林 伸次 著、渋谷の「バーのマスター」シリーズが、ついに電子書籍化!
2013年と2016年に刊行され、愛される店づくりの教科書、バーを愛する店主のエッセイとしてロングセラーとなっている2冊が、ついに電子書籍化されました。
この2冊を刊行後、渋谷のbar bossaの経営者で、著者の林伸次さんはあれよあれよと何冊も書籍を上梓され、今では大人気作家としても活躍中です。もちろん、note読者の方はその名をご存じのことでしょう。
その林さんから、祝・電子化!のコメントをいただきました。
ファーストアルバム神話 ──林 伸次
音楽業界には「ファーストアルバム神話」というのがあるのはご存じでしょうか?
例えば、あるミュージシャンが23才でデビューしてファーストアルバムを作ることになります。
その彼、中学生くらいからもう音楽が大好きで、色んな世界中の音楽を聴き倒して、「自分はジョン・レノンみたいになりたいな」とか、考えるわけです。
もちろん、高校生くらいからバンドをやり始めて、オリジナル曲をたくさん作ります。「スティービー・ワンダーのコード進行、最高!」とかって学びます。
そして18才になって、たくさんデモテープを作って、今ならYouTubeに動画をアップして、「自分だけにしか作れない音楽」と自分では信じ込んでいる楽曲を制作します。
そして23才の時に、ついにレコード会社のプロデューサーの目にとまり、ファーストアルバムのレコーディングです。
わかりますか? そのアルバム、彼の13才からの「音楽への思い」が全部詰まっているんです。ファーストアルバムって、青臭いし、不完全だけど、若い頃の思いやアイディアが全部詰まってるから、何故か聞く人の心を震わせるんです。
僕のそんなファーストアルバムが電子化しました。是非!
担当編集が語るbar bossaの思い出(余談)
まだ編集者ではなかった頃、ブラジル音楽好きの友人に連れられてbar bossaを初めて訪れました。すごく暗くて、バーなのにカウンターも個室風スペースもテーブル席もあって広々と入りやすく、ワインバーなのにブラジル料理もおいしく、こんな路地裏の一見さんではなわからないような場所に、こんなにすてきなお店があるなんて!と興奮しました。『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』『バーのマスターは、「おかわり」をすすめない』を読めば、上記の太字で上げた情報はすべて、林さんの計算尽くであることがよくわかります。まんまと策略にハマり、ファンになってしまいました。Facebookの「bar bossaページ」に「いいね!」をすると、林さんがお店に関する記事を毎日投稿しています。ふと読むと、なぜか引き込まれる。個人店経営の裏側って、こうなっているのか…。あっ、あの真っ暗な照明も、わざとなの!?
その後、いろいろあって編集者となった私は、企画を立てるにあたり、毎日読むのが日課になっていた林さんの考え、その文章を、本にしたいと考えたのでした。刊行後10年近く経ち、このようにロングセラーで本のかたちとして残り、さらには電子書籍化されて読み継がれることになって、担当としても感動しております。
コロナ禍で、自分の生き方を考える機会も多くなったと思います。林さんのように、独力で個人店を経営し、さらには二足の草鞋で作家デビューという夢を叶えた、という方、憧れますよね。その原点はこの2冊にあります。おうち時間に、林さんの人生の「ファーストアルバム」を読んでみてくださいね。(『バーのマスターは、「おかわり」をすすめない』表紙写真のワイングラスを持つ手、実は私です!)(編集・筒井)
以下、書籍情報です。
『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか? 僕が渋谷でワインバーを続けられた理由』
林伸次 著
四六判・並製・224ページ
本体1,600円+税
978-492506-489-7
https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK048
人々が、飲んで、笑って、恋をしている
小さなお店の裏側は、こんなふうになってます。
── 飲みものの値段の決め方とは?
── ピノ・ノワールは人生を「豊か」にする?
── 「夫婦」はバーに来ない! ?
── 回転率より滞留時間! ?
──できてる二人の見分け方
<目次>
一章 「レコード店勤務」から「バーのマスター」になる
二章 変わっていくこと、変えたくないこと
三章 bar bossa 流 道具選びのルール
四章 人間関係は酒場で学べる
五章 お酒とお店のトラブル解決ノート
六章 お店を「続ける」ということ
『バーのマスターは、「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
林伸次 著
四六判・並製・272ページ
本体1,600円+税
978-486647-001-6
https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK150
「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!
──お酒が飲めなくても楽しめる注文の仕方とは?
──「いいバー」の見分け方
──お酒を飲まなくなった若者たちへ
──デート中の男性は傷つけない
──お酒の飲み方いまむかし
──「このお酒しか飲まない」と決める
──安西水丸さんのギムレット
──失敗と失恋は買ってでも
──情報とお金はどんどん回そう
──お酒を出さない飲食店
──おかわりのすすめ方いろいろ
<目次>
一章 粋なバーの使い方
二章 紆余曲折、悩めるバー経営
三章 古きから学び、これからに生かすアイディアソース
四章 個人がお店をもつために
五章 東京・お酒ものがたり
六章 心に刻まれている、思い出のあの店
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