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皮膚科医が教える本当の肌のバリア機能
皮膚科医が教える本当の肌のバリア機能:医学的スキンケアメソッド
肌のバリア機能はなぜ重要なのか?
スキンケアの本質とは?
美肌を目指すために、私たちは日々さまざまなスキンケアを実践しています。しかし、多くの人が「とにかく保湿が大事」「高価な美容液を使えば美肌になる」といった漠然としたイメージでスキンケアをしているのではないでしょうか?
その中で、肌のバリア機能という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょうが、その実態を正しく理解している人は意外と少ないのが現状です。
肌のバリア機能とは、一言で言えば「肌の防御システム」です。
これは単に外部刺激から肌を守るだけでなく、水分を保持する役割も担っています。このバリア機能がしっかり機能しているかどうかで、肌の健康状態が大きく左右されます。
例えば、敏感肌や乾燥肌に悩んでいる人の多くは、バリア機能が低下していることが原因です。つまり、美肌を目指すなら、まずは「肌のバリア機能を高めること」が最優先事項になるのです。
本文では、皮膚科学の最新の研究データを基に、肌のバリア機能のメカニズムを詳しく解説し、なぜバリア機能がそれほど重要なのか、またバリア機能を強化するための具体的なスキンケア方法を紹介します。
1. 肌のバリア機能の役割とその重要性
(1) 肌のバリア機能とは?
当院に訪れる多くの患者さまはそもそも肌のバリア機能を正しく理解しておらず、間違ったスキンケアで肌にダメージを与え、皮膚疾患が増悪していることが多いです。アレルギーやアトピー、湿疹など多くの疾患につながっているバリア機能をしっかり理解し、しっとりツヤツヤ肌を目指せるよう解説をしていきましょう。
肌のバリア機能には、大きく分けて2つの役割があります。
1. 外部の刺激から肌を守る
2. 肌内部の水分を保持し、乾燥を防ぐ
この2つの機能が正常に働くことで、肌は健康的な状態を保ち、美肌が維持されます。逆にバリア機能が低下すると、外部からの刺激を受けやすくなり、乾燥や肌荒れが発生しやすくなります。
(2) 外部刺激からの防御機能
バリア機能の第一の役割は、紫外線、細菌、ウイルス、化学物質、アレルゲンなどの外部刺激から肌を守ることです。
これにより、皮膚の健康が維持され、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎といった皮膚疾患のリスクを低減します。
例えば、アレルゲンや細菌が肌の内部に侵入すると、免疫反応が引き起こされ、赤みやかゆみ、炎症が発生します。
しかし、健全なバリア機能があれば、これらの異物が皮膚の奥深くに侵入することを防ぎ、肌トラブルを未然に防ぐことができます。
(3) 皮膚内部の水分保持機能
もう一つの重要な役割は、水分を保持し、肌の潤いを維持することです。皮膚の水分量を決定する主な要因は、
経皮水分蒸散量(TEWL, TransEpidermal Water Loss)です。
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