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#どくたん いろいろな細胞の英語名🩸🦴🧠 生命科学&医学ドクターのための単語集

ドクター(博士・医師)のための科学英語ガイド、Dr. Stormy, PhDです。
今回は、細胞の種類の英語名を6つご紹介。
研究論文を読む時や、採血試料や病理標本の分析データによく登場する表現です。


#どくたん 🦴🧠🩸細胞の種類の英語表現


① stem cell(s):幹細胞〈かんさいぼう〉

全ての細胞の起源ともいえる「幹細胞」は英語で "stem cell(s)"。
"stem" は植物の「幹〈みき〉」や「茎〈くき〉」のことです。
ここから枝分かれして新しい細胞が生まれてくるイメージですね。

幹細胞の主な特徴は
・さまざまな細胞に分化できる(多分化能を持つ:multipotent)
・自己複製(self-renewal)を続けられる
この2点です。


② leukocyte(s); leucocyte(s):白血球〈はっけっきゅう〉

体を守る白血球は、英語で "leucocyte(s)" もしくは "leukocyte(s)"。
ギリシャ語の "leukos(白)" と "kutos(管、血管)" が語源です。
日常会話では "white blood cell(s)" と表すこともできます。

* 「赤血球〈せっけっきゅう〉」は何と呼ぶ?🩸

ちなみに赤血球は英語で "erythrocyte(s)" です。発音は irθrəsàit (イリースロサイト)。
ギリシャ語の "eruthros(赤)" と "kutos(管、血管)" が語源です。
日常会話では "red blood cell(s)" と表すこともできます。


③ neuron(s):神経細胞、ニューロン🧠

語源となったギリシャ語の "neuron" は、もともと「腱〈けん〉」や「線維/繊維」を表していました。
神経細胞が伸ばす線維(軸索:axon(s))もそうした「糸状・紐状の構造」の1つと考えられていたようです。

医学用語語源対話 Ⅴ〔千葉医学 92:1 ~ 6,2016〕

https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900119425/92-1-1.pdf


④ glial cell(s):グリア細胞

神経系で神経細胞(neuron(s))の隙間を埋めるように存在する結合組織がグリア(neuroglia; glia)。日本語では神経膠〈しんけいこう〉とも呼ばれます。
語源はギリシャ語の "glia(膠〈にかわ〉)"。ベタベタする動物性の糊、というイメージです。

かつては神経の構造を支える単純な接着剤と考えられていましたが、神経細胞の機能を助け、神経回路のはたらきにも直接関与していることが近年示唆されています。


⑤ myocyte(s):筋細胞

白血球 leukocyte と同じく、成熟した(分化を終えた)細胞は "-cyte" という名で呼ばれることが多いです。
筋細胞の "myocyte(s)" もその1つ。
日常会話では "muscle cell(s)" といいますね。

筋肉=ネズミ🐀!?

筋肉を表す "myo-" はギリシャ語の "mus(ネズミ)" が語源!
上腕二頭筋などの筋肉がネズミ(マウス)の形に似ている…ということから、ギリシャ語の 意味に広がりが出てきたそうです。


⑥ osteocyte(s):骨細胞🦴

最後は骨細胞!
ギリシャ語の "osteon(骨)” + "-cyte" です。

参考:
osteoclast(s); osteophage(s):破骨細胞


🗒️まとめメモで復習

最後にもう一度、6つの単語を復習してみましょう。

今後も生命科学・医学系の研究生活に役立つ情報をお届けしていきますね。

#どくたん 単語集で取り上げてほしいテーマのリクエストがあれば、コメント欄でお知らせください。

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