
Photo by
hayabusa_itaya
【しろくろ】観なきゃ伝わらない試合
21/22シーズンUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、レアンマドリード対パリ・サンジェルマンの第2戦。
ベンゼマの17分間でのハットトリックでレアルがまた1つチャンピオンズリーグの奇跡を起こした。
この試合をリアルタイムで観て、僕は尋常じゃなく翌日の仕事に差し支えるにもかかわらずその夜更かしが嬉しくてたまらなかった。
チャンピオンズリーグ、ユーロ、ワールドカップなどのカップ戦で稀にあるこういう奇跡の試合を目の当たりにするのは、本当にたまらない、何にも喩えられないし、まさに筆舌に尽くし難い快感がある。
それは今後も語り継がれるであろう「歴史をいま見ている」という事実からくる優越感。人類の宝物を見つけたかのような気持ち。
そしてこういう試合の特別で悲しい事は、この試合の最大限の喜びと面白さが、リアルタイムで観ていない人には共有できないという事だ。
文字のプロがどれだけ魂を込めても、戦術のプロがどれだけ技術を尽くしてもあの瞬間の面白さを表すには物足りなくなる。
ああいう試合は語り継がれるが故に、試合の状況や経過やエピソードをこれから先何度も細かく繰り返されることだろう。
その度に優越感と悲しさが襲ってくる。
「そんなもんじゃない。あの痛快さは。」
「俺たちにしかわからない。あれはとんでもない試合だったんだ。」
こういう試合を人生であと何回経験できるだろう。
目の当たりにするたびに考えてしまう。
そして思い知ってしまう。
こういう試合を観れるから、サッカーは辞められないのだ。