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台湾・台北に行きました(1/13総統・立法委員選挙)

DSSで助手を務める松山と申します。本年もよろしくお願いいたします。

先日、台湾の台北に行ってまいりました。年末年始に訪台することが多いのですが、今回は総統&立法委員(国会議員)の選挙があるので日程を合わせて計画しました。もちろん自分に選挙権はありません。台湾の熱気を感じたいという目的のためです。

台湾の総統選挙は日本の総理大臣と違い、直接投票で選ばれるので国民の関心が大きいです。特に最近は台湾を含めた東アジア情勢が不安定なので、今回の指導者の選択はとても重要になると思います。

当然ですが訪台中、国内の話題も選挙一色でした。
個人的な意見ですが、台湾に興味を持ち、台湾を語るためには政治の話を避けて通れません。台湾では国防や自分達の生活、アイデンティティにも関わる関心事です。選挙日がせまると台湾の友人、知人とはどうしてもこの話題になってしまいます。もちろん私は聞き役ですが。

街歩き中に見かけた民進党の選挙対策事務所にて。総統候補の頼さんは愛犬家、副総統候補の蕭さんは愛猫家ということでイヌネコにアイコン化されたとのことです


今回の選挙結果ですが、与党民主進歩党(民進党)の頼清徳さんが当選し、現政権の政治体制を引き継ぐことになりました。一方で同日開催された立法委員(日本の国会議員に当たる)選挙では最大野党の国民党が最多議席を獲得しました。民進党と距離を取る議席数第三位の台湾民衆党(民衆党)を合わせると、立法委員(国会)はねじれの構造となります。民衆党には若者の支持が一定数あるので、今後は更に無視できない存在になると思います。新政権は難しい政権運営になると予想されています。

前回に比べて総統選挙も立法委員選挙もかなりの接戦でした。民進党の頼清徳さんが次期総統に決まりましたが、議会はねじれることになり、難しい舵取りとなりそうです


今回、台湾で会った友人は、民進党の支持者も国民党の支持者もいるので色々な考えや感想を聞くことができました。
民進党支持の友人は「台湾の民主主義は守られた」と言っていました。政権交代したら民主主義が失われるかどうかはわかりませんが、「選挙結果についてはとりあえず安堵した」というのが友人の感想でした。台湾人の選挙に対する緊張感は、我々日本人とは比べ物にならないほど高いです。日本人にとって民主主義や選挙権は当たり前の考えであり与えられている権利です。しかし台湾では80年代まで戒厳令が敷かれていたためにそのような権利はありませんでした。台湾人にとり、民主主義や選挙権は勝ち取ったものであり、極めて重要なものだと考えているわけです。
国民党支持の友人は「民進党では独立色が強すぎて、台湾の進む道が一面的すぎる。国民党なら東アジアの中でうまく立ち回れる」と言っていました。台湾に住む多くの人は現状維持を望んでおり、香港のようにならない方法を柔軟に検討すべきだという考えです。因みに友人は日本在住歴もある親日家なのですが「日本人の多くは民進党を応援しているでしょう?それが寂しい」とつぶやいていました。

台湾の方向性を考える上でとても重要な点は、この国が多民族国家であることです。様々なバックボーンを持つ人達が、何代も歴史や文化を積み重ねた上で成り立っています。またその中で異なるルーツを持つ者同士が家庭を築くこともあります。そこで生まれ育った子供達は、自然に多様性を学び、伝統的な価値観に留まらない新しい考えを持つ世代となっています。台湾はとても複雑で多層的な社会構造を持っていると思います。

大多数の人達は、立場は違えど自分達の住む台湾の未来を考えて、投票という形で国の舵取りを行う船頭を選んでいます。政治にはとても関心が高く、選挙運動も情熱的なのですが、歩み寄りという点ではまだまだ時間がかかる雰囲気です。

独立派は民進党(緑)、外省人は国民党(青)、それでもないなら民衆党(白)というほど単純な構図ではありません。日本統治時代から台湾に住む家系の友人は青支持ですし、外省人3世の友人は緑支持、理由はそれぞれでとても複雑です


堅苦しい話題でしたので趣向を変えて、台湾(短期)滞在時での「衣食住」についてつぶやいてみます。訪台の際に少しでも役立てれば幸いです。

まずは1月の「衣」について。
台湾は沖縄より南に位置しているので常夏というイメージですが、中国大陸の気候の影響を受けやすく想定外に寒い時があります。特に台北を含めた北部の1月はチャレンジングな時期です。感覚では三寒四温が当てはまると思います。タイミングが合えば暖かいですが、気温が低い「谷間」の時に訪台するなら防寒対策は必要だと思います。冬でも館内の多くは冷房全開ですし。私も冬に行くといつも服装に悩みます。
今回の台北の気温は概ね最高気温20〜25℃で晴れ。かなり天候に恵まれたなぁと言う感想です。現地でTシャツを購入して薄着で過ごしました。

滞在中は天気に恵まれました。雨の日が多い基隆でも今回は快晴。運が良かったです


次に「住」です。いつもお世話になる宿は選挙期間ということで部屋が空いておらず、民権西路(台北市街の北)付近のホテルを選択しました。世界中から選挙権を持つ台湾人が帰国するので仕方ありません。
今、台北市内はホテルの開業ラッシュ。有名な外資系のホテルから地場のバジェットホテル等々、自分の旅の計画に合わせて色々なタイプ&場所の宿を選ぶことができます。ただ価格はかなり上がっているので、予算とのバランスも考える必要があります。今は交通網も発達しているので、台北近郊の街に宿を取ってもあまり不便はないと思います。

因みに為替レートも気になると思います。訪台前に一時期円高に振れましたが、結局は円安基調。まあ、こればかりは自分ではどうすることもできないので、家計の工夫しかありませんね。両替するなら台湾郵政(郵便局)の外貨サービスがある店舗を選ぶと比較的レートも良いと思います。日曜祝日はクローズしていますので注意してください。
私の感覚ですが、台湾旅行において割安感はありません。国内の物価高と円安の影響で日本より高いと感じるモノやサービスもあります。私自身も今回はあまり財布の紐を緩めることはできませんでした。

「食」のつぶやきになります。
訪台の際には必ず食べたいものがあります。
台湾では気軽に食べられるが日本では馴染みのないもの。それは鵞鳥(ガチョウ=鵞肉)です。鶏肉より香りは控えめ、脂は多めですがさっぱりとしており、弾力のある肉質でとても美味しいです。
鵞鳥で有名な場所は中南部の民雄ですが、台湾国内のあちこちに鵞鳥料理屋さんはあるので気軽に楽しめると思います。
台北だと有名なのは「阿城鵞肉」。ミシュランのビブグルマンを獲得している名店です。庶民的なお店ですが、仕事は丁寧で味も良い。「鵞鳥の美味しさを上手く引き出しているなぁ」と感心してむしゃむしゃいただいています。今回も変わらずの美味しさでした。

安定の美味しさの「阿城鵞肉」。鵞鳥は好きな部位を選べます


今回は在住の方と飲み歩く中、もっとカジュアルな鵞鳥屋さんも選びましたが美味しかったです。
晴光市場の近くにある「阿萬」は人気店のようで席に着くまで少し待ちましたが、ビールを飲みながらつつく鵞鳥はとても美味しかったです。

晴光市場にある鵞鳥屋さん「阿萬」は、カジュアルですが料理も美味しく、18天(台湾生ビール。賞味期限が18日で短い)も飲めるのでオススメです


翌日はクルマを出していただいて、北東部の基隆と福隆という場所を訪れました。基隆では友人オススメの鵞鳥屋さんへ。鵞鳥と海鮮が食べられるという港町ならではのお店でした。

スモークと塩茹でのミックス鵞鳥。他の店舗に比べて少しワイルドな感じです

 
福隆には有名な月台弁当(駅のホームで売る弁当≒鐵路弁当)を求めて行きました。行くのは約10年ぶりです。
駅弁も台湾に行ったら召し上がっていただきたい名物ですね。

台湾北東部にある福隆駅は、弁当が名物で数店舗が競い合っています。人気の「郷野」というお店は残念ながらまだ開店していませんでした。台湾は基本、オカズのっけ弁当です。今まで食べた月台弁当の中では、池上とこの福隆がお気に入りです


また、恩師や友人達といくつかのお店も廻りました。
虱目魚(サバヒー)という魚が食べたくて行った料理屋さんや家庭的な台湾料理が食べられる名店「阿国切仔麺」や「大衆飯店」等々、日本ではなかなか味わえない料理を楽しみました。
日本でもお馴染みの「鼎泰豊」もハズせません。日本の店舗でも十分美味しいのですが、本店の味はとても丁寧でハズレがありません。小籠包が食べられる店はあちこちにありますが、短期滞在で確実に美味しい蒸籠料理をいただきたいのなら東門駅最寄りの鼎泰豊本店がオススメです。中山駅前にある新光三越B2の店舗、忠考復興駅前の太平洋そごうB2の店舗も美味しいと思います。

料理人が変わると味も変わる台湾ですが、鼎泰豊は技術をシステム化しているので安心です。


自分はグルメではありませんが、食べる事が好きなので「食」の話は尽きません。この辺で筆を置くことにします。

新政権は今年の6月下旬に動き始めます。
とても困難な船出になるかと思いますが、台湾の未来が素晴らしいものであって欲しいと思います。


コンビニや郵便局を通して募った義援金は、僅か5日間で12億円程度も集まったとのことです。
本当にありがとう台湾

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