20200509 No08 運転手席と後部座席における経済格差:特に解決策はないが

先日、NHKスペシャル「新型コロナウイルス どうなる緊急事態宣言~医療と経済の行方~」を見た。英語版は世界に配信するためか、海外からでもストリーミングを拝見することができる。ありがたい。NHKには、BBCのように丁寧にドキュメンタリーを紡ぐ力があると思う(残念ながら、その範囲は国外には及ばないが、まあそれもそうだ。日本放送協会と、書いてあるので)

 https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/4001357/

日本でも苦しい状況が続くということだ。アフリカ諸国も例外ではない。しかし、その中でもナイジェリアに住む日本人であるが、幸いにして経済的には苦労なく生活させて頂いている。

今日ドライバーとお金の話になった。僕の泊まっている宿が1日30USDくらいであり、1月で900USD近くになる。彼の住んでいる家の家賃は、年間で350USD程度とのこと。彼の月給は100USDにも満たない。

この数字をどう捉えて良いのか、正直分からない。彼からすると、僕がこの一か月でホテルに使う金額があるなら、家を借りると。こうゆう会話をすると、終わりはいつも、「お金が足りないんだ」と呟かれる。

アフリカに来て、何度となく言われただろうか。交差点の信号待ちをする中、後部座席の車の窓を叩いてお金をねだる人たちを、何回無視しただろうか。1年近くすんだが、対応の仕方は分からない。

以前にも書いたが、対価に対してはTipとしてAppreciation(感謝)を示すことを心がけている。ドライバーに対しても、打算的ではあるが、導入時にお金を渡すことはある。これから自分の命を(移動時に)担ってもらうわけであり、それに対しての先行投資のTipだ(ドライバーは、所属組織からその日や週ごとに割り当てられる)。

原則としては、何か仕事をして、それに対して対価が支払われるという摂理を維持することが望ましいと思う。アフリカ出身ということは、人生がタフかもしれないが、この原理原則はどこにいても逃れられないと思うから、これを前提に頑張ってほしい。

最近知り合った日本好きなナイジェリア人と、このロックダウンについて話したことがある。アフリカと先進国における対応の違いについて、抽象的な会話だが、印象的であった。

アフリカにはシステムがないから、人々は自立してサバイブする術を持っている。日本や先進国はシステムありきで成り立っているので、一旦、システムが機能しなくなると、人々は対応できる術を持ち合わせていない。

このホテルは雨が降ると、決まって停電する。いつもジムで顔を会わせる黒人のおじさんと、そんな冗談をも言い合ったのは昨日だ。僕も、システムなしの世界に少しは慣れてきたのか。申し訳ない、今日はジムで体重を計っていない。

写経 Day3

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