意味なんて考えない、無駄な時間を
男のしゃべりはみっともない。
・・・なんて言われた時代もあったけれど、ダラダラとたわいも無い話をするのが好きだ。雑談は散歩にも似て、目的も無しにその時の気分に導かれて進んでいくものだが、その先に思いがけない発見やアイデアのヒントが潜んでいたりもする。
いきなり重いバーベルを持ち上げようとしても無理があるのと同じで、雑談が知らぬ間に脳にとっては軽い準備運動となって、そうした発見やアイデアを生み出しやすい状況を作り出してくれているのかもしれない。
そう思うと、ニュートンじゃ無いけれど、大きな発見は机の上で生まれないというのも分かる。頭の中にちゃんと自分の課題をインプットしておくことが大切で、だからこそ、なんの関係もないような風景やたわいない話の中に気付きが生まれる。今の世の中、効率を優先するばっかりに無駄だと思われる物はどんどん排除されるけれど、本当は無駄の中にこそ、大切なものがたくさん隠れている。
だから雑談は、天気の話だけで終わらせるなんてもったいない。(笑)
私自身、時間が許せば幾らでも楽しく続けていられるが、最近はみんな忙しいので、なかなか続けてくれる相手を見つけるのも難しくなってきた。
けれど、ラッキーなことに宿をやっていると、雑談相手がわざわざ遠いところから訪ねてきてくれる。お客様を雑談相手と捉えるのも失礼な話だが、有り難いことに旅をする人たちは、心に余裕が生まれるせいか、宿主との雑談を楽しんでくれる。
お客様にとっても、何のしがらみもなく、往々にして年齢差もあり、利害関係もない話し相手というのは、発言に気を遣う必要も無いし、「旅の恥はかき捨て」なんて言葉もあるように、思ったことを何でも気にせず口にすることで、リラックスを深める時間になっていると、その和らいだ表情を見ていて感じることも多い。
便利や効率、コスパを売りにする宿はいっぱいあるけど、NOMAyadoは意味なんて考えない、無駄とも言える時間を売りにする宿でありたいと思う。
それこそが、ストレス社会に生きる人々の「こころの栄養」になると信じて・・・
*NOMAyadoでは、宿主とゲストとの楽しいおしゃべりを配信しています。
ゲストたちのリラックスタイムを、あなたもぜひ体感してみてください。