2拠点生活のススメ|第112回|時間の栞
先日、ズームバック落合という番組で、落合陽一さんとオードリータンさんの対談を見た。民主主義にデジタルが果たす役割といったオードリーさんならではの話もあったのだが、何気ない二人の雑談がとても興味深いものだった。
落合「1日に何杯くらいお茶を飲むの?」
オードリー「3〜4杯ぐらいかな」
落合「それって、お茶の種類を変えるの?」
オードリー「何かいいアイデアが湧いたりすると、2種類のお茶をブレンドしたりして、その香りを時間の栞みたいに使うことがあるよ。」
なるほど、メモしたり、写真に撮ったりではなく、その時間を記憶に留めておく方法として、いつもと違うお茶の香りを味わう。なんて気が利いているんだろうと感心した。
匂いと記憶というのは密接な関係があるようで、似た香水の匂いからその香水を付けていた人を思い出したり、病院の消毒薬の匂いから入院生活を思い出したりといった話を良く聞く。そうした人間の感覚を上手く利用して、栞がわりにするということなんだろうな。
暮らしそのものを大切に楽しんでいる人なんだと知り、とても親しみを感じた。
オヤジ的には、素敵な女性とデートしたときに「君に出会ったこの気持ちの高まりを留めておきたい」なんて、中国茶を飲みながら、時間の栞の話をしたいなあ・・とか思ってしまう。まあ、何言ってるのこのオヤジって空気になるだろうけどな(笑)。
彼が時間の栞と言ったのは、具体的なアイデアや言葉というものだけでなく、その時の感覚だったり、言葉にできないイメージだったり、その時というものに香りを使って栞を付けるということなんだろうな。
いいこと教えてもらった、ぜひ試してみたいものだ。