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窓しめ当番〜小学校の放課後
小学校で働いています。
先日、たそがれ先生という方の、「コーヒー当番」というのを読みました。
たそがれ先生の話は、コーヒーを淹れる当番なるものがあって、毎朝、職員の全員の分の飲み物を用意しなければならなかった、という話です。
悪しき風習か、よいコミュニケーションをとるために必要なことか。
自分のことは自分でするのが当然なので、いい風習とは言えないでしょうが、コミュニケーションのためには必要であったのかもしれません。
それを読んでいて、私も思い出しました。
それは、私が小学校に勤め始めた頃、戸締りの当番があったことです。
正式名称は忘れましたが、とにかく、当番になれば校舎中の窓が閉められているか、特別教室の鍵がかかっているか、確かめるというものでした。
窓が開いていれば、夜に不審者の侵入があるかもしれず、また特別教室は薬品や楽器などの危険なものや高価なものがあったりするので、戸締りは必ずしなければなりません。
学校や地域によっては校務員さんがやってくださるところもあるでしょうが、私が勤務した自治体は、職員がするというものでした。
放課後遅くまで教室で仕事をする教員もいるので、校務員さんに全てを委ねるのも難しいこともあったからかもしれません。
学校の窓というのは、結構、数があります。
廊下も長いです。
特別教室(音楽室、理科室、図工室、調理室)その準備室。学校によっては第二理科室やらもあるし、体育館もあります。体育館は窓だけで16から20ヶ所あり、毎日、それを閉めるだけで大変です。
窓閉め当番になると、体育館の窓が開いていると、泣きたくなります。
廊下も1階2階3階とあると大変ですし、また廊下は東廊下だとか西廊下だとかありますから、閉めて歩くだけで30分以上かかります。
こちらは、さっさと仕事を終えて保育所に迎えに行かなければならない身の上です。
そうでなくとも、テストの採点が残っているとか、明後日は研究授業だとか、来週は参観日があり、掲示板に子ども達の絵を貼らなければならないとかの仕事があります。
窓閉め当番の時は、走りながらその仕事をしていました。
もっとあとに、教頭先生や学校管理の先生が戸締りを見回ってくださるのかもしれませんが、とにかく、自分が当番の時は、その30分から40分を絞り出す仕事のやりくりをしていたわけです。
でも、よくしたもので、その頃は、職員みんなが窓閉め当番を経験していましたから、自分の使った部屋やその近くの廊下は、必ず閉めておくように心がけていました。
体育館も使ったら閉める。理科室も音楽室も使ったら閉める。
廊下も放課後歩いていて開いているのに気がついたら、閉める。
体も心も、後の仕事をする人の事を考えて動くようになっていました。
でも現在、窓閉め当番は教頭先生の仕事になっています。
一応、使ったら閉めるのは不文律ですが、放課後の教室が全開の教師もいます。
電気もつけっぱなし、何なら、エアコンも止めていません。
通りかかったケチン坊の私は、環境保全の立場から、電気とエアコンは切るようにしていますが、人の教室に勝手に入っていいのかなあ、と思ったりして、なんだか悪いことをしているような気になっています。
窓閉め当番、よかったのか、悪かったのか。
自分も、使った教室のそばの廊下の窓、閉め忘れていることもあるので、人のことは言えないのですが、ね。