には違いないが、まだ議論の余地がある相手だ。
ソ連、北韓には議論の余地すらない。隙を見せればどこまでも付け込んで来る相手である。
韓国とて信用してはならないし、台湾の国民党、民進党も然りだが、それでも『主敵を見誤る愚』だけは常に意識しなくてはならない。
北韓、中共、日本国内における朝日新聞や日本共産党、社民党、れいわ新選組の如き極左勢力こそ主敵である。
ここまで書いてもなお、『そこまで理屈をこねて韓国を擁護するのか。』と怒号を飛ばす者もいるかもしれない。
私は竹島問題においても、歴史問題においても、一切妥協するべきでないと考え、韓国を糾弾している。
しかしながら、私にとって韓国への抗議活動は『韓国人を覚醒させ、領土、歴史の懸案を解決』する為の手段であって、反韓国活動自体が目的ではない。
『手段』と『目的』が入れ替わるのは、政治、社会活動家にも有りがちな罠である。
一部の嫌韓保守活動家の行動は、韓国憎しと鬱憤解消にしか感じられない。
その無思慮な行動によって得をするのは北韓と中共である。
別に、彼らネトウヨや嫌韓保守が、尾崎秀実や種村佐孝の如き『赤化右翼』であるという陰謀論を唱えるつもりはない。それに、もし彼らが偽装右翼とするにしては余りに稚拙すぎる。(笑)
しかし、構造的には対中国国民党強硬論を唱え、南進論を煽って日ソ戦争を回避した尾崎秀実や、ソ連や中共と同盟して英米戦継続を主張した種村佐孝の行動と、感情的に韓国を攻撃して日韓関係を破綻させ、北韓を優位にさせる嫌韓保守の行動は類似しているのだ。
韓国の反日主義自体は許してはならないが、韓国以上に北韓、中共への警戒を忘れてはならないのである。