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順応できないから哲学をした

記憶で生きる

時間に押し流されて過去を思い返すことが少なくなっていく。 そうして記憶は薄れていって、自分の中からあの時間が消えていく。 手放したくないと思っても、どうしたって覚えるための時間は必要だ。 消えてしまってはダメだから後回しにはできないのに、どんどん目を逸らされる。

みんなが年齢を重ねていくにつれて器用になっていく中、一歩も進んでいない僕は取り残される。 一緒に悩んでいたはずの人たちから馬鹿にされるようになっていくんだと思う。 きっとそれでいいんだろうね。 みんなきっと幸せになりたいのだから、足を引っ張られたくないはずだ。

こんなネット上に書き残されたものなんか 何も息をしていない 言葉に命が宿らない 僕らの心は消えていく 文字になって消費されていく 記憶に残すために書くのに 記憶から消えていく

悩みが捨てられない人間であろうか

  • 無小─掌編小説

    9 本