片づけについて考える その1
そもそも片づけとは?
「片づけ」と聞いて、私がイメージするのは主に「整理整頓」です。
もう少し丁寧に説明するなら、「散らかった状態から不要な物を手放し、残った物をあるべき場所にきちんと収納すること」といったところでしょうか。
しかし、片づけについて調べていると、片づけと整理整頓を別ものとして捉えている方や片づけを独自に定義している方などがいることがわかりました。人によって片づけの捉え方が少しずつ違うようです。
そこで今回は、そもそも片づけとは何なのかについて、私が調べたことを簡単にまとめていきます。
○ 辞書的な意味
goo辞書によると、片づけ(片付け)とは、
とのこと。
1つ目の「散らばっているものをきちんとした状態にすること」は、私がイメージしている「整理整頓」に近い意味ですね。
また、2つ目の「ごたごたしている物事を整理すること」には、「家庭の問題を片付ける」や「仕事を一つずつ片付ける」のように、「やらなければならない面倒なことをやっつける」といったニュアンスが含まれているような気がします。
部屋の片づけについても、多くの人が「やらなければならないが、面倒くさい」といった印象をお持ちではないでしょうか?
ここから先は、片づけの分野で活躍されている方々の片づけの捉え方について、まとめていこうと思います。
○「断捨離」における片づけの定義
みなさんも「断捨離」という言葉を一度は耳にしたことがありますよね?
「断捨離」とは、かなり簡単に説明すると、やましたひでこさんが考案された住まいと心を片づける方法であり、考え方です。
著書『新・片づけ術 断捨離/2009年 マガジンハウス』の中で、やましたさんは片づけを以下のとおり定義されています。
つまり、片づけとは「手放す」と「残す」を選択する作業であり、収納などの要素は含まれていなさそうです。
そう言われると、断捨離は「とにかくいらない物を捨てればいいんだ!」と思う方もいるかもしれませんが、そうではないようです。
やましたさんは公式サイトで、
とおっしゃっています。
捨てるのは、モノとモノへの執着なんですね。
また、断捨離では「捨」が注目されがちですが、
モノへの執着から離れ、ゆとりある”自在”の空間にいる私=「離」に至るには、
入ってくる要らないモノを断つ=「断」も必要不可欠です。(『新・片づけ術 断捨離』 p.6から一部引用)
※「断」「捨」「離」のそれぞれの意味や断捨離の詳しい内容については、やましたひでこさんの著書やYoutube、公式サイトなどでご確認ください。
『新・片づけ術 断捨離』は、私がここ数年、片づけをしていて感じていたことを大変わかりやすく言語化されており、もっと早く読んでいれば、私の生活はもっと早く好転していたかもしれないと思いました。
片づけで悩んでいる方にはぜひ読んで欲しい1冊です。
○ 片づけ学 by こんまり先生
「ときめき」でお馴染みの「こんまり」さんこと近藤麻理恵さん。
近藤さんが『人生がときめく片づけの魔法 / 2010年 サンマーク出版』を執筆されていたのは、26歳の頃だったそうです。
自分の今の年齢を考えると、その若さで、片づけを天職や使命とも言えるようなお仕事として確立されていたことに、改めて感服いたします。
今年5月、近藤さんは、池上彰さんが責任編集を務める「明日の自信になる教養」シリーズの3冊目として、『部屋も心も整う片づけ学 / 2024年 KADOKAWA』を出版。
この池上彰さんの教養シリーズは、1冊目が『ニュースがわかる国境学』、2冊目が『幸せに生きるための政治』ということですから、このラインナップに「片づけ」が肩を並べていることに私は驚きました。しかも、3番目として。
この本によると、今や片づけは、学んで身につけるべき「教養」であるとのこと。
池上彰さんは「教養」について、東洋経済ONLINEで以下のように説明されています。
就活や恋活の場で、太りすぎている人に対し、「自己管理ができない=だらしない人」というマイナス評価を下す人の話をたまに聞きますが、
同じように、部屋が片づいていない人は「教養がない=生きる力が乏しい人」と言えるのかもしれません。
なんだかスケールの大きな話になってきた気が…。
近藤さんは、「そもそも、片づけとは『片をつける』こと。」とおっしゃっています。続けて、現在家の中にあるものは、過去に自分が必要だと判断して取り入れたものや手放さなかったものの集まり、つまり「自分がしてきた決断の集大成」と言えるとも。
この表現、何だかドキリとしませんか?
そして、近藤さんは段落の最後をこのように締め括っています。
「取捨選択」という言葉は、やましたひでこさんの片づけの定義でも出てきましたね。これは片づけにおいて、キーワードの1つとなっていそうです。
そして内容も、やましたひでこさんのそれと似ていると思いませんか?
また、近藤さんは別の章にて、片づけでよく使われる言葉についても説明されています。
なるほど。とてもわかりやすい説明ですね。
片づけは、まず整理からスタートし、整頓、収納と続く、一連の作業を包括した言葉と言えそうです。
さらに、近藤さんは「こんまりメソッド」には、2種類の片づけ;「片づけ祭り」と「日常の片づけ」があるとし、それぞれを以下のように定義されています。
なるほど…
本の中の「なるほど」や「いいな」と思う箇所を抜粋するとキリがないので、ぜひ片づけに興味がある方にはご一読いただきたいと思います。(急な投げやり感…)
「片づけ学」と銘打つだけあって、いわゆる片付けのメソッドだけではなく、片づけの歴史や各国の片づけの傾向、地球環境についてなどなど、片づけを大きな視点で多角的に捉えて解説されており、興味深い1冊でした。
● おまけ:「断捨離」と「こんまりメソッド」
「断捨離」と「こんまりメソッド」は同じ「片づけ」として混同されがちですが、近藤さんはこちらの動画で、その違いに言及されています。
この動画の中で、近藤さんはやましたひでこさんと「話があうあう!」や断捨離もこんまりメソッドも「やっていることは同じ!」とお話しされていて、とても楽しそうです。
私自身、禅のお坊さんが書かれた片づけの本や、そのほか片づけの良さを発信されている方のYoutubeやサイト等をたくさん見てきましたが、人によって表現は少し違っていても、片づけの本質は同じなのではないかと思いました。
ここまで長々と書いてきましたが、片づけについてうまくまとめきれなかったので、今後も片づけについて調べたことや感じたことを少しずつ書いていきたいと思っています。
次回は、ミニマリズムに着目して書くつもりです。
それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
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