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2拠点生活のススメ|第186回|穴だらけの完璧

一昨日まで徳島にいたのだけれど、父が病院に緊急搬送されたと連絡があり、急遽川西に帰ることになった。

ウェットスーツはベランダに干したままだし、冷蔵庫には食材が一杯残っている。洗濯物は諦めて置いて帰ることにして、急いで帰り支度を始めた。

冷蔵庫の食材を保冷バックに詰め、濡れたウェットは風呂場へと移動。生ゴミもまとめてベランダのゴミ箱に移し、戸締まりも念入りに行う。

パソコンやメガネ、携帯など持って帰らないと困るモノを何度もチェックし、ガス栓を閉めて、台所以外のブレーカーを落とす。

よし完璧・・・急いで病院へと向かう。

深夜に高熱が出て、翌日の昼間になっても下がらず、息苦しいと父が訴えたため、施設の方々が念のためにと、救急車を呼んだらしい。病院に着くと父は意識もしっかりしており、顔色も悪くない。

担当の医師と話をすると、帰ってもらってもいいんだけれど、血中の酸素濃度が低めなので、念のため検査入院して何日か様子をみましょうという話になり、入院手続きをして帰る。

たいしたことで無くて一安心、病院を出る頃にはもうすっかり日も暮れていた。妻が「お腹空いたね、ご飯どうする?」と聞いてきた。

その瞬間、あっと気が付いた。

炊飯器にまだご飯が残っていたことを思い出した。コンセントは抜いたから、ずっと保温しっぱなしということは無いのだが、きっとカビだらけになるだろうな。

「他にもうない、忘れてきたもの?」と妻に聞かれ、再び「あっ」と声が出る。

冷蔵庫の上にバナナとキウイを置きっぱなしにしてきてしまった。きっと次に行くと腐ってドロドロになってるんだろうな。

虫だらけになってなければいいけど、最悪やな〜。

落ち着いて、すべて完璧に片付けて帰ってきたつもりが、やっぱり動揺してたのかな。自分で思う完璧なんて、所詮こんなモノなんだな。

あんなにも、指差し確認したのになー(笑)。

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