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新しい資本主義?、公益資本主義?、資本主義の終焉?

資本主義の是正が叫ばれて、久しく感じるが、そもそも資本主義とは何なのか、明らかにしたのがマルクスの資本論(1867年刊行)と言われる。ドラッカーによると、1602年に設立された初めての株式会社「オランダ東インド会社」から、資本主義らしき社会制度が生まれ、「数百年経ったのちに、それが資本主義であることがわかった。ポスト資本主義社会もその只中にあり、解明されるのは遥か先」と述べている。
マルクスによると労働者により産み出された価値を資本家が奪い取り、それに不満を抱えた労働者が反旗を翻す、とのことであるが、現代社会においてそもそも資本家とは誰を指すのか?個人投資家がネットを介して株を売買し、仮に売買を直接行わなくても保険、投資信託という形で間接的に投資を行なっており、労働者の不満の対象となる投資家像は曖昧である。
「2022 年 9 月末の世界の株式時価総額は、90.3 兆ドル」であり、日本円に換算すると、実に1京2642兆円である。アップル(現在330兆円)やアマゾンの時価総額が100兆円を超えたと、以前ニュースにもなったが、わずか2.6%に過ぎない。
極度な過剰流動性が生み出す株高は、まさに1971年の米ドルの金兌換停止以降(金本位制の廃止)、金が金を生み出す中で生み出されたバブルであると考え、いつか崩壊すると分析する経済学者も少なくない。では、そもそも貨幣とは何か?
それは人間が生み出した単なる概念であり、実態のないものであり、国や社会を構成する国民、市民が、信じている数字である。宗教において神を信じるが如く、金を信じ、金により価値を定義し、金のために生かされ、金のたえに生きている。そのような概念に縛られ、本質的な価値を見出す能力を失った人間は多く、特に中高年以上は悲惨である。




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