物件購入の闇:離婚調停・裁判中の女性はローンが組みにくい
今、私が住んでいる物件は、結婚後に夫の名義で購入したものだった。購入金額は3250万円。そして、夫が失踪前にこの物件を譲渡するならと提示してきた金額は2657万円。
しかし、調停で提示された物件譲渡額は驚きの4160万円。
……ここまでが前回のダイジェストw
いくらなんでもそんな金額で引き取れない……というか、4160万円出したら、同じ物件でももっと広い、リノベーションしたばかりの部屋が買える。というか、お釣りが来る。
金額交渉をしたところで、足元を見てふっかけられるだけだろうと判断した私は、物件の引き取りを諦めることにした。
賃貸物件に移り住むとしても、敷金礼金・引越し費用がかかる。だったら、その費用を頭金にして、物件を購入したほうが良いのではないか。私の年齢(47歳)を考慮すると、物件購入の最後のチャンスのように思った。
夫に離婚を切り出されて以降、私はずっと物件を探していた。そりゃぁ、今住んでいる物件を市場価格よりも安価に譲ってもらうのがベストだったけど、心のどこかで無理なんじゃないかと思っていたから。
調停が長引く中、私の物件選びも難航していた。なかなか「これだぁぁっ!」って思えるような心ときめく物件に出会えなかったのだ。……でも高い買い物だし、(たぶん)一生住み続けるんだから、妥協したくなかった。
でも、神様っているのかもね。夫が今住んでいる物件を4160万円なら売ってやると言ってきたタイミングで、なんと心ときめく物件に出会ったのだ!!!
自分でもこんな高い買い物を、一度の内覧でほぼ即決で決めるとは思わなかったw だって、その物件はリノベーション工事の真っ只中で、まだ出来上がってすらいなかったのだから。
ともかく、私は近々住むところを失う予定だし、約1年かけてやっと巡り会えたこのチャンスを逃すまいと、すぐに契約することになった。
不動産屋の営業マンもとても気さくで親身になってくれる良い人だった。私の収入状況を聞いて「問題なくローンも通ると思いますよ」と太鼓判を押してくれた。
ところが!
いざ審査の段になって、不動産屋さんは悲しそうに「すみません。収入的には問題なかったのですが、別の理由で、都市銀行とか軒並みローン審査に通せないことがわかりました」と言ってきた。
聞けば、都市銀行を含めた多くの金融機関は離婚調停・離婚裁判中の女性にはお金を貸さないという暗黙のルールがあるのだという。
理由は、物件購入時の契約書の名前と、ローン審査時の名前が違うことが想定されるからなのだそう。金融機関が融資する際、物件を担保にする。担保にする物件と、ローン契約者の名前を一致させるために、離婚が成立してからでないと融資できないというのだ。
利用者から「物件を購入するには離婚成立が不可欠ということで、金融機関からの融資を受けるために離婚時期を早めた」と言われることを避けるために、コンプライアンス的に離婚調停・離婚裁判中の人(というか、離婚により姓が変更になる女性)には融資しないというのだ。
そんなバカなことがあるかよ(怒)。
一番お金を借りたいタイミングで弱者の味方になってくれないなんて、バカバカしいにも程がある。……と怒っていても、都市銀行は審査を受ける前から門前払いの状況に変わりはない。
困り果てる中、不動産屋さんが見つけてきてくれたのは、比較的その辺のレギュレーションが甘い信用金庫と、ネットバンクだった。
私は、その中で唯一、借入条件が合致した信用金庫で融資を受けることになった。レギュレーションが緩い分、金利がめちゃくちゃ高かった……(泣)。現在、変動金利で安いところだと約0.3〜0.4%と言われている中、私が借りた信用金庫は変動金利で0.99%。
弁護士費用や夫に払う婚姻費用が定まっていないため、貯金を温存すべく、ほぼ頭金を入れることができなかった。色々と本当に悔しい。
同じような状況にある方は、素直に離婚調停中・離婚裁判中であることを明かさず、セカンドハウスを買う的な言い方で物件を購入したほうがいいように思う。