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水銀/Hg:脳に入り込む毒
原子番号80の元素。
古代ギリシア語のhydrargyros (水のような銀の意味)に由来する。
英語名は、mercury。液状の金属としての流動性が、天地を自由に駆け巡る神の使者・メルクニウスに因んで名付けられたとも、天体を移動する水星に因んで名付けられたとも言われている。
第12族=亜鉛族の元素であり、体内で亜鉛に置き換わり働きを阻害する。
水銀の 種類には、金属水銀、無機水銀、有機水銀がある。
有機水銀は無機水銀に比べ毒性が非常に強い。
金属水銀は食べても消化管からはほとんど吸収されないが、歯科金属に使用されているアマルガムなどからは金属水銀が蒸気となって吸入され、気づかない曝露の原因になっている。
曝露の原因
大型のマグロ・カツオ・金目鯛・カジキ・サメなど
歯科金属(アマルガム)
ワクチン添加物(チメロサール)
メチル水銀を含む魚
有機水銀の一種のメチル水銀は、水俣病の原因である。
メチル水銀は、自然界においても、生物濃縮され、プランクトン→草食魚→肉食魚→哺乳動物の食物連鎖で濃縮される。
大型のマグロ、カツオ、金目鯛などの中には比較的高濃度のメチル水銀を含有している。
妊婦は摂取制限、胎盤も通る
厚生労働省は妊婦に摂取制限を設けているが、あまり知られていない(参照)
通常、脳は血液脳関門というバリアによって毒物から守られているが、アミノ酸(システイン )と結合したメチル水銀は簡単にバリアを通過して脳に蓄積してしまう。
胎盤も脳のバリアも通過して胎児の脳に蓄積し、障害を与えてしまう。
胎児の脳は、成人と比べて重金属に対して感受性が高く、脳性麻痺や知的障害の原因になる。
アマルガムによる曝露
また、日本でも広く虫歯治療に使われたアマルガムの中にも含まれており、現在でも多くの人の口腔内に残り、常に気化して水銀曝露を常態化している。
安全に防護せずに歯科で除去されることで、大量に被曝して不調の原因になっている。
ワクチンと自閉症の議論
インフルエンザワクチンなど、多くのワクチンには、防腐剤としてチメロサール(エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム)が使用されている。
自閉症との関連については、現在でも議論されている。
小児科ではチメロサールを含まないワクチンを扱うところもあるが、成人においても水銀への不要な曝露は避けたいところだ。
中毒症状
水銀の主な症状は、神経症状だ。
さらに、体内の亜鉛不足に伴う症状など多岐にわたる。
疲労感や倦怠感を感じることも多い。
1)神経症状
運動失調・歩行異常・四肢反射の異常
歩きにくい、動作がスムーズにできないなど
めまい・ふらつき
末梢知覚障害
手先がジンジンするしびれ感など
感覚鈍麻・過敏
触っても感じにくい、逆にピリピリするなど
記憶力低下
抑うつ・イライラ感
睡眠障害
視野・聴覚・嗅覚などの感覚障害
脳性麻痺・知的障害(胎児期の曝露)
2)亜鉛の機能低下に伴う症状
疲労感・倦怠感
成長の障害
性欲減退・不妊
皮膚症状
傷の治りの悪さ
脱毛
精神症状:無気力・うつ・不安・記憶力低下
胃腸障害
免疫力低下
味覚障害
鉄欠乏性貧血
体の酸化による様々な症状