遭難・山岳救助へのドローン活用
今日は山岳救助活動へのドローン活用について活用事例や今後の課題、考察などを記したいと思います。
一般的に山岳救助活動というと、上空からのヘリコプター活用や地上から人手を使った捜索の2通りがあります。
ヘリコプターを使う場合、運用コストが非常に高く、パイロットも命がけになります。
もしこの山岳救助活動の上空からの捜索をドローンで代替できればそれはかなりのメリットがあるのではないでしょうか?
山岳救助へのドローン活用事例
ある遭難者の捜査を2日に渡り実施し、一日目にドローンで捜査対象区域を捜査し、ある程度、捜査範囲を絞り込み、二日目に地上部隊がその絞り込まれた範囲を捜査し、遭難者発見に至ったとの事例がありました。
確かにドローンで全てやらずに、地形の起伏の関係で人手だと時間がかかる部分をドローンの機動性を活用し、捜査範囲の絞込みに活用する、そういう使い方も理にかなっていると思いました。
救助活動に使えるゴーグルを使ったドローン遠隔操作
現在はドローンを目視で飛ばさなくとも、FPVという技術を使い、ドローンに搭載したカメラが映し出す映像を人間が装着したゴーグルで確認し、そのゴーグルを見ながらドローンを遠隔操作することが可能です。
そういった技術を使うことで今まで捜査できなかった範囲まで捜査することが可能になると思います。
AIやセンサー技術を使った障害物回避技術
シリコンバレーのスタートアップSkydioが開発した「R1」というドローンは、13台のカメラと、Nvidia Jetson AIスーパーコンピュータを搭載しており、障害物を知的に回避できるようです。
こういった技術を活用することで、捜査範囲が入り組んだ地形や山岳地帯であっても、うまく障害物を回避し、捜査可能かもしれません。
ドローンパイロットの高い飛行技術
林の中をレース用ドローンを使ってここまでのスピードで飛ぶことができるパイロットもいるのです。
ここ最近は、こういった森の中をドローンを使って飛ぶこともやられているので、こういった飛行技術を持ったドローンパイロットも少なくはないと思います。
救助活用へのドローン活用更なるメリット
先日、知人からの情報である県の救助用ヘリコプターが墜落してしまい、高額なヘリコプターをすぐに買うことができずその県のヘリコプターパイロットが、他県の救助の応援などに回ったりしていることを聞きました。
これらももし、ドローンで代替できればヘリコプターを購入する資金がなくても影響は少なくなるでしょう。
パイロットの仕事が減るかもしれませんが、そこは何かしら代わりの仕事があると思います。
救助用ドローンの課題
バッテリー高性能化
課題はやはりなんといってもバッテリーでしょう。
それらなりのドローンの飛行時間が20~30分なので、その時間内で一度捜査を打ち切る必要があります。
もちろん、予備のバッテリーに代えながら捜査は継続できますが、一旦、20~30分でドローンを回収する必要性があるわけです。
ただこういった課題はあるものの、前述した捜査範囲絞込みなど、用途を絞って活用することで現状の捜査方法よりは飛躍的に効率が上がるような気がします。
そしてバッテリー技術向上するにつれ、飛行時間が伸びることで、ドローンの活躍範囲も比例して増えるのだと思います。
夜間飛行
現状の山岳救助などでも夜間はヘリコプターなどは飛べないので、捜査もできないのですが、同様にドローンを使っても夜間の飛行は困難でしょう。
ただヘリコプターと違い、夜間飛行によるパイロットの人命に関わる危険性はなくなるので、夜間飛行可能な光源さえ確保できれば夜間での捜査も可能となると思います。
ということで、今回は山岳救助へのドローン活用について記してみました。
今後の救助活動へのドローン活用が楽しみです。