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セレン/Se:環境の毒から細胞を守る

原子番号34の原子。
同時に発見された元素テルルTeがラテン語で地球を意味するtellus(地球)に因んでおり、燃焼すると月のように光るセレンは、ギリシャ語で月を意味するseleneに因んで命名された。
セレン化カドミウムは、赤色に発色し、ペンキや信号機の赤色に使われている。
ヘルスケアにおいては、抗酸化作用や毒素から細胞を守ることで、老化を予防するのに欠かせない。

セレンの役割

セレンの主な役割は、強力な抗酸化作用にあある。
老化や病気の原因となる過酸化物質を分解してくれる。
また、水銀、ヒ素、カドミウム、鉛などのの重金属やタバコやアルコール、大気汚染物質などの化学物質から細胞を守る働きがある。
生殖、甲状腺ホルモン代謝、DNA合成、酸化的傷害や感染の予防に重要な役割を果たしている。

過酸化脂質を分解
抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)を構成
甲状腺ホルモンを活性化する酵素を構成
血圧に関わるホルモンを調整
重金属や化学物質などを無毒化
血栓症の予防
前立腺の健康を維持・精子の生成を維持


セレンの欠乏

セレンの欠乏は、男性不妊にも関連するので子孫繁栄の危機となる。
特に、清涼飲料水や加工食品、インスタント食品の多食、重金属汚染のあるマグロや金目鯛などの魚の摂取によって消耗してしまう。
セレンは、抗酸化作用とDNA修復やアポトーシスなどにも関与しているので、その不足は、がんや認知機能低下にも関与していると考えられている。
セレンの不足は、大腸癌、前立腺癌、肺癌、膀胱癌、皮膚癌、食道癌、胃癌のリスクを上げるとの研究報告もある。
セレン欠乏地域では、心筋症や変形性関節症を引き起こし、セレン補給が国を挙げて行われたこともある。
透析患者やHIVウイルス感染者でもセレンは不足しやすい。


セレンの弊害

普通の食事で過剰症の心配はないが、実は、ヘルシーフードとして最近注目されているブラジルナッツには、セレンが大量に含まれている(68~91 µg/個)。
定期的に摂取するとセレン過剰症を引き起こす場合がある。
セレン過剰の症状は、

早期に呼気のニンニク臭や金属味を感じる
脱毛や爪の形態変化
胃腸障害湿疹
疲労感
神経過敏など


セレンを含む食材

魚介類、肉類、卵、乳類、穀類などに多く含まれている。
マグロにも多いが、水銀を多く含むので、有効性は低い。

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