#どくたん 🧪実験器具の英語表現 ドクターのための生命科学&医学英単語: 「ビーカー」の語源は「beak(くちばし)」ではない?
ドクター(博士・医師)のための科学英語ガイド、Dr. Stormy, PhDです。
今回は、生化学の実験器具にまつわる英単語を6つご紹介。
小中学校の理科室や、大学の実験室の様子を思い浮かべながら学んでいきましょう🧪🔬
おなじみの実験器具「ビーカー」の語源も探ります。
#どくたん 🧪生化学実験器具の英語表現🔬
① test tube(s):試験管
おなじみの試験管🧪 「test:試験 + tube:管」で覚えやすいですね。
単に "tube(s)" と呼ぶことも。
マイクロリットル単位の微量の液体を扱うチューブは "microtube(s)" とも呼びます。
② flask(s):フラスコ
液体を混ぜる(mix)時や、加熱する(heat)時に使う実験器具。
形の上では「本体が膨らんだ試験管」とも言えますし、「口のすぼまったビーカー」とも言えますね。
培養用フラスコ:culturing flask(s)
メスフラスコ:measuring flask(s); graduated flask(s); volumetric flask(s)
・一定量の液体を正確にはかりとる時に使うフラスコ。"graduated" は「目盛がついた」という意味です。
▼合わせて知りたい「メスアップ」の謎▼
③ beaker(s):ビーカー
こちらもおなじみの実験器具。flask(s)よりも口が広いものを "beaker(s)" と呼びます。
コニカルビーカー:conical beaker(s)
・cone(円錐)の一部を切り取ったように、底から口に向けてややすぼまった形をしています。
💡 beak = くちばし。でも、「ビーカー」の本当の語源は別の言葉!
ビーカー(beaker)には鳥のくちばし(beak)のような注ぎ口がついていますね(この注ぎ口のことは spout または beak と呼びます)。
「ビーカー」という名前もきっとこの "beak" からついたのだろうと思われがちですが…
実は、本当の語源は北欧の古ノルド語で「盃」「酒器」を指していた "bikarr" のようです。
beaker(実験用ビーカー)←beaker(広口の酒器)←古ノルド語の bikarr(酒盃)←おそらく… 中世ラテン語の bicarium ←おそらく…ギリシャ語のbikos(陶製の酒器、持ち手のついた瓶)
④ balance(s); scale(s):天秤
質量・重さをはかるときに活躍する天秤〈てんびん〉。
左右の釣り合い(バランス)をとる古くからの天秤の呼び名が、今の時代の電子天秤にも使われています。
ちなみに、体重計やキッチンスケールは "scale(s)" と呼ぶことが多いです。語源は「深鉢、ボウル」を指す古ノルド語の "skal"。昔ながらのキッチンスケールの上には、物を載せるお皿のような部分がついていますね。
⑤ microscope(s):顕微鏡
細胞や組織を観察したり、解剖したり。微小な(micro-)ものを覗き込む観察器具(scope)です。
stereo-microscope(s):双眼顕微鏡、解剖用顕微鏡、立体顕微鏡
confocal microscope(s):共焦点顕微鏡
two-photon confocal microscope(s):二光子共焦点顕微鏡
⑥ pipet(s); pipette(s):ピペット
液体を吸い上げたり、吐出させたりする器具。
細胞培養、組織染色、ELISAなどの免疫学的測定法(immunoassay(s))DNA・RNA分析の時などによく使いますね。
発音は「パイ(↓)ペ(↑)ット」です。
micropipette(s):マイクロピペット
Pasteur pipette(s):パスツールピペット
✏️まとめのイラストメモ
最後にもう一度、6つの単語を復習してみましょう。
今後も生命科学・医学系の研究生活に役立つ情報をお届けしていきますね。
#どくたん 単語集で取り上げてほしいテーマのリクエストがあれば、コメント欄でお知らせください。
ドクター(博士・医師)のための科学英語ガイド Dr. Stormy
▼ドクター(博士・医師)のための英単語集 #どくたん マガジン▼
▼Bluesky で #どくたん ▼
▼TED talksを使ったリスニング練習に挫折したあなたへ▼
▼ドクターの科学英語学習に役立つ記事まとめ▼
▼科学英語講師10年、Dr. Stormy の自己紹介▼