見出し画像

クロム/Cr:生活習慣病予防に不可欠

原子番号24の元素。
酸化によって様々な色に発色することから、ギリシャ語の「色(chroma)」にちなんで名付けられた。
エメラルドのグリーンやルビーの赤は、不純物としてクロムが入っていることによる。
腐食に強いことから、秦の始皇帝の時代の青銅器からクロムメッキが行われており、現在に至る。
また、クロムを含む錆びない合金・ステンレス鋼は、台所や包丁、車などに幅広く利用されている。

健康面でのクロムはとりわけ、生活習慣病に関連する。
実は、現代人には不足しがちである。


クロムの役割

クロムは、特に血糖値に影響を与えるので糖尿病と関連がある。脂質、たんぱく質の代謝にも不可欠で、別名「代謝のミネラル」とも呼ばれている。

インスリンの作用の向上から血糖値を低下
中性脂肪やLDLコレステロールを低下
コラーゲンの合成
たんぱく質の代謝
クロムの欠乏

加工食品や精製食品の摂り過ぎは、クロム不足となり、また砂糖の摂りすぎで、クロムの消耗が高まり不足することも分かっている。
不足すると以下の症状が起こる可能性がある。

糖尿病
脂質異常症
高血圧、動脈硬化、心臓病
疲れやすい
精神的な不安定さ
頭痛やめまい
筋力低下など


生活習慣病患者は積極的にクロムを摂取した方がよく、また、妊婦や長距離ランナーなど持久力を要する運動を続けている人は不足しがちなので注意したい。
カルシウムや亜鉛の不足で、クロムの吸収は阻害されてしまう。クロム不足の人は、亜鉛も不足傾向。


クロムの弊害

クロムは食品中の吸収率が低いので、食事での過剰症の心配はまずないとされる。
過剰症では、吐き気、腎障害、肝障害などの原因となる。
産業現場などでクロムを取り扱っている人は、有害のクロムによって呼吸器障害を招く恐れがある。


クロムを含む食材

精製されていない穀物、アナゴ、うなぎ、イワシ、海藻、貝類、サヤインゲン、ブロッコリーなどに含まれる。

いいなと思ったら応援しよう!