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悩みが捨てられない人間であろうか
別に優しい人になりたいわけじゃない。
私たちの生き方を肯定する人がいないから、そんな人たちと同じようにはならないようにしようと思っているだけ。でないと、認めてしまうことになるから。
夜が好きな人たちが好き。みんなが寝ている時間の美しさを知る人たちが好き。単純に夜に出会える暗中の光も好きだし、視覚情報の一切を消し去る闇そのものも好き。
夜は目に映らないものが多いけれど、心象風景に広がって
誰よりも娘が許せない
鼻に異臭が飛び込んでくる。ゴミ袋に近づけた顔が歪む。それでも私はガサガサと音を立てながら袋の中を漁っていた。
「どこかしら」
ゴミ袋を探した後、あまり意味は無いとは思いつつ手を洗ってから次の場所を探してみた。
クローゼットを探しても見つからなかった。箪笥も探した。
冷蔵庫も開けてはみたけど、さすがにここなわけはないか。
机の下も、自室も、子供の部屋も探した。
いよいよ探していない場所は
気付けない可哀想な男
「俺にはもう何も無いんだ」
私の隣に座っている男は、そんな情けない話を始めた。
さっきまで快楽に溺れていて、その時は悩みなんて無さそうだったのに、正気に戻ってしまったみたい。
それならずっと正気でいられない状態にしてあげられれば良いんだけど、男はそれが難しい。一度快楽の底(その程度で?とは思うくらいの浅い底)に行くとすぐに水上に戻ってしまう。せっかく溺れさせようとしても「今はダメだ」と言わ