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女性をがんから守ること #deleteCリレー連載 (4/8)

産婦人科医の重見と申します。
deleteC大作戦〜みんなの力で、がんを治せる病気にするプロジェクト〜を応援するバトンリレー第四走者です。けいゆう先生、ヤンデル先生、大須賀先生に続きまして、記事を書かせていただきました。

このプロジェクトは、がん研究をみんなで応援しようという企画です。一人ひとりのちょっとした行動で研究への寄付が可能なもの。
なお、"C"はCancer(がん)の頭文字です。

賛同企業の対象商品の「C」を、好きな形で消して撮影した写真をハッシュタグとともにSNSで投稿すると、1投稿につき100円が寄付としてがん治療研究に贈られる仕組みになっています。9/30までのアクションがカウントされるようですね。

私も(オシャレのセンスは皆無なのですが)投稿してみました。

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さて、私は産婦人科医のため、もっぱら接するのは「婦人科がん」です。

婦人科がんには、
・子宮頸がん
・子宮体がん
・卵巣がん
・絨毛がん(絨毛性疾患)
・乳がん(ただし婦人科ではなく外科が診療します)
などがあります。

これら婦人科がんは、基本的に「女性の身体にのみ発生するがん」ですが、特徴として「若い世代にも見つかりやすい」のです。


私がこれまで診療に携わってきた患者さんの中には、若くして命を落とす方もたくさんいらっしゃいました。


- 初めての妊娠中の検査で子宮頸がんが見つかり、泣く泣く妊娠を諦めた方。

- まだお子さんが中学生なのに子宮体がんの診断で、治療の甲斐なく卒業を見届けられなかった方。

- 太ってきたかなと思っていたら卵巣がんが進行しており、すでに治療が難しい状態だった方。


このように、若いうちに見つかることの多い婦人科がんをいかに予防し、治療するかは、日本でも世界でもずっと研究が続けられています。
日々の診療にあたる医師だけでなく、世界中の研究者が、これら婦人科がんで苦しむ女性を1人でも減らせるよう、必死に頑張っているのです。


これまでの地道な研究の成果により、婦人科がんの予防や治療は大きく進展してきました。

・子宮頸がんの予防に有効なHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
・子宮体がんを引き起こす遺伝子変異の解明とそのリスク推定
・卵巣がんに対する新たな分子標的薬の開発

このように、日本でも年単位で医療技術が進歩しています。
手術や抗がん剤での治療を頑張って、少しでもがんの進行を遅らせることで、より有効な治療法が開発されることに希望を託している患者さんがたくさんいらっしゃるのです。


ところが、これらのうちほぼ全てが、海外からもたらされた研究成果に基づいています。
これにはがん研究に投じられる予算も大きく影響しており、例えば日本と米国では人口一人当たりのがん関連国家予算が6〜7倍も違います。


もちろん、世界中のどこで発見、開発、製造されたものであっても、その恩恵が受けられるのであれば問題はないでしょう。

ただ、
「欧米人と日本人で期待できる効果は本当に同じなのか?」
「副作用は人種によって変わらないのか?」
などの疑問が付きまといます。

日本で承認される場合は、きちんと日本で実施した臨床研究の結果に基づいて判断されることが一般的ですが、それにも多くの費用と時間がかかります。

なお、海外では承認済みにも関わらず、日本では未承認ながんの治療薬は100種類以上に及びます。(delete Cウェブサイト

はじめから日本人を対象に研究が進められれば、もっと早くに予防法や治療薬が患者さんに届けられるかもしれません。
それによって、救うことのできる命があるかもしれません。


いまや国民の2人に1人が人生のどこかでがんに罹患すると言われる時代です。

大切な家族。
ふとした時に支えてくれる友人。
手助けしてくれた見知らぬ人。
毎年新たに生まれゆく数十万人の子どもたち。

彼らの未来を少しでも明るくする手助けができるよう、みんなで「小さなアクション」をしてみませんか?

私みたいに、こんな程度のアクションでも、研究を応援することにつながります。

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最後に、1人の産婦人科医としての願いをメッセージに込めて、このリレー記事を締めさせて頂きます。

「全ての女性が健康的に、明るく前向きに人生を歩める社会になりますように」


重見大介(delete Cリレー連載 vol. 4)

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