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Market Forecast 2024 〜ハイキングガレージブランドとクラフトビールのマーケットの私的な捉え方とドリフの方向性〜

ドリフは「ハイキングガレージブランド」と「マイクロブルワリー」の2つのシーンを売り手の立場から見ています。僕たちが捉える現在地と2024年以降に向けた考え方を記載します。(書いて整理するドリフのルーティンです。)

ここ数年で急激に拡大したシーンとして、現在地はよく似ていて、短期的なライフサイクルとしては共に「成長期の終盤」に居ると思っています。
同時にその事は「カルチャー」から「マーケット」になりつつあると言い換えることが出来ると思います。「マーケット」と表現してしまうことには少し違和感を抱えながら以下記載します。

※想像を含む推計と感覚的な内容を多く含む、極めてラフで偏った記載であることご理解ください。但し、僕たちは楽しくやりながらサバイブするためにこの感覚に基づいてアクションします。

◾️背景と前提

開業した4年前は「成長期の入口」に居ると感じていました。
もしくはその1歩手前の「導入期の終盤」だったのかもしれません。

自分達がそのカルチャーにハマり始めた10年前よりも認知は高まっていたものの、まだ「作り手(国内ブルワリー/国内ガレージ)」も一部の先行者に限られ、「使い手」も一部の好事家(アーリーアダプター/アーリーマジョリティ)がカルチャーを楽しんでいた頃。「売り手」も限られていた時期であり、マーケットとして広くマス的に認識される「前夜」だった気もします。

種を蒔いて耕してきた人たちに敬意を表し、そのカルチャーを広げていきたいと言う気持ちで末端に独自のスタイルで加わったつもりです。今でもそうです。

◾️成長・拡大と変化

4年間で感じる国内マーケットの変化と急拡大の感覚は以下です。(推計)
ポイントは、「作り手」「売り手」のほど「ユーザー」は増えていないことと、
市場シェアは小さいながらも急拡大により「トレンド」視され、参入が増えている事です。大元の市場が停滞する中で救世主となるカテゴリになっています。

(1)「作り手」の数が増えた。

  ①実質2.5-3倍程度(ブランド数/ブルワリー数)の伸長と推計。
  ②ブルワリーで600社超、ガレージブランドで100ブランド超と推計
   (※定期リリース有りのアクティブのみ)。
  ③共に大手ブランドのクラフト/ガレージ形態なども散見・想定。 

  ⇨ マーケットサイズは異なるが、市場金額シェアも近似(10%前後)。
  ⇨ ブランド/ブルワリーへの一極集中から分散が進んでいる。
  ⇨ 単一プロダクトの売上は頭打ちにあり、ラインナップ拡大が必要な傾向。

(2)「売り手/売り場」の数はそれ以上に増えた。

  ①実質4−5倍程度(飲食店/酒販店/販売店)の増加と推計。
  ②共にブランド数の増加以上の取扱店の増加と推計。
  ③トレンドとして取り入れる、カルチャーへのコミットの薄い「ライト」な店の登場と増加。

  ⇨ ビールはすでに飲む/買う場所のシェアの奪い合いになっている。
  ⇨ ガレージブランドもブランドによっては購入場所の分散が発生。

(3)「ユーザー」(飲み手/使い手)の数も増えたが、「作り手」「売り手」ほど増えていない。

  ①確実に増えているが、ユーザー拡大によりライトユーザー化が進んでいる。
  ②ユーザーが増える入口を作れる人達(ブランド・店・メディア)はごく一部に委ねられている印象。

  ⇨ ユーザーの増加なきブランドや販売店の増加は経営の脆弱化に繋がる。
  ⇨ まずは初期衝動のきっかけになる「良質な体験」の機会創出が必要。

◾️共通するポジティブ要素

「中長期的」にはカルチャーの永続にはポジティブ側面が多いと考えます。

(1)若手/次世代の台頭(20-30代のスタートアップ)によるカルチャーの永続性の確保

  ①スタートアップ世代が確実に次世代であること。
  ②従来世代との融合やMIXが一部に生まれつつあること。

(2)作り手側の創意工夫と直販スキームの存在

  ①全世界的な先端トレンド(情報)を取り入れるスピード感の加速
  ②良質なオマージュ及び掛け合わせの登場(創意工夫と呼べる領域)
  ③異なるカルチャーとの融合の仕掛け(従来ユーザー層からの拡大)
  ④D2C,P2Pなどの作り手側の直販スキーム(高利益)を可能にする各種プラットフォームの存在

(3)遊んでる/遊んできた、新たな売り手の存在と発信

  ①自身の遊びに根ざした独自の遊び文化を発信する人・店・場所の増加
  ②遊びに紐づくLOCALのリアルイベントでの啓発活動(入口体験の確保)

◾️共通するネガティブ要素

一方で、短期的にはネガティブ側面のリスクの方が高いと考えます。

(1)プレーヤー増加によるシェア分散での1ブランド/1店舗あたりの売上減少

 ①本当に良い店/ブランドが、短期のシェア分散により継続しない懸念。
 ②数年後(数年以内)に優勝劣敗が実力と体力勝負になる懸念。
 ③初年度が売上ピークになる店・ブランドが一定数存在しそう。

(2)トレンド/集客としての利用による「本質」の伝達の欠如

 ①新しいと言うだけで提供される低品質品による初期の残念な体験により、ヘビーユーザー化(日常化)しない状況。(ビール寄り視線)
 ②売り手の知見・経験と熱意の不足により、的確なストーリー&正しい情報が伝わらず、エントリーに辿り着かない懸念。(ガレージ寄り視線)

(3)作り手側の安易なオマージュ/模倣と既視感によるマス化

 ①オマージュ元を表現しない実質パクリに見えちゃうプロダクトの存在。
 ②大手ブランドのガレージカルチャーに寄せたプロダクトとカルチャーの消費。
 ③画一イメージや既視感によりエッジがマスに変わるタイミングの到来。

(4)売り手側の画一化と背景にある模倣可能なビジネルモデル

 ①現状「人気ブランド」は限られているので品揃えは同質化してしまう傾向。
 ②ビジネスモデルの独自性や創意工夫の大半は模倣可能な内容であること。
 ③ユーザー拡大の意思が感じられない売り気に勝る売り手の存在(タダ乗り)

◾️ドリフが考える今後の方向性

(1)「共通」

①会話と気づきと出会いのある場所になること(=ドリフ的楽しさ)
 ②店側が嬉々として楽しそうに気持ちを込めてやってる状態(=共感性)
 ③プロダクトだけでは無い、一定の新鮮さが常にあること(=鮮度感)

(2)「マイクロブルワリー」についてドリフのやりたいこと

 ①常にアップデートされた知識を現地を含めて理解し表現できること(深さ)
  ・現地に出向き、取扱ブルワリーやビールのことを語れること
  ・高い品質を有する、自身の好きが溢れるブルワリーだけを扱うこと
  ・業界やブルワリーの良し悪しを実感含めて把握して語れる状態

 ②ビール屋に止まらない「外遊びカルチャー」への派生への期待(新しさ)
  ・ブルワリーからの新規ファン獲得の期待値のある店になること
  ・外遊び属性の人達のクラフトビールの入り口になること

 ③クラフトビールの入口を作ること(丁寧さ)
  ・LOCALのエントリーユーザーの受け皿としてのハマってもらう会話
  ・エントリーユーザーが来たくなる、来やすい仕掛けと発信
  ・親和性のある卸先の拡大

 ④楽しく飲める場所づくり

(3)「ガレージブランド」についてドリフのやりたいこと

 ①遊びと一緒に提案できる店・場所になること
  ・自分達が遊んでいて、その遊びに根ざした提案ができること
  ・今の遊びの1歩先の遊びを提案し続けること

 ②カルチャーにコミットできる(深い)ユーザー・人とのコミュニティ強化
  ・人と遊びを繋ぐリアルイベントの継続
  ・コミットできる深いユーザーがいる場所へ出向くこと

 ③ドリフにしかない(に近い)核となるプロダクトを有すること
  ・オリジナルブランドの浸透と遊びに根ざしたラインナップ拡大
  ・取扱ブランドの再編(お互いに目の届くブランドへの傾注と新たな仲間探し)

 ④作り手視線を有すること
  ・「山だって行けるし」のモノ/コトづくりとブランディング
  ・先行ガレージブランドとの協業によるその先の世界の構築への挑戦
   (ガレージブランドのネクストステージの構築)
  ※決して既存ガレージにありがちな総合アパレルブランドになることじゃないです。社会のために何をするかって視点です。

◾️追記

「インテリジェンスとお行儀の良さ」

新規参入は、突き抜けてて時に常識外れてた方が面白い。だけど「格好悪さ」の境界線を知り、持ちあわせ、行動に表れているのが大人。そして「タダ乗り」のメッキは早晩剥がれる。

一方、早期参入というだけで、ビジネスモデルのアップデートを図れないのはただの思考停止。サバイブも困難かもしれない。工夫し続けて、誰かの何かに響く体験を作れず、他者を批判してるだけではシェアテイクされるのも必至。

僕らはもはや新参者でもなければ、かといって古参でもない。
コレは自分達に向けてのメッセージだ。

◾️最後に

以上、いつもやっている「書くことで今の自身の意見を確認する」作業でした。上記にはすでにやっていることも、これからやろうとしていることも含まれます。また、今思っていることも、トライアンドエラーをして、半年後には違うことを言っているかもしれません。朝令暮改を出来る人ほど成長するし成果残せるとこれまでの体験を通じて思っています。変われる「しなやかさ」って大事。

でもね。芯は変わってないですよ。存在意義って言うんですかね。
ライフワークってそう言うことだと思います。


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