
主人公サイドは、徹底した善人であるべきか?(公募小説の話)
今現在、結構腹が減っているのですが、欲望のままに食べると、夕食の時に困るので(挨拶)。
と、いうわけで、不二川です。
いかに、基本的に楽しいことであれ、原稿を書くという行為は、ストレスになるせいか、お腹を下して仕方がない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の記事は、「念を入れて!」とかいった話です。
前回までのあらすじ
さて、昨日は、
「ご都合主義はダメなの!」などと書かせて頂きました。
昨日の時点で、当該箇所は修正したのですが、考えてみれば、もそっと気になるところがありました。
聖人君子か!
いえね? 今現在推敲している作品の、登場人物に、主人公の父親がいるんですよ。
話のキモ、あるいはベースとして、その親が、悪役に弱みを握られている、という設定があります。
別に、ここで明かしても、さしたる影響はないと思うので、書いてしまうと、その親は、市役所の会計課に勤めている。
で、金に困って、業務上横領を働くわけですが……当初、その理由は、ギャンブルでした。
ただ、今朝になって、ハタと思ったんですよね。昨日と被りますが、「善良なる一般市民」にとって、ギャンブル=絶対悪、です。
健全に賭け事を嗜まれる方々にとっては、「ふざけるな?」ではあるのですが、以前、就労継続支援施設での仕事として飽きるほど書いていた、「スカッと系」の脚本。厳守すべきルールとして、「主人公は、一点の曇りも無い善人でなければならない」があります。
飲む打つ買うの全て、過去のいつに至るも、一切やったことがないタイプ。「宝くじで一攫千金を狙う!」なんてのも、愚の骨頂と考えるような。
はい。もう、「聖人君子か!」とつっこみたくなるほどの、ありえないほどの善人が求められるのです。
その実例
過去に書いた「スカッと系」脚本で、思い出せる限り、こんなケースがありました。
仕返しをされて、そのことに逆ギレした悪役が、主人公に食ってかかるシーンがあるのですが、その際に、主人公のセリフとしてあった、
「悪いのは、私達だけ?」
ここに、リテイクを受けました。
なぜか? 上記のセリフは、「私達も、ある程度は悪い」という解釈が成立します。それだとダメであり、「主人公は、完全な善人にして下さい」とのこと。
ヴッちゃけ、「えー」と思いました。細かいにも程がある。そんなところまで気にするのか! と。
あまり関連のない余談ですが、この手の「スカッと系」の朗読劇を、好んで視聴するのは、60代以上の年齢層だそうです。別の脚本での、「無理ゲー」というセリフが、「対象層には理解出来ない」という理由で、やはりリテイクを食らいました。
……現在日本の、シニア層における、闇深い病理に由来する、途方もない不毛さについて。(げんなり)
保険的措置
ともあれ、僕が今推敲している作品における、主人公の父親も、もしかしたら、「ギャンブルという悪いこと」をキッカケに、横領をするような設定だと、共感(=同情)が得られないかも? と思いました。
ただ、横領という事件がないと、悪役に、弱みを握られる流れにはならない。んー? と考えた結果、
「悪友に、金を貸してくれとせびられ、正直に貸したら、期日に返ってこないどころか、相手が消息を絶った」
……と、しました。
ただ、普通の人なら、金策に困ったなら、銀行なり、消費者金融経由で、お金を借りますよね? その点は、父親の性格を、極めて真面目にして、一種の、視野狭窄ぶりを発揮させることで、解決しました。
保険的、とは言え、読者の同情、共感を得ることは重要です。確かに、応援したくないキャラが身内にいたなら、問題ではありましょう。
まあ、この点も、改善案が浮かんで、ちゃんと反映できたのは、よしとしておきます。
さあ、残るは!?
今日の段階で、先述の箇所を含め、さらに全体を見直し、調整しました。
結果、「今のところは」これでもう、いいんじゃね? とは思う。もちろん、油断は禁物ではありますが。
残るは、主人公が、催眠療法を受けるところだけ、でしょう。ただ、僕自身がそれを体験する日程が、まだ先です。
少し、あえて寝かせる期間も必要だな、と、今さらながらに思います。
……と言うか、やはり、推敲作業がストレスになっているのか、間断ない腹痛と下痢が、非常に恨めしいです。ギャフン。
んじゃまた。
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