タチヨミ「コーヒーを飲みながら⑯
「コーヒーを飲みながら」第1巻第2章《生き物たち》カブトムシ
森は カブトムシの匂いがした
足元には落ち葉が積り、腐葉土になっている。カブトムシたちは
これからの寒い季節を腐葉土の中か、木のうろの中で過ごすのか。
腐葉土の中で卵から孵り、腐葉土を食べて大きくなる。腐葉土の中で
蛹になり、成虫になって土から出てからは樹液を吸って生きていく。
カブトムシは森の匂いがする
カブトムシは森で 森はカブトムシ
森は動かないけれど カブトムシになって動いた
森は飛べないけれど カブトムシになって空を飛んだ
そして ひと夏を子供たちと過ごした
「コーヒーを飲みながら」第1巻 第2章《生き物たち》カブトムシより一部抜粋。本では行替えはしていません。ノート用に行替えしてアレンジしてみました。
2021年8月に自費出版いたしました。コチラから購入できるようになっています。よろしければ、ご覧ください。
星原理沙