
株式投資には向かなかった ④アベノミクス開始
執筆日:2024年12月21日
2012年末、日本の経済政策が大きく動きました。政権交代とともに新たな金融緩和政策が打ち出され、その影響で株式市場が活気を取り戻したのです。当時の日本経済は長い停滞期から抜け出そうとしており、市場には明るい期待感が広がっていました。
私もその波に乗ろうと再び株式投資を始めることにしました。特に注目されたのは、不動産や金融関連の銘柄でした。これらは政策の追い風を受けて次々と値を上げていき、市場全体が好調な時期が続きました。
このころは既に、手数料の安いネット証券を活用していました。買った後、株価は上がり、チャートは次々と新しい高値を描きました。画面に表示される評価益が日を追うごとに増えていき、暇があれば評価益を眺めるのが日課になりました。その高揚感は、まるで自分が市場に勝利しているかのような錯覚を生み出していました。
保有株の評価益は月収をあっという間に超え、「働くのがバカバカしい」と思ってしまうほどでした。今振り返ると、このときが最も危うい状態でした。「永遠に上がり続けるのでは?」と、あり得ないことを頭で妄想していました。
しかし、株式市場はそんな甘いものではありません。ある日を境に、私の保有株の価格が急に下がり始めました。その銘柄自体には目立った悪材料はなく、業績も順調でしたが、市場全体が過熱感を覚えたタイミングだったのでしょう。売りが売りを呼び、いつの間にか、買値よりも下回り、評価損が表示されるようになりました。
日々、画面に表示された評価損を見るたびに、胸の奥に霧が立ち込めるようなモヤモヤした感覚でした。「また戻るだろう」と浅はかな希望を持ち続けた結果、売るタイミングを逃してしまいました。その後、我慢できずに損切りしたのもあれば、2年後くらいにようやく買値まで戻って売却したものもあります。再戦は、相場に翻弄されっぱなしで終わりました。
再戦は結局マイナスで終わりにしました。これだけ好調な相場で負けるとは、「自分には投資のセンスがないのではないか」と非常に落ち込みました。しかし、この経験から得た学びもあります。それは、目先の利益や短期の上下動に惑わされず、長期的な視点で投資に臨むことの大切さです。この頃(2015年頃)から、私はようやく長期投資に目を向けられるようになりました。
株式投資をしていると、成功や失敗が入り混じると思います。成功体験ばかりが語られる中で、自分の失敗が誰かの役に立てばと思い、こうして振り返りを書いています。
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