「花粉症」の真の原因は何か?
最近の風潮では、「花粉症」の原因は、花粉の「量」が原因だと思われる傾向があります。しかし、花粉症の有病率は1998年で16.2%、2008年で26.5%、2019年には38.8%と10年単位で約10%のアレルギー患者が増加しています。(出典:日本耳鼻咽喉科学会会報2020)では、花粉飛沫量が花粉症の有病率に伴って増えているかと言うと、実は増えていないのです。ニュースでは連日のように、花粉飛沫量の多さに注意を呼びかけているにもかかわらず、花粉飛沫量と花粉症の有病率との相関関係はないのです。また、花粉対策でマスクや抗菌グッズの利用者が多いにもかかわらず、花粉症が減るどころか、だんだん増えているのです。人々が花粉に対してより敏感になっている可能性があります。このことからも花粉症の有病率の増加には、花粉の量だけでなく、私たちの心身の反応にも原因があると言えます。
当院では腰痛や肩こり、関節痛などの治療に加えて、アレルギーの治療も行っており、花粉症の患者さんにも治療効果を得ています。一般的には花粉を避けるような対策や、抗アレルギー薬などの対症療法を受けている方が多いようですが、当院のアプローチは、身体が花粉に慣れるよう支援し、「病的な条件付け」(誤作動記憶)を調整することで、アレルギー症状を根本から改善します。当院のアレルギー治療でなぜ治療効果があるかというと、身体に学習された病的な条件付けの影響を長年臨床研究しているからです。
様々な慢性症状には「病的な条件付け」が関係していますので、その「病的な条件付け」を調整することで、根治的な改善が期待できます。アレルギー症状も「病的な条件付け」が関係しています。数多くの「花粉症」を改善してきた事例に基づくと、その「病的な条件付け」には、単に花粉などの微粒子のアレルゲンだけでなく、「無意識的な心の信号」が条件付けされていることが多く、その誤作動記憶を紐解くことで、多くの花粉症が改善されています。「花粉症」に心理面が関係する??ということに首を傾げる方も多いかもしれません。また、花粉症をテーマにした番組に出演しているアレルギーの専門家も心理的要因には触れることはないようです。
その背景には、アレルギー研究開発活動は薬剤の開発に重点を置いていることが影響しており、相対的に薬剤に依存しない治療法や予防策の研究が資金調達を得にくい仕組みになっていることが考えられます。しかし、世界的に見ると、心と身体の相互作用、特に心理的ストレスが身体の健康状態、アレルギー反応に与える影響に関する研究が注目されているようです。心理学、免疫学、内科学など多くの分野で、ストレスや感情状態が免疫系に与える影響についての研究が着実に進められているようです。
一般的なメディアでは、分かりやすい原因論だけを取り上げる傾向にあり、その情報番組やニュースが、暗示的にもアレルギー症状の改善にブレーキをかけているようにも感じます。臨床現場で花粉症の治療効果を経験している治療家にとって、通常医療が進めている心理的要因を考慮しない研究には違和感がありますし、心理面の潜在的な影響を無視しているが故に、花粉症の治療効果が得られず、年々増え続けている現象が生じているのではないかと感じます。
通常医療においても、近年、注目されているのが根治療法としての免疫療法です。アレルギーの免疫療法(または感作療法)は、アレルゲンへの曝露を通じて身体を徐々に慣れさせ、長期的にアレルギー反応を減少させることを目的としています。このアプローチは、身体の過剰反応を修正し、免疫系の反応を再教育することに基づいています。アレルゲンを身体に慣れさせる過程で、脳と身体はアレルゲンに対して過剰に反応しないように「学習」し、時間とともにアレルギー症状が軽減または消失することが期待されます。舌下免疫療法や遺伝子組み換え食品を使った療法もこの原理に基づいています。
免疫系の反応を再教育させるという原理は、当院でのアレルギー治療(PCRT)の原理と類似していますが、心と身体の関係性による誤作動による要因が欠如されているところには違和感があります。心と身体は切り離せないという事実から見ると、慢性的なアレルギー症状を薬剤だけで治そうとすることに無理があります。実際に通常医療の免疫療法は根治には数年を要すると言われており、心理的要因を考慮しない療法には早期の改善は期待できないのではないかと感じてしまいます。
アレルギー症状を根本から改善するには、心と身体の関係性を考慮し、無意識の心理的要因を調整することが大切です。心理的要因がアレルギー反応に大きく影響を与えることが多く、この視点からの治療アプローチが成功事例につながっています。アレルギー症状でお困りの方は、当院までご相談ください。一緒に根本的な解決策を見つけましょう。