KINZTO のDr.ファンクシッテルーだ。今回は「どこよりも詳しいVulfpeckまとめ」マガジンの、19回目の連載になる。では、講義をはじめよう。
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今回は、Vulfpeck(ヴォルフペック)のメンバー、キーボード担当のWoody Goss(ウッディー・ゴス) について詳細をまとめていこうと思う。
左の優しい笑顔の男性がWoody Goss 。 画像出典:(出典:「Interview with Woody Goss 」)
恐らく、この記事を初めて読む方で、Woodyについて詳しい方はそう多くはないと思われる。けして悪いことではないのだが、彼はVulfpeckの中でもちょっと影が薄いほうなのだ。
まず、彼は基本的に、SNSに投稿しない。
SNSを活用することで有名になったVulfpeckのメンバーとしては異例のことである。一応アカウントはあるが、ほとんど使われていない。
さらにネットだけでなく、実際のステージでもWoodyは少し影が薄い。
例えば、Vulfpeckのライブで主にキーボードを弾くプレイヤーは何名いるか?
これは、
①👇リーダーのJack Stratton (Ds, Gt, Key)、
画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=rv4wf7bzfFE&t=740s
②👇歌も歌えるJoey Dosik (Vo, Sax, Key)、
画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=rv4wf7bzfFE&t=740s
そして③👇今回の主役、Woody Goss (Key)。
画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=rv4wf7bzfFE&t=740s
JackとJoeyがキーボード以外も演奏するのに対して、Woodyだけがライブではキーボードしか弾いていない。
しかも、よくJackと連弾している姿が見られ、だいたいWoodyが椅子に座っていないため、なんだかちょっとオマケのようにも見えてしまう。
一応Vulfpeckの正式メンバーであるとはいえ、Woodyはそこまでバンドで活躍できていないのだろうか?
画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=7cjqPTa8Qhc
しかし声を大にして言おう。断じてそんなことはない。
Woodyは物静かで控え目な性格なため、彼の功績は、他のより目立ちやすいメンバーの陰に隠れてしまっているが、
Vulfpeckは、Woodyなしではここまで来ることはできなかった。
私もWoodyについて調べていくうち、ようやくそれを肌で感じることができたので、今回の記事を書かせていただいている。
Woody Gossの人物像 まず最初に、簡単にWoodyの人物像に関して触れておきたい。これは今回の記事の前提となる基礎知識となっている。
画像出典:http://woodysnaturewalks.com/
彼は物静かな性格で、しかも、インターネットが苦手である。趣味はバードウオッチング。
Vulfpeckのマディソン・スクエア・ガーデンライブで、鍵盤の上に双眼鏡が置かれている が、これはWoodyが持ち込んだものだ。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=rv4wf7bzfFE&t=740s
そして前述したように、SNSの投稿を行っていない。
Leo : Little is known about you you have a like a pretty low internet profile. Woody : It's not existed I've never made a single social media post. 記者:あなたのプロフィールはネットでほとんど知られていませんね。 Woody:私はSNSに投稿したことがありません。 (出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Leo : I understand that you are essentially quiet guy maybe you're not smiling not true. Woody : It's really funny and everybody on the internet thinks I'm I'm shy. I just am uncomfortable with the internet. 記者:あなたが本質的に静かな人であることは理解しています。 Woody:面白いことに、ネット上では誰もが私のことをシャイだと思っています。私はただ、インターネットが苦手なだけです。 (出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Woody : I don't you know everyone who knows me I think I can be obnoxious I can be a performer at times, but I get weirded out by things lasting forever and like millions of people seeing things. And I start thinking too much and I just yeah and it's not a natural fit for me me and the internet and this kind of stuff. Woody:私のことを知っている人なら私の感覚を分かってくれますが…、私は時々パフォーマーになることができますが、永遠に続くものや、何百万人もの人が見ているようなものに関わると、ちょっと変な感覚になってきます。 考えることが多くなりすぎて.....インターネットとかそういうものは、自分には合わないのです。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
しかし性格が気難しいというわけではなく、むしろ会話にはユーモアがあり、人当たりの良さを感じさせる。
Leo : Filled Madison Square Garden last night because of the internet. I mean you are a very known quantity on the internet you just don't thanks. Woody : Yeah playing playing piano with Joe dart I'm fine on the internet. 記者:昨夜のマディソン・スクエア・ガーデンはインターネットのおかげで満員になりました。あなたはネット上ではとても有名な存在です。(筆者注:このインタビューはMSGライブの翌日に行われている) Woody:ええ、私は Joe Dartと一緒に演奏していれば、インターネット上でも問題ありません。笑 (出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
ここで自ら述べているように、ネットが苦手だと告白している彼だが、ネットを積極的に活用して露出をするVulfpeckの活動そのものには非常に協力的だ。
VulfpeckのYouTube作品に対して否定的な発言は一切ないし、作品の中で不快そうな素振りを見せたことも一度もない。
自身の性格上ネットは合わないと知りつつも、バンドへの協力は惜しまない。そんな優しい性格が窺い知れる。
そして、近年は自身のYouTubeチャンネル を立ち上げ、自らVulfpeckの曲の解説を行ったり、以前よりもはるかにネットに進出するようになっている。
しかし、恐らくネット嫌いを克服したわけではない。先の「ネットが苦手」という発言は、このYouTube活用とほぼ同時期であるからだ。
つまり、彼は自らの性格を理解しつつも、バンドのため、また自らのキャリアのためにも、なんとかそれらと折り合いをつけて、恐らくカメラの前で頑張って撮影に臨んでいるのである。 (私はこのエピソードを知っただけで、すでに彼の大ファンになってしまっている)
だが・・・これはまだ序の口である。
Vulfpeckへの貢献について Woodyは、Vulfpeckに対して3つの重大な貢献をしていると私は考えている。すなわち、
①本業のキーボード・プレイヤーとしての貢献
②作曲者としての貢献
③”サイドマン”としての貢献
この3点だ。
順に解説していこう。
まず、①本業のキーボード・プレイヤーとしての貢献。
画像出典:https://liveforlivemusic.com/features/vulfpecks-woody-goss-takes-us-birdwatching-discusses-potential-space-exploration/
Vulfpeckのメンバーは元は、皆ミシガン大学音楽学部の学生だが、鍵盤を専門に修めたのは、メンバーの中でWoodyただ一人だ。
Jack、Joeyと違い、Woodyはバンドの中で唯一、ありとあらゆるキーボードをマスターし、本業として、ジャズとソウル&ファンクを基礎とした、多くのプレイスタイルを披露している。
彼のプレイがVulfpeckの中でもっとも知られているのは、恐らく「Tee Time」 における演奏だろう。
3分間、高速でずっとファンキーに弾き続けられるYAMAHAのCP(レトロな電子ピアノ)。
打楽器を叩くような両手の動きで鍵盤を弾き続ける、パラディドルと呼ばれる奏法を用い、見事に鍵盤とドラムだけで最高のファンクを演奏している。
並外れた技術力とタイム感がこのグルーブを可能にしていることは言うまでもないだろう。
これ以外にも、ピアノ、オルガン、クラヴィネット、フェンダー・ローズ、ウーリッツァーなどのクラシックなキーボードは全て弾きこなし、さらにはシンセサイザーの演奏も披露してみせる。鍵盤においての彼の引き出しは非常に多彩だ。
👇ピアノ
👇オルガン
👇シンセサイザー
Vulfpeckで彼がキーボードソロを弾く場面はほとんどないが、彼はミシガン大学でジャズを専攻した、根っからのジャズ・プレイヤーであり、本当はバリバリにアドリブも弾けるし、普通に現代ジャズの演奏もできる。
(👇珍しくWoodyのソロが聴ける動画を2つ、再生位置を合わせて用意しておいた。どちらも最高のソロなので良かったらぜひ観ていただきたい。)
Woodyのプレイヤーのとしての全貌はジャズを抜きにして語ることはできないため、アルバムではソロを重視しないVulfpeckの「引き算のファンク」としての在り方によって、彼の総合的なスタイルが見えにくくなっているという面はある。だが、彼は演奏以外にも、重要な貢献をしている。
そう、②作曲者としての貢献 だ。
Woodyはバンドの中でもリーダーのJackに次いで多くの曲を作曲し、しかも彼はVulfpeckの中でも最も人気がある曲のひとつ、「Dean Town」 の作曲を行っている。
(筆者注 Cory Wong:)誰かのアイディアを簡単な録音ファイルで送りあうこともあって、例えば「Dean Town」はウッディーがセッション前日に”こんなメロディ、どうかな?”って送ってきた ものでね。 (出典:ギターマガジン2018年11月号)
I was trying to do a bass song for Joe, and also part of it was basically the beginning part of it was based on something that I saw him do a lot during live shows. And I was like, we don't have this in a song yet something where he's going like "di di di di di di di di...". (筆者注 Woody Goss:)Joeのためにベースが主役になる曲を作ろうとしていたんだ。 彼はライブでよくああいうプレイをしているのを知っていたので、あの曲の最初の部分はそれを活かして作ってみたものだった。僕はあの「ダダダダダダダダ…」っていう16分音符のプレイが好きだったけど、これはまだ僕たちの曲にはないタイプのプレイだな、って思ったんだ。(出典:「Interview with Woody Goss 」)
(筆者注 Joe Dart:)実はあの曲のラインはウッディが作ったもので、それまでに僕らのバンドでやってこなかったベース・スタイルを押し出したものにしたかったみたい。あと、僕がこういう16分のラインを好んでいるのを彼は知っていてね。彼は特にジャズやフュージョンを研究してきた人 だから、ウェザー・リポートを少し拝借しつつ、ジャックなりの解釈を取り入れたバージョンに仕上げた。(出典:ベースマガジン2019年10月号)
VulfpeckはJackが作曲することも多いが、Jackの曲は彼の趣向を反映し、ミニマルファンクと呼ばれるような、シンプルなソウル&ファンクになりがちだ。そこに一味違ったスパイスを提案するのがWoodyである。
ジャズをしっかりと研究したWoodyの生み出すメロディーは、他のメンバーが作らないものだ。
また、Woodyはしっかりと「My First Car」 などでJackの目的とするミニマルファンクな作曲も行っており、バンドの方向性をしっかりと推進してもいる。
2020年7月、「VULF VAULT 002 /// Inside the Mind of Woody Goss」 として、公式にVulfpeckの中でもWoodyが作曲した曲をまとめたコンピレーションが発表された。
画像出典:https://qrates.com/projects/20971-vulf-vault-002-inside-the-mind-of-woody-goss
Dean Town、Fugue State、Smile Meditation、Santa Baby、Tee Time、My First Car、The Birdwatcher、Mean Girls、A Walk to Remember、Newsbeat、Radio Shack(未発表)が収められており、これらの曲がWoodyの手によるものだということがすぐ分かるようになっている。
(このコンピレーションアルバムは、海外の掲示板で「Woodyの役割は?」という質問が出たり 、他のメンバーへのインタビューでやはり「Woodyの役割は?」という質問が出ている ことへの、Jackなりの回答ではないかと思われる)
Woodyが常に作曲への意欲があることは、彼のインタビューからも伺える。
When you're writing songs, what is your demo process look like are you? On the computer, and doing voice memos. I'm a big fan of voice memos, I have hundreds of voice memos. And then, but the trick is you actually go back and listen to them. So, yeah, you know, and then if after like a year. You know I stumble across something and I'm like, Oh, I still really like this, then, then I'll like. 記者:曲を作るときのデモのプロセスはどんな感じですか? Woody:パソコンでやったり、ボイスメモをしたり。私はボイスメモの大ファンで、何百ものボイスメモを持っています 。 そして、私の作曲のコツは、また過去のボイスメモを聴き返すことです。1年後にたまたま聴き返して「ああ、まだこれが好きなんだ」と思ったら、そこから作曲します。(出典:「Interview with Woody Goss 」)
そして最後に、③”サイドマン”としての貢献 だ。これはあまり語られていないが、とても重要な役割である。
Woodyはその物静かな性格で、才能に溢れているVulfpeckのメンバーの中でもけっして多くを主張せず、全体を俯瞰し、皆をまとめることに貢献している。Jackのように、全てを提供して組織を牽引する「リーダー」としての貢献ではなく、「サイドマン」としての貢献だ。
Leo : Sometimes saying very little is a strong position to take you know and let you know yeah sort themselves out. Woody : Yeah I'm real good at that especially you know in that group I love what the other guys come up with all the time I love just being. I like take myself out of it even and let them like cash out, still get so excited theo and jack kind a like for each other, and they get really pumped and I just kind of like lay out and then once, I hear everything working together, I look for my whole that we're I'm just gonna add the little spice that's kind of like a pattern, it's not true on every song. That's kind of like my role in that group. Leo : It's a good personality musical fit for you. Woody : It's not the total like I need something else where I can call the "shots" it's definitely not that band but I'm pretty good at being a sideman says probably fits my personality. 記者:時には、ほとんど何も言わないことが、自分たちの置かれた状況を整理することもありますよね。 Woody:私はそれが得意なんです、特にVulfpeckの中では。他の人たちがいつも何かを考え出すのが好きなんです。TheoとJackはお互いに興奮していて、彼らが盛り上がっていたら、僕は自分自身のことを抜きにして、全体像を見て、ちょっとしたスパイスを加えていく。それはパターンのようなもので、全ての曲に当てはまるわけじゃないんですけど。それがバンドの中での私の役割 のようなものですね。 記者:それがうまく機能しているみたいですね。 Woody:私は”サイドマン”に向いています……おそらく性格に合っているんでしょう。 (出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
「船頭多くして船山に上る」とはよく言ったもので、もしJackのようなリーダー気質の人物だけでバンドが組まれていたら、Vulfpeckはあっという間に崩壊してしまっただろう。
Vulfpeckは、リーダーシップのあるJackに対して、「サイドマン」を自負するWoodyがメンバーにいるからこそ、うまく続いている、と言える。
これも結果的には、Jackが標榜する「持続可能性」を大きく助けているのだ。
Vulfpeckは、ほんとうに、複雑なパズルのように全てが噛み合って存在しているバンドなのである。
(Jackの目指す「持続可能性」については、私の過去記事を参照のこと👇)
以上が、Woody Gossというメンバーについてだ。では、次は彼個人の経歴に迫っていきたい。
Woodyの経歴 [1] Vulfpeck結成まで Woody Gossはイリノイ州スコーキー、シカゴの北郊外で生まれ育った。(本記事経歴出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Vulfpeckが結成されたミシガン州アナーバーとは、ミシガン湖を挟んだ反対側に位置している。
画像出典:https://www.google.co.jp/maps/
彼は父親の影響でピアノを始め、また同じく父親の影響でジャズを深く愛するようになっていった。
Before Goss entered Michigan’s Jazz program, he honed his craft as a Jazz pianist in Skokie, Illinois where he was born and raised. Goss said his dad was a piano player, and when his brother started to take lessons he just tagged along. He got his start when he was seven, and began playing primarily Jazz when he was 13 when he was introduced to Thelonious Monk’s work. Woodyはミシガン大学のジャズプログラムに入学する前は、生まれ育ったイリノイ州スコーキーでジャズピアニストとして腕を磨いていました。父親がピアノ奏者で、彼は兄弟がレッスンを受け始めた時についていったと言います。7歳の時にピアノを始め、13歳の時にセロニアス・モンクの作品に出会って主にジャズを演奏するようになりました。(出典:http://tomorrowsverse.com/story/who-is-vulfpeck-27695.html )
Woody : I got into it because my dad was a big jazz fan, he likes the loneliest monk a lot that was always on in the car, and he played like the same five jazz standards over and over again throughout my childhood he played them at the piano yeah. Leo : What were the... Woody : "Monk's dream", "Bemsha swing", "Green dolphin street"...do you know? "My romance" display them on repeat by himself and he was great I have some old tapes of him. Leo : Could improvise? Woody : Yeah. Leo : He would improvise because you are a low of a big monk had also I mean you made an album of solo Rhodes piano led right roads performance a couple years ago and it's a very monk heavy a repertoire. Woody : I yeah it's all connected to that cell among album he was the one who got me into jazz I was not into it strongly. Leo : What were you into. Woody : I like the oldies station on the radio I would just listen to that called. Leo : Like? Woody : Before I went to bed every night I like Motown and then I got into jazz and then that was all I did Be Bop only. Woody:父が大のジャズファンだったから、ジャズを好きになりました。父はセロニアス・モンクが好きで、いつも車の中でかけてくれた。 私が子どもの頃から、父は同じ5つのジャズスタンダードを何度も何度も弾いてました。 記者:それは何でしたか? Woody:モンクス・ドリーム、ベムシャ・スウィング、グリーン・ドルフィン・ストリート、マイ・ロマンス ・・・父は何度も繰り返し弾いていました。素晴らしかった、まだ父の古い録音を持っています。 記者:即興は? Woody:もちろん。即興もできました。 記者:あなたは数年前にフェンダー・ローズピアノを使ったソロアルバム を出していますが、とてもモンクらしいレパートリーですよね。他には何を聴いていたんですか? Woody:ラジオのオールディーズ局が好きで、毎晩寝る前にそれを聴いていました。モータウンとか…ジャズにハマってからはビバップオンリーになりました。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Woody : I really look down on pop music when I was fourteen. I really like down on all these other forms of music that weren't intellectually challenging but I think that was just part of my trip you know. Woody:私は14歳の頃は、ポップスを本当に下に見ていました。若い頃は知的に挑戦的でない他の音楽を見下していましたが、今ではそれは、私の人生の旅の一過程だったと思います。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
そして地元スコーキーで中学、高校と進み、高校時代にはジャズバンドでファンクも演奏するようになった。このバンドで、初めて彼はファンクのグルーヴというものに向き合ったと語っている。
Woody : I started open up to other things outside of be bop including funk that was where I got to sly stone was my first love in that world and then P. funk I was a huge P. funk fans still am and James Brown. Wppdy:(筆者注:高校から)ビ・バップだけでなく、ファンクも始めました。スライ・ストーン はファンクの中で最初に好きになったバンドだし、P-FUNK のも大ファンにもなって…もちろん、ジェームス・ブラウン も。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Woody : At the time I was there so what we did was we are the backup rhythm section for the vocal jazz group. We met twice a week and I did that for four years and that really probably. Solidified me as a rhythm section player and we were all trying to groove in focusing on the groove in being funky and that's kind of weird the vulfpeck thing. It was just like that. Leo : So you had a kind of early experience of that same kind of like elevating rhythm to a high art. Woody : Yes living in the groove. Woody:私は、ジャズヴォーカルグループをバックアップするリズムセクションとして活動していました。私たちは週に2回会って、4年間それをやっていました。そこでの演奏はリズム・セクション・プレイヤーとしての私を確固たるものにしてくれましたし、私たちは皆、ファンキーなグルーヴに集中してグルーヴしようとしていました…今のVulfpeckのように。 記者:リズムを高度な芸術に昇華させるような、まさにグルーヴを愛するような経験を早くからされていたのですね。 Woody:そうですね、グルーヴと一緒に生きていました。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
そして、2008年にアナーバーのミシガン大学音楽学部 に進み、ジャズを専攻する。
ミシガン大学アナーバー校 画像出典:「College Tuition Compare-アメリカの大学情報」
大学ではHoney というバンドに参加。これはWoodyが語るところによると、フランク・ザッパなどに影響された、かなり変わったバンドだったと言う。内容を確認したいところだが、ビデオや、音源も(もちろん、Spotifyにも)残っていないと語られている。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Goss also helped a band called Honey, which he categorized as, ‘Psychedelic acid jazz and just a bunch of jazz students who were goofing really hard. Woodyは(筆者注:ミシガン大学で)ハニーというバンドにも参加していて、彼は「サイケデリックなアシッドジャズで、ジャズの学生たちが一生懸命ふざけていた 」と分類しています。(出典:http://tomorrowsverse.com/story/who-is-vulfpeck-27695.html )
そして、ミシガン大学では後にVulfpeckを結成する、Jack Stratton、Thoe Kaztman、Joe Dart の3人と出会う。また、Vulfpeckで一緒に演奏することになる、Joey Dosik、Antwaun Stanley との出会いもあった。
Leo : Apparently Theo Katzman went into the jazz school as a drummer apparently. Joey Dosik also went to revolutionize the saxophone, you're all there you buy the same age same class? Woody : Now the was a senior when I was a freshman. Joey was either a senior grad within the same year I think this year. So they were like super quality member at you know college still has that difference between seniors and fresh total it's less than high school but like they were in another world. 記者:Theoはドラマーとしてジャズ科に入って、Joey Dosikもサックスで革命を起こしたと聞いています。みんな同じ年齢で同じクラスだったのですか? Woody:いや、僕が1年生の時にTheoは4年生で、JoeyはTheoと同い年だと思ったな…彼らは大学では超優秀なメンバーだったんです。 大学では4年生と新入生の差が大きいから……彼らとは別世界にいた感じでした。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
そしてWoodyは、メンバーの皆と出会ったのは、彼がブッキングの仕事をしていた、学内の カンタベリー・ハウス という、小さな教会のような会場 だった、と語っている。
カンタベリー・ハウス 画像出典:https://www.michigandaily.com/section/statement/you-cant-bury-canterbury-part-2
ミシガン大学のカンタベリー・ハウスは全米でも一定の評価をされている会場で、過去にも有名なミュージシャンがたくさんライブを行っている、由緒正しい施設だ。
In the 1960s musicians such as Joni Mitchell, Richie Havens, Gordon Lightfoot, The Byrds, and Janis Joplin made Canterbury House one of the finest intimate venues in the United States. The Students for a Democratic Society, with leaders like Alan Haber and Tom Hayden, met in the House’s basement to plan actions in protest against the Vietnam War. In the current decade, Canterbury House has hosted musicians such as Michelle Chamuel, Theo Katzman, and Joey Dosik, as well as harboring the Student Union of Michigan, a campus activist organization.1960年代には、ジョニ・ミッチェル、リッチー・ヘイヴンズ、ゴードン・ライトフット、ザ・バーズ、ジャニス・ジョプリンなどのミュージシャンがカンタベリー・ハウスをアメリカで最も親密な会場の一つにしていました。 さらに、アラン・ヘイバーやトム・ヘイデンのようなリーダーを擁する学生たちは、ベトナム戦争への反戦活動を計画するために、カンタベリー・ハウスの地下室に集まりました。ここ最近の10年間は、カンタベリーハウスは、ミシェル・チャミュエル、Theo KatzmanやJoey Dosikなどのミュージシャンを招いたり、ミシガン州学生連合を擁しています。(出典:https://www.canterburyhouse.org/about )
Allegra : Do you remember what your first meeting with each of the vulfpeck guys was ? Woody : I guess... I met... not really... people, they have told me... we met at canonbury house. I definitely met Theo when I was visiting the school. And Jack and Joe and I met at a Canterbury house. I used to work there's that during the concert series. Allegra : Yeah. So that was like a venue on campus? Woody :Yep. A church. Allegra : What kind of shows Did you book there? Woody : Lot of different stuff. You know, it's interesting stuff. Allegra : Do you remember like the best show that you, you put on there? what was it? Woody : Joey Dosik. For sure, yeah he always brought the house down there. Allegra : So you know when booking a show, what kind of experience, did you were you trying to create since it was not really a traditional venue. Woody :Yeah, it was a very small quiet place. So you know, there is the potential to be very moving intimate experience everyone always says, intimate. 記者:Vulfpeckの皆との、最初の出会いは何だったか覚えてますか? Woody:確かじゃないんだけど…たぶん、私たちはカンタベリーハウスで知り合いました。学内でTheoに会ったのは間違いありません。そしてJackとJoeとはカンタベリー・ハウスで。僕は以前はそこで働いていたんだ。 記者:学内の…キャンパス内の会場(veune)みたいなところだったんですね? Woody:ええ、教会でした。 記者:どんなショーをブッキングしていたんですか? Woody:いろいろ…いろんな面白いものを。 記者:あなたがブッキングした、最高のショーを覚えていますか。 Woody:(即答)Joey Dosikです。 彼はいつもあそこに「The house」(自分の空間)を持ってきていました。(出典:「Interview with Woody Goss 」)
Leo : And how did you get brought into what would become the vulfpeck full ? Woody : I booked concerts at a church concert series and that turned out to be a very fortunate thing for my future because that's where I met Joe and Jack. And you know people everybody in the music scene with an an Arbor would come there to see shows and to play for their friends and you know theo played their solo, groove spoon played there. And I always side Jack standing in the back of the room kind of like eye balling everybody's saying what was working. 記者:どのようにしてVulfpeckが全員出会ったのですか? Woody:私は教会でコンサートのブッキングをしていたのですが、それが私の将来にとって、とても幸運な出来事でした。 アナーバー(ミシガン大学のある土地)の音楽シーンでは誰もがショーを見に来たり、友達のために演奏したりしていて…Theoがソロを演奏したり、Groove Spoon(当時のJackのバンド)がそこで演奏したりしていました。 そして僕はいつもJackが部屋の後ろに立っていて、外側からステージがどのようになっているか伝えているのを見ていました。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
これと併せてJoe Dartのインタビューを聞くと、(恐らく)カンタベリー・ハウスで行われたGroove Spoonのライブが、初めて4人が一同に会し、また会話を交わした夜であったということが分かる。
Theo and I met at the first groove spoon show. I was a member of the band, and in groove spoon and also had Antwan Stanley. First show, I met Theo, and he just, he was freaking out, you know. Theo, Woody and as anyone would seeing Antwaun. And I mean, I was freaking out and so yeah we hit it off and pretty pretty shortly thereafter I played with Theo for the first time. And, yeah, it was just very organic and it was at a group spoon show that I first met Woody. (筆者注 Joe Dart:)TheoとはGroove Spoonの初ライブ で知り合うことができた。僕はバンドメンバーで、そこにはAntwan Stanleyもいた。その夜に客として来ていたTheoに会ったんだけど、彼は、とんでもなく興奮しまくっていた(笑)。Theo、Woody、そして誰もがそうであるように、皆がAntwan Stanleyのヴォーカルに驚いていた。僕自身もライブで興奮してたから意気投合して、その後すぐにTheoと初めて演奏したんだ。そして、同時にとても自然な流れで、同じ夜にWoodyとも出会ったんだ。 (出典:「interview w/ Joe Dart」)
そして、最初にGroove Spoonのライブを見たときから、WoodyはJoeのグルーヴの素晴らしさに心奪われていた。
Woody : I remember Joe because I was really into funk stone and you know the groove is always the rarest thing. And there was strong in that one. Woody:Joeのことは覚えているよ、僕は本当にスライのファンクにハマっていたからね。 グルーヴは常に最もレアな(珍しい)ものです。彼にはとても強いグルーヴがありました。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
そして、別記事でJoeの経歴の箇所 でも書いたが、当時、ミシガン大学音楽学部では、「My Dear Disco」 という、有名なバンドが活動していた。彼らは大学を飛び出し、アメリカをツアーし、地元のスターだけではなくなっていた。
このバンドに当時Theo Kaztman 、Joey Dosik が在籍しており、そのショーを観たJoe Dartがバークリー大学進学をやめてわざわざミシガン大学へ入学、そのままMy Dear Discoのメンバーになってしまったという流れがあった。
このバンドとWoodyの関係はあまり語られていないが…
実はWoodyは、My Dear Discoの大ファンであり、しかも追っかけだった。
Woody : We part of the my dear disco scene also or that was a separate thing. I was in the audience. True fan of mitre disco I would get out to. I would leave Ann Arbor to see them. Leo : And that was the band that Joey and Theo and Joe dart were in. Woody : Yeah and Tyler who I was still friends with and I'm gonna record with soon. I love that band and Mike Shea on drums. When I first got to college and I heard them I was like holy moly these are people not too much older than me making music on a really high level. Woody:私たちは「My Dear Discoシーン」の一部でした。私は観客の中にいたし、バンドの大ファンでした。 彼らの遠征ライブを見るために、一緒にアナーバーを離れて付いていきました。 記者:それはJoeyとTheoとJoeがやっていたバンドですね。 Woody:ええ、Tyler(My Dear Discoのリーダー)とはまだ友達だし、もうすぐ一緒にレコーディングするつもりです。 僕はドラムのMike Sheaが大好きなんです。大学に入って最初に彼らを聴いた時、僕とそんなに年が離れているわけでもないのに、ハイレベルな音楽を作っている人たちだと思って、その界隈に僕も参加したいと思いました。 (出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
そして、さらにWoodyはJackに呼ばれて、JackとJoeが在籍していたGroove Spoonでも弾いている。これは当時のセッションの様子を語るJackだ。
“It’s so soulful,” said Stratton of Goss’ playing. “He approaches piano very different from me. Where I’m kind of a parts player, he won’t play the same part twice any given take.” JackはWoodyについて「とてもソウルフルだよ。彼は私とはピアノのアプローチが非常に違うんだ。彼は同じ個所を毎回違うように演奏してみせた 」と語る。(出典:http://tomorrowsverse.com/story/who-is-vulfpeck-27695.html)
WoodyがVulfpeckに加入する前のストーリーはあまり各所で語られていないが、実は加入前から、他メンバーの在籍するバンドと親密な関係にあった のだ。彼はすでに、十分他のメンバーと顔見知りだったのである。
そして2011年初頭。Jackの大学の友人、Jake Birchの卒論を手伝うために、Jackは信頼できる3人のミュージシャン――Theo Kaztman、Joe Dart、そして卒業を控えていたWoody Goss をメールでデュダーシュタット・センターに呼び寄せる。
We were all living in Ann Arbor, more or less in the music school. We were pretty spread out, age-wise, A friend in the music school wanted to do a session in the Duderstadt (Center). … He sent out an email, and I’d had an idea for a rhythm section called Vulfpeck, which came from reading this (Audio Engineering Society) magazine article, an interview with Reinhold Mack, who’s this German recording engineer. The idea was, we were his rhythm section, doing some kind of German version of Motown, and we’d channel that era of the live rhythm section. No one really understood it, so I also sent a long interview about the song “I’ll Take You There,” by The Staple Singers. No one knew about Muscle Shoals (Rhythm Section, featured on the song), so no one read it. But when we got in the studio, it all became clear, and since then, it’s become much more clear. Jack:僕たちはみんなアナーバーに住んでいて、みんなで音楽学校に通っていたんだ。学校の友達がデュダーシュタット・センターでセッションをしたいと言ってきた。彼がメールを送ってきて、僕はVulfpeckというリズムセクションのアイデアを思いついたんだけど、それはAudio Engineering Societyという雑誌の記事、ドイツのレコーディング・エンジニアであるReinhold Mackのインタビューを読んだ時に思いついたんだ。 この時のアイデアは、僕らがReinhold Mackのリズム・セクションになって――その時代のリズム・セクションを再現して、例えばドイツ版モータウンのようなバンドを作る、というものだった。でも誰もそれを理解してくれなかった。 仕方なく、The Staple Singersの "I'll Take You There"という曲についてのロング・インタビューも送ったんだ。でもMuscle Shoals (この曲でフィーチャーされているリズム・セクション)のことは誰も知らなかったから、やっぱり誰も読んでくれなかった。 でもスタジオに入ってみたら、みんな一気に理解してくれて、そこからはずっとその調子だ。(出典:https://www.mlive.com/entertainment/ann-arbor/2014/05/vulfpecks_jack_stratton_talks.html)
Woody : It was Jack emailed us, with some weird stuff about the German rhythm section. It's just like what is he talking about. But I was like these guys are really solid and yes the funny thing is when I was twenty or nineteen or whatever it was back then I was willing to get my fender Rhodes keyboard to the studio for free. Woody:ジャックがメールをくれて、そこにドイツのリズムセクションについての奇妙なことが書かれていました。このひとは何を言っているんだろうって思いましたよ。 でも彼らは本当にしっかりしていて、面白いことに、まだ僕が20歳か19歳かだったと思うけど、その時フェンダーローズ(エレクトリックピアノ)をスタジオにタダで持ってきてくれたんです。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=hNn9_NMaW5k
このときのセッションで「Beastly」が生まれーーそして同時にVulfpeckも誕生した。
(ここのストーリーは、私の過去記事で詳細にまとめてあるので、そちらをご覧いただきたい👇)
いよいよ結成されたVulfpeck。ここからは、結成以降のWoodyの経歴と、彼のVulfpeckへのコメントをまとめていきたい。
Woodyの経歴 [2] Vulfpeck結成後 Vulfpeckの2ndアルバム「Vollmilch」。左がWoody、右がJack 。 画像出典:https://vulfpeck.bandcamp.com/album/vollmilch
Woodyは初期のアルバムから積極的に作曲に参加しており、Vulfpeckの方向性にも理解が早く、またJackを特別に思う気持ちも持っていた。この頃からすでに、彼のVulfpeckでの「サイドマン」としての役割は発揮されていたように思う。
Leo : It turned out to be some of the same stuff the Jack was into an excited about... Woody : Yeah we both loved funk and groove yeah I don't think it none of none of us were thinking about creating something that large I don't think. 記者:そして、あなたはジャックと同じものに興奮していることが分かってきた…。 Woody: ええ、私たちはファンクとグルーヴが大好きだった んです…私たちの誰もが、当時はここまで大規模なバンドを作ろうとは思っていなかったはずですよ。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Woody : I think that Jack was the right person for his time and place that embodied a lot of things that resonated with a lot of people and you and he was the specific personality types to not have some of the fears that a lot of us have and to take more risks. and to be driven and that combination was just you know I he reminds me of jobs I know it wasn't making an iPhone but. Did you ever do that jobs autobiography ? It's just very much you see a person that embodies a lot of things of their time of their generation. And you know, he was a hippie. That got into computer. hahaha... Isn't his like boom and Jack is like this. It was this online guy, who got into minimalist funk music and design and videos you know like thirty second videos. Woody:Jackは多くの人の心に響くような様々な物事を体現していて、また多くの人が持っている恐怖心を持たず、より多くのリスクを取ることができる、特定の性格のタイプの人だったと思います。Jackは私にスティーブ・ジョブスを思い起こさせます …彼はiPhoneは作っていませんけどね笑。 ジョブズの自叙伝を読んだことはありますか?あの本では、世代や時代を超えた多くのものを実現している人物に触れることができます。ジョブスはヒッピーでしたね。彼はコンピュータを専門としていて…彼のハマり方と、Jackのは似ていると思います。Jackはオンライン・ガイ。ミニマルファンクと、30秒ビデオの制作にハマったオンライン・ガイです。 (出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Jackとジョブスを同じカテゴリに入れるWoody。ここまでの高評価をメンバーが行っているというのも、実に素晴らしい。本当に、彼らの関係性が良いものだと思わされる。
…そして、Vulfpeckは「Mit Peck(2011)」 、「Vollmilch(2012)」 、「My First Car(2013)」 、「Fugue State(2014)」 を発売。
一年に一枚のアルバム発売のペースだったが、この頃はVulfpeckはまだ有名ではなく、誰にとっても深刻なキャリアではなかった。
Woodyはこの頃、大学を出て、ミュージシャンになることなく、さまざまな仕事をしていたという。
Leo : What did you do after you graduate from college. Woody : I stayed in Ann Arbor I I lived at a very interesting. Kind of art collective space was called "Arbor vitae". And there I met a lot of interesting people who expanded my musical and artistic horizon. So I did that I worked with the mentally ill people for awhile I did direct care work. Leo : What is that ? Woody : So my job there these are people who suffered from mental illnesses to the point that they could live by themselves, but they needed other people to help them with things like grocery shopping and remembering to take medications, and traveling to the doctor and things like that so I would do all of those things. And then also help them trying to figure out what they want to do with their lives and but with their time and to try and do something for filling in. Leo : Was there a musical aspect of it? Woody : Yeah there were some good piano players they were clients. Leo : Would you play for them ever? Woody : I play for them they would play for me yeah that was great that was a really beautiful part of the job. 記者:大学を卒業した後は何をしていましたか? Woody:最初はアナーバーに住んでいたんですが、とても面白いところに住んでいました。「Arbor vitae」と呼ばれるアート集団のスペースで、そこでは、私の音楽的、芸術的な地平線を広げてくれた多くの興味深い人々に出会いました。それで、しばらくの間は精神疾患の人たちと一緒に仕事をしたり、介護の仕事をしたりしていました。 記者:というと? Woody:精神的な病気を患っていて、一人で生活していても、食料品の買い物や薬の飲み忘れ、医者への移動など、他の人の助けが必要な人たちのために働いていたんです。 記者:音楽的な側面もありましたか? Woody:そうですね、患者さんの中には、素晴らしいピアノ奏者もいましたよ。 記者:その仕事で演奏することはありましたか? Woody:私も彼らのために演奏したし、彼らも私のために演奏してくれました。あれは素敵な仕事でしたね。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
Leo :Did you go somewhere after that? Woody :I moved to Texas. For ten months I tried to do more care working night I was about to do grad school in neuroscience that was my goal. I was really into the mental illness treatment and music I guess there's something in there and evolution and like. I wanted to be in school if the band didn't work out I'd be some academic doing something. but I was volunteering in the hormone lab where I was like slicing up my sprain singing mice and then I was in a cognitive psych lab doing these horrible computer experiments with people and then not quite all that and went back to and I lived in Ypsilanti. 記者:その後はどこかに行かれたんですか? Woody:テキサスに引っ越しました。そこで10ヶ月間、夜間介護の仕事をしながら、私の目標だった神経科学の大学院に行こうとしたんです。精神疾患の治療や音楽に夢中になっていたんだけど、そこには何かがあるんじゃないかと思っていて、進化とかそういう物事にも興味がありました。もしバンドがうまくいかなかったら、何かアカデミックなことをやっていたいと思っていたんです。 ホルモンラボでボランティアをしていたり、認知心理学のラボでコンピューター実験をしたりしていました。そして最終的にはそれらを辞めて、イプシランティ(ミシガン州)に戻りました。(出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
そしてこのあたりで、Vulfpeckは「Sleepfy (2014)」が有名になったことで注目される。
バンドは軌道に乗り始め、2015年のインタビュー で、ようやくWoodyはプロのミュージシャンとして生活を始めたと語っている。 この2015年のインタビューでは、ほかに自然史博物館、テキサス大学の認知心理学と内分泌学の研究室(これは上記インタビューの内容)、物理学、数学、ピアノの家庭教師の仕事もしていたと語られている。(出典:https://medium.com/@DeeHaze24/can-t-fake-the-funk-b9bddcdfaf80 )
Vulfpeckには全員キャラクターができあがっており、Jackは赤いラガーシャツ、Theoはタンクトップ、Joeは黒いシャツにサングラス。そして、Woodyはメンバーが「プロフェッサー・ゴス(P.G.)」 と呼ぶ、「教授」的なキャラクターが確立しているが、それは彼のこういった職歴によるものだろう。
Vulfpeckは2015年から飛躍し、「Thrill of the Arts(2015)」、「The Beautiful Game(2016)」、「Mr. Finish Line(2017)」、「Hill Climber(2018)」 をリリース。
The Beautiful Game(2016)より 画像出典:https://vulfpeck.bandcamp.com/album/the-beautiful-game
これらのアルバムでは、Theoや他のゲストのヴォーカルの曲が増えたことでWoodyが作曲する曲の割合が減ってきてしまうが、それでもWoodyは、ここからVulfファンを虜にする曲を生み出した。
ご存知、「Dean Town (2016)」と「Tee Time (2017)」だ。
この時期はVulfpeckのアルバムに収録される以外の活動をいくつか行っており、実は彼の演奏は探せばけっこう聴くことができる。しかし、長くなりすぎたので、この時期については次回の記事(Woodyの参加作品紹介)で触れていこうと思う。
ウッディは今はシカゴに住んでいるため、Vulfpeckのメンバーはバラバラだ。JackとTheoはロサンゼルスに、Joeはミシガン州アナーバーに住んでいる。
ロサンゼルスとシカゴの距離は3000km以上。つまり、Vulfpeckはリハひとつ行うにも飛行機が必要なバンド で、これだけの成功を収めながらも、彼らが実際に会っている日数はとても少ないが…。
しかし、彼らにとって、距離は問題ではない。
They're like a family that I see you very infrequently basically but yeah when we do get together it's great. 彼らは家族のようなもので、基本的には滅多に会うことはないんだけど、一緒にいるときはとても楽しいよ。 (出典:https://www.third-story.com/listen/woodygoss )
彼らのこういった関係、そして、Woodyの穏やかな性格が、これからも続いていってくれることを、ファンとして切に願う。
趣味:バードウォッチング そして、最後に。もう少しだけお付き合いいただきたい。
Woodyの趣味、バードウォッチングについてだ。まさかそんな朴訥な趣味が…と思ったが、
ヒントはたくさんあった。
楽曲、「The Birdwatcher」 (これもWoodyの作曲)。
そして、なぜかいつも鳥が描かれたTシャツを着ている。
あの写真も、この写真も!何種類Tシャツを持ってるんだ!
よく見たら、この写真も鳥だった!!!
ということは…
マディソン・スクエア・ガーデン・ライブでの衣装!
このシャツも同じシャツ!!
鳥だった!!!
他にも、「It Gets Funkier IV」、「Barbara」、「Outro」など、実はいろんな曲で鳥を着ている。ぜひWoodyを動画で見かけたら、今後は「鳥かどうか」を、まずご確認いただきたい。
しかも・・・Woodyは自分のミュージシャンとしてのHPは開設していないが、バードウォッチングのページは開設している。
その名も、「 Woody’s Nature Walks」。
画像出典: 「Woody’s Nature Walks」 http://woodysnaturewalks.com
Welcome to Woody’s Nature Walks! Learn the basics of birdwatching with a fun and low-key guided tour. Email Woody to get more info and set up an appointment. While currently operating out of Chicago, IL, Woody travels and may be able to do a tour in your home town! Check out his upcoming locations here. 「Woodyのネイチャーウォーク」へようこそ!バードウォッチングの基本を楽しく控えめなガイド付きツアー で学びましょう。詳細と予約はWoodyにメールでお問い合わせください。 現在はイリノイ州シカゴを拠点に活動していますが、あなたの地元でもツアーを開催できるかもしれません。ここで彼の今後の場所をチェックしてください。(出典: 「Woody’s Nature Walks」 http://woodysnaturewalks.com/)
Woody has been taking people on bird walks for more than a decade and has done birding trips to five continents. He loves to help people build relationships with the living world around them, a world often obscured by growing human impacts. When he’s not out in the woods, he can be found playing in the house rhythm section for Vulf Records, where he has appeared on tracks such as "Funky Duck" and "Birds of a Feather."ウッディは10年以上にわたって人々をバードウォッチングに連れて行っており、これまでに5つの大陸でバードウォッチングの旅をしてきました。 彼は、人間社会が大きくなったことで見えなくなってしまいがちな、周りの生きものの世界との関係を築く手助けをすることが大好きなのです。森に出かけていない時 は、Vulf Recordsのハウス・リズム・セクションで演奏しており、"Funky Duck "や "Birds of a Feather "などの曲を演奏しています。(出典: 「Woody’s Nature Walks」http://woodysnaturewalks.com/)
もうお気づきだと思うが、これはWoodyがガイドを務めるバードウォッチングのツアーのHPだ。
ということは、である。当然、Vulfpeckのファンがたくさん参加している。
彼が本当に求めているファンとの交流の場所は、SNSではなかった。 それは、オフラインで、自然の中で行われていたのである。
彼は、SNSに投稿する必要などなかったのだ!
(👆ライブの数時間前、ファンと一緒にバードウォッチングをするWoody。それを投稿するファンのinstagram)
このバードウォッチングツアーのきっかけなどは、彼のインタビューで語られている。
Allegra : You know really into birds so how did that start for you? Woody : When I was a kid I liked animals, a lot of kids do. And then, I got distracted during puberty. And then, in college I had a great classes a great teacher who took me back, camping backpacking in Texas for class. The cool class Joe Trumpy eco Explorer is sort of what's called. Yeah. Really cool. So yeah, he was a bird guy and he showed me a painted birds and I was like, "ooh", and so I got back into it. And it turns out it's just like, I'm just made for it.It's like all these tiny little differences in songs and colors and proportions and. Allegra :Yeah, that's awesome. So where are your favorite places to birdwatch out here, or elsewhere? Woody : So yeah, after moving back here I had a really great surprise that there's like the best birding place in Illinois, right down the street from where I live, oh the mantras point bird sanctuary. And so I go there very frequently. And...... Allegra : Yes, Yes! go ahead! Woody : I'm starting a guide business, actually, and you can look me up at "Woody's nature walks.com". And I'm going to be taking people out there to learn how to birdwatch is inspired by Jean Wiens charter fishing company. 記者 : あなたが鳥が好きになったきっかけは? Woody : 子供の頃、動物が好きだったんです。 思春期には一度興味を失ったけど…大学では素晴らしい先生の授業を受けることができました。 「Joe Trumpy Eco Explorer」というクールなクラスがあったんです。彼は鳥の専門家で、素晴らしい鳥の絵を見せてくれて、そのあたりからまた夢中になりました。そして、僕にはバードウォッチングが向いてるってことがわかりました…鳥には歌声や色、姿かたちなど、それぞれ小さな違いがあるんです。 記者:お気に入りのバードウォッチングのスポットはありますか? Woody:ここ(筆者注:シカゴ)に引っ越してきてから、僕が住んでいるところのすぐ近くに、イリノイ州で一番のバードウォッチングスポット、マントラ・ポイント・バード・サンクチュアリ があるんだ。そこには頻繁に行っています。 それで......(耳打ちするしぐさをする) 記者:…どうぞ! Woody:(本当に楽しそうに)実はガイド業を始めたんです! "Woody's nature walks.com "で調べてください。バードウォッチングの方法を教えるために、みんなを外に連れて行くつもりだよ。実はジーン・ウィーンズのチャーターフィッシング会社 にインスパイアされて始めました。(出典:「Interview with Woody Goss 」)
これはWoodyがバードウオッチングのガイド業をしている様子を紹介したビデオだ。
ご覧いただきたい、この表情!
画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=1PrKaWwwQHY
まるで水を得た魚のように活き活きとしている。これがWoodyの真の姿なのだ。Vulfpeckのライブでも、なかなかここまでの笑顔は見せてくれない。ぜひ来日したら…日本でも、バードウォッチングをやってほしい。そのツアーも、きっと最高に楽しいものになるだろう。
SNSを使わずに、ジャズ、ファンク、そして…バードウォッチングが大好きな男、Woody Goss。
いかがだっただろうか。私と同じように、あなたも彼の魅力にお気づきになっていただけたら幸いである。
次回は、「Woody Goss解体新書」の続きとなる。彼の参加作品について触れていくことにしよう。
トップ画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=Q34Hw3vYTcA
◆著者◆ Dr.ファンクシッテルー
イラスト:小山ゆうじろう先生 宇宙からやってきたファンク研究家、音楽ライター。「ファンカロジー(Funkalogy)」を集めて宇宙船を直すため、ファンクバンド「KINZTO」 で活動。
◇既刊情報◇ バンド公認のVulfpeck解説書籍 「サステナブル・ファンク・バンド」 (完全無料)
ファンク誕生以前から現在までの 約80年を解説した歴史書 「ファンクの歴史(上・中・下)」