日本人が知っておきたいドバイ不動産投資の税金
今回は、日本居住者のドバイ不動産投資をおこなうパターンと税金を解説します。過去の記事のアップデート版です。
この記事はこんな人に向いています。
✅ ドバイ不動産投資を検討している
✅ すぐの移住は考えてない
✅ 法人を使って節税したい
法人とドバイ不動産の所有権
まず、ドバイ不動産の所有権は認められているのかという点からお話します。
ドバイでは、不動産屋土地の所有権について、外国人の所有を認めています。正確には、認められているエリアと認められていないエリアが分かれています。
所有権が認められている主体としては、個人と法人の両方に認められています。しかし、注意点としては、ドバイ法人では認められていますが、外国法人がドバイの不動産を購入することができません。
不動産小口化を目的とした法人格(SPV)によってドバイ不動産を所有することは可能ですが、SPVの登記場所も限られています。DIFCやADGMといった金融に特化したフリーゾーンで、一定の条件を満たしている必要があります。
つまり、日本人がドバイ不動産を勝手に小口化して販売している例は、免許業者ではなく私募の場合がほとんどです。
ドバイ法人でドバイ不動産を購入すれば無税?
あまり税に精通していない方は「適当にドバイ法人を作って、ドバイ不動産を購入すれば税金がかからない」と思っている方がいらっしゃいます。
結論から言うと、間違いです。
完全に日本での課税をゼロにしたい場合は、基本的に「日本の非居住者」となるしかありません。
そこで、日本からドバイ不動産を購入するパターンを解説します。
日本人のためのドバイ不動産投資4パターン
日本居住者の個人が購入
日本居住者が作ったドバイ法人が購入
日本法人の子会社であるドバイ法人が購入
日本の非居住者の個人が購入
日本居住者の個人が購入
日本居住者は、全世界どこでも所得に対して課税対象になります。
そのため、ドバイ不動産から発生する家賃収入による利益・売却益は、日本で課税対象となります。
不動産売却に関する譲渡税は、
- 短期譲渡所得:39.63%
- 長期譲渡所得:20.315%
が適用されます。
日本居住者が作ったドバイ法人が購入
2つ目は、日本の方がドバイ法人を設立し、ドバイ法人で不動産を購入するパターンです。この場合、いくつかの論点があります。
まず「ドバイ法人がペーパーカンパニーであるかどうか」という点です。
ペーパーカンパニーかどうかは、実際にビジネスを事業としてドバイで行なっているかが最も重要です。ポイントは下記です。
代表や株主が日本居住者
実質的支配者が日本居住者
経済活動実態がない
これらのポイントに当てはまる場合、法人はペーパーカンパニーとして見られる可能性が高く、①で示した日本の税制が適用されることになります。
また、ビジネスを実際にしているドバイ法人から、日本居住者が報酬をもらっている場合は、その報酬に対して日本の課税対象になります。
日本法人の子会社であるドバイ法人が購入
3つ目は、子会社をドバイに設立し、子会社のドバイ法人が購入するパターンです。
この場合も、②と同様で、子会社としてドバイで事業をする必要があります。メリットとしては、親会社と子会社を合わせて活用することができ、親会社の課税金額を下げることができます。
日本の非居住者の個人が購入
最後に、日本の非居住者になって、ドバイ不動産を購入するパターンです。
日本の非居住者になる最低条件は、住民票を日本から海外に移すことです。しかし、移すだけで、100%税務上の非居住者だと言えるかというと、そうではありません。
この判断はケースバイケースで、生活の実態や仕事、家族、資金源など様々な要因を考慮する必要があります。最高裁判所の判例などに詳しい専門家に相談することをお勧めします。
税制上の非居住者認定がなされれば、当然UAEの税制が適用されます。給与所得・投資・不動産に関する税金は、個人の場合 0% です。
以上、日本人がドバイ不動産投資をするパターンと気を付ける税金のポイントを解説しました。
この記事は、税務アドバイスが目的ではありません。実際は、UAEの税制も始まっており、ルールも細かく決まってきています。日本とUAEの税制に詳しい税理士、会計士のご紹介も承ります。一度、専門家にご相談ください。
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