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「いざ、宿泊施設へ」僕とコロナのn日戦争 4/29

あー、よく寝た!

結果は”陽性”だったが、それでも自分としては不安な気持ちが薄れていた。検査結果を待っている間は、”陽性だったら今後どうすればいいのだろうか?陰性だったら普通に生活していいのだろうか、別の病気も疑ったほうがいいのだろうか?” とどんな結果が出てもいいように心構えをする必要があった。

でも、いざ結果が出てしまえば”陽性”コースのロードマップを自分の症状に合わせて作成して目の前の課題を潰していけばいいだけだった。

僕は、
・陽性患者コース
・”無症状・軽症”者 クラス
・”宿泊療養”ルート

を選択している。

そして、今日は最初の課題
 「宿泊施設に搬送される」 を達成する

「迎えの時間はヒトゴーマルマル。車輌が到着次第、運転手より無線が入る。迅速に行動せよ。」と夜間に伝令兵から密書が届いたので、僕はその時間までに今の拠点から移動できる準備をする必要があった。(民間の救急搬送サービス会社から”15:00に迎え行くから準備しとけ”って言われただけ。)

昨日の夜からに引き続き荷物をまとめはじめる。
・携帯、PC(私用、社用)
・衣服、タオル
・Bluetoothスピーカー
・小説
・マイク付イヤフォン
・歯ブラシ
・体温計
・筆箱とメモ帳
・ボトルガム2箱
これで失敗したので、別記事を参考にしてください!

朝食と昼食を食べ終えると、同期に買ってもらった食料も底をついた。あとは、迎えが来るまでの3時間をじっと待つだけだった。暫くはここに戻れないのかー、まあ、いっか!と自分でも驚くほどの潔さ。

そして、約束の時間になると予定通り電話が来た。防護服に身を包んだ2名が救急搬送車で家に来てしまうと、周囲の住人がパニックになって混乱する恐れがあるため、家の近所まで車が来たら患者は運転手とコンタクトを取りつつ車まで歩いていかなければならないのだ。

カルロス・ゴーンとは全く違い、白昼堂々とマスクを着用してスーツケースをガラガラと転がしながら停車中の車を目指した。運転手と本人確認を終えると、車へ乗り込むように指示された。

人生初の救急車(と言っても、民間サービスの搬送車だが...)の乗り心地を楽しみつつ車内で揺られていた。運転席と後部座席は半透明のビニールで仕切られており、少しの隙間も絶対に許さないと意気込んでいるように周囲やつなぎ部分はテープで何重にも貼られていた。後部座席もビニールで覆われており、感染防止策は万全にされている。空調もガンガンかかっており、室内の温度も湿度も完璧だった。

車に揺られること小一時間、目的地へ到着した。

ホテルへ着くと、救急隊員の人が搬送者が到着したとホテルのスタッフへインターフォン越しに伝えていた。そのやり取りを車内で眺めて暫くすると、救急隊員が後部座席のスライドドアを開けてホテルへ誘導してくれた。昨日の電話受付の女性とは大違いでとても丁寧で優しかった。

救急隊員と別れると、いよいよホテルへ入館した。日中なのに係員もお客さんもいないホテルのロビーは新鮮だった。たぶんあの光景はもう二度と見ることはないだろう。

受付のカウンターには大きな封筒が置いてあった。
・同意書
・しおり
・体温計
・経過観察表(体温、酸素飽和度、心拍数)
・部屋のカギ

が入っており、僕はスタッフへ内線をかけた。(そうするように指示が書いてある紙と電話が封筒のすぐ傍に置いてあった。)電話に出たスタッフと一緒に封筒の中身を確認していった。

まず最初に、同意書にサインをして傍にある即席の箱に入れるように言われた。言われた通りに同意書を一読してサインをした。(差し入れ等の受け取りNGと書いてあったが、ここまで来て今更どうしようもないので諦めた。)

オリエンテーションが終わり、自分の部屋へと向かった。食事を取りに行く時以外は自室待機のため、本当に誰にも会うことなく自室へ辿り着いた。

部屋に入ると、一般的なビジネスホテルのシングルルームだった。コンセントも豊富にあり、USBを直接差し込める充電プラグもあって、ビジネスマンにとっては非常に使い勝手が良かった。

そして、机には2週間分のティッシュとトイレットペーパーとゴミを捨てる用のビニール袋が置いてあった。

ホテルへ入室して最初の食事...の1時間前。いきなり館内放送が流れてびっくりする。今からスタッフが配膳の準備に入るためにフロアへ行くから絶対に室内から出ないでほしいとの放送だった。以降、ずっとこの館内放送に毎度驚く日々が続くのであった...。

1時間後。館内放送で食事を取りに行くように伝えられ、部屋から出てお弁当を取りに行った。そこには粉末状の洗濯用洗剤と2Lのペットボトルも準備されており、必要であれば1日1回だけ取っていいとのことだった。(洗剤は紙コップも一緒に置いてあり、1回につきコップ1杯分もらえる。)

ホテル生活初めての食事。これがめちゃくちゃ美味しかった。そして、1日1回だけコンビニからの差し入れがあるのも本当に救われた。この生活で食事が不味かったことは一度も無く、快適な食生活を提供していただいている。関係者の皆様ありがとうございます。

ユニットバスだったが熱めのシャワーを浴びて身体の芯から温まり、その日は21時前にはぐっすり眠りについた。

ホテル生活で正解だったかも!と思った。

つづく。




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