ひろばでの“ひととき預かり”について
今回は、港北区地域子育て支援拠点どろっぷ・どろっぷサテライトの「ひととき預かり」についてご紹介します。
ひととき預かりとは、両拠点のひろばでお子さんを預けることができる横浜市一時預かり事業です。
どろっぷでは2021年6月から、サテライトでは同年7月から開始しました。拠点の全ての開館日で預かりを行っていて、月平均130名程のお子さんをお預かりしています。
ひととき預かりをスタートさせた想い
ひととき預かりの様子をご紹介する前に、この預かり事業が始まるまでの経緯を少しお伝えしたいと思います。
拠点にはひろば事業の他にも相談、情報提供、子育てサポートシステム、利用者支援などの事業がありますが、ひろばでの預かりはありませんでした。ところが、毎日多くの子育て家庭と接しているスタッフは、
「授乳や夜泣きで寝不足のお母さんやお父さんを少しの間でも休ませてあげたい・・・。」
「24時間子育てを頑張っているお母さんやお父さんに少しでもリフレッシュの時間をもってもらいたい・・・。」
「拠点の中で預かりができれば、利用者さんはワンストップでそれを叶えられるのに・・・。」
など、常日頃からそのような想いを抱いていました。
そこで、まずは拠点での預かりに需要があることを検証しようと、行政に相談し既存の子育てサポートシステム事業の機能を用いた一時預かりを試行することにしました。
2年間の試行では、毎日あっという間に予約が埋まり、空きが出てもすぐに利用したいという家庭からの申し込みが相次ぎました。
その検証結果を元に一時預かりの必要性を行政にお伝えし、「ひととき預かり」の開始につながったのです。
「ひろば」で預かることを大切にしている預かり
港北区には保育園での一時保育や、乳幼児一時預かり事業のように預かりを専門に行っている場所もありますが、どろっぷでは、いつでも遊びに来られる場所である「ひろば」の中で一対一での預かりをしています。
保護者と遊びに来る時と同じ環境にいるので、子どもにとって場や人に慣れていることはほんの少しの安心につながります。
このような理由から、ひろばを利用したことがない家庭でも、予約をしてから実際の利用日まで日がある場合には、
「遊びに来られたらひろばにも来てね」
とお伝えしています。
それでも、子どもは慣れるまでは泣いてしまいますが、泣いている子がいると、子どもたちが集まってきてじっとそばにいてくれることがあります。
誰かがおもちゃを持ってきてあやしてくれたり、
「今日はお預かりなんだね。」
「頑張っているね!」
「大丈夫だよ~」
と声をかけてくれる大人もいます。
色々な人と過ごすことで新たな一面が発見されることもあり、保護者がそばにいなくても、ひろばのみんなが温かく見守ってくれる環境の中で、預かりの経験を重ねた子どもたちが成長していることを確実に感じられます。
お子さんと保護者の気持ちに寄りそいながら
赤ちゃんの妊娠が分かり区役所に行ったときや、産後に赤ちゃん訪問員さんが家に来てくれたときに、
「どろっぷに遊びに行ってみてください。ひととき預かりもやっていますよ。」
と聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
「預かりを利用して自分の時間を持ちたいけれど、祖父母にも預けたことがないし、子どもが泣いてしまったら可哀相で・・・。」
などの複雑な気持ちを伝えてくださる方もいらっしゃいます。
大事なお子さんを他人にゆだねることの一歩を踏み出すことは、そう簡単ではないでしょう。
そんな時は、まずは1時間だけのお預かりでお子さんの様子を見ながら一緒に考え、進めています。
また、スタッフは保護者と離れる経験をするお子さんの気持ちにも寄りそうことを大切にしていています。
小さなからだをめいっぱい使い、泣いたり怒ったり、一生懸命に気持ちを伝えてくれるお子さんたちはスタッフにとってとにかく愛おしい存在です。
徐々に慣れてきて泣かなくなったとき、私たちの抱っこでもスヤスヤ眠れたとき、ミルクを飲めたとき、笑顔で遊ぶ姿がみれたときなど、お子さんの小さな変化や成長の瞬間に感動しながら日々お預かりをしています。
その変化を保護者のみなさんと一緒に喜び合えることも私たちの楽しみです。
毎月初めの開館日が翌月の予約開始日となります。
また、当日キャンセルが出るとインスタグラムでお知らせもしているのですが、投稿を見て初めて申し込まれる方もいます。
利用を希望される方がとても多く、頻繁に利用していただくことは難しい状況ですが、これからも保護者とお子さんの新たなひとときを、スタッフ全員でサポートしていきたいと思います。