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包丁も握ったことのなかった女性が、専業主婦になり、料理上手にならざるを得なかった理由とは

僕の奥さんは結婚して15年以上になりますけど、結婚するまで包丁なんか握ったことがなくて、仕事ばっかりやってたんですね。

実家がアパレルをやってたんで、その手伝いをしてたんですけど、彼女は学生時代も料理なんかしたことがなくて、結婚してから初めて包丁を握りました。

当時はクックパッドも出始めた頃で、料理の本を買い込んで頑張ってましたね。

当時の料理といえば、メインディッシュを一品作るのがやっとで、ご飯とメインディッシュっていう晩御飯を毎晩食べさせてもらいました。
味もね、そこそこではあったんですけど、まあ僕の母親の手料理には到底及ばず。でも、食べられないわけじゃないし、満足しないわけじゃないってことで、特に文句はなかったんです。ありがたいと思ってました。

で、その後5年くらいして長男が生まれて、しばらくしてアメリカに留学しました。

アメリカに留学するまではまあ結構料理の腕が上がってて、メインディッシュだけじゃなくて汁物くらいも作れるくらいになってましたね。

で、アメリカ生活が始まってまず一番困ったのは、当然ながら日本人の舌にアメリカのご飯が合わないってことです。

食べられないわけではなかったですけど、そればっかり食べてるとどうしても飽きてしまう。

アメリカのご飯って、皆さんイメージできるかと思うんですけど、やっぱりピザとハンバーガー、ホットドッグとかがメインで、それ以外はオーガニックな健康食とか、ランチボックスですね。

日本でもありますけど、パンダエキスプレスとかのランチボックスを売る店って、どこのショッピングセンターにもあって、これらがアメリカのソウルフードと言ってもいいでしょう。

食べたら美味しいんですよ、もちろんね、まずくはない。
でも、そればっかり食べてると日本人の体にはやっぱり受け付けなくなってきてしまって、じゃあどうするかっていうと、当然家で作るわけです。
金銭的余裕がなかったっていうこともあります。

で、アメリカの食生活の問題点。
第一に米がまずいってことと、次に肉もまずいってことです。
アメリカ人って肉ばっかり食べてるイメージかと思うんですけど、彼らが食べてる肉は決して美味しくはないんです。

これはちょっと原因がはっきりしないんですけど、僕は一つには、基本的には冷凍肉を食べる文化があるからだと思ってます。
冷凍された肉が冷凍庫に並んでる風景をスーパーとかで見かけたんですけど、それを買って食べると、もう味がスカスカでまずいんですよ。

味がないんです、ほんとに味がない。

棒状の豚肉とか売ってるんですけど、それでとんかつとか作ってみても全然美味しくない。

言い方悪いですけど、硬い粘土を食べてるようなイメージ。食感だけが肉って感じなんですよ。

で、ソースとかたっぷりかけても美味しくない、食べられないのです。

ひき肉はかろうじて食べられましたが、これがなかなか売ってない。アメリカ人には売れないんでしょうか。

もう一つ問題がありました。
パンがまずい、パンが硬い、パンが酸っぱい、日本人の口にはとても合わない。

それとアメリカでは生クリームが基本的にありません。
ケーキのクリームはすべてと言っていいほどバタークリームで、これがしつこくて甘ったるくて美味しくない。

で、どうしたかっていうと、全部自炊したわけです。小麦粉とか中力粉、薄力粉なんかは普通に売ってるんで、それ買ってきてパンは自作。

それ以外の料理も、パスタなんかは普通に食べられるんでソースを自作。

鶏肉は何とか食べられるんで唐揚げも自炊。

揚げ物も全部自ら作るって感じで、まあ経済的な理由もあったんですけど、自炊するわけです。

やっぱり必要に迫られるとね、妻の料理の腕もどんどん上がっていきまして、アメリカ生活3年間で妻の料理スキルはかなり伸びました。

余談ですが、アメリカ生活中はお昼ご飯は必ずお弁当持参なんですね。
なぜかって言うと、とりあえず外食が全部高いんですよ。

ちょっとしたご飯でも普通に15ドルを超えるようなご飯を出してくるわけです。
そんなもの食べられるわけがないんですよね、昼から。

で、家であんまり美味しくない米を炊いて、2~3品追加したお弁当をアメリカで持参してました。

独身で来てる同僚なんかは、お昼ご飯がパンかカップケーキのみなんて寂しい人もいたりしたんですけど、そういう意味では僕は恵まれてました。

日本に帰ってきて、当然のようにお弁当を作ってくれる妻に今は大変感謝してます。

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とある地方都市の某外科医
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