鬼滅の刃:煉獄槇寿郎(杏寿郎の父)に学ぶ人間心理 第1回 喪失感 大切なものを失ったとき

執筆日:2024年12月4日

1.導入 喪失感とは何か
人が大切なものを失ったとき、どのようにその喪失感と向き合うことになるのでしょうか?それは、誰もが避けて通れない人生の一部だと思います。
煉獄槇寿郎は最愛の妻を失ったことで、深い喪失感に襲われました。その影響は、彼の生き方を大きく変え、無気力に酒に溺れる生活へとつながっていきます。本記事では、槇寿郎のストーリを通じて、私たちが直面する喪失感ついて考察していきます。

2.槇寿郎が経験した喪失感
煉獄槇寿郎は、かつて鬼殺隊の炎柱として名を馳せた剣士でした。鬼殺隊の任務は過酷です。時には昨日まで一緒に笑い合った仲間が亡くなることだってあります。そんな槇寿郎を傍らで支える妻、精神的な支えとなる大切な存在がいました。
しかし、彼女を病で失ったことで、槇寿郎の心は崩れ始めます。それは単に愛する人を失った悲しみだけではなく、精神的な支えを失ったことでもありました。

3.喪失感が人間に与える影響
喪失感がもたらす影響は誰にでも起こり得るものです。大切な人を失うことは、私たちの心に次のような影響を与えることがあります。

  • 無気力
    槇寿郎が酒に溺れるようになったように、喪失感は人の行動を停止させることがあります。未来を考える気力さえ失わせてしまうのです。

  • 自己否定
    「もっと何かできたのではないか」という自責の念は、喪失感をさらに強めます。直接の描写はありませんでしたが、槇寿郎も妻を守れなかった自分を責めていたのかもしれません。

  • 社会との断絶
    喪失感により、周囲とのつながりを断ち、自分の殻に閉じこもる人もいます。槇寿郎が子どもたちに辛く当たった背景にも、こうした感情があったのではないでしょうか。

4.現代人における喪失感
現代社会では、最愛の人の喪失だけでなく、キャリアや人間関係の喪失、健康の喪失など、多様な形で喪失感が訪れます。
たとえば、長年の仕事を突然失ったとき、信頼していた人間関係が崩れたとき、あるいは健康を損ない、以前のような生活ができなくなったとき。こうした喪失感は、私たちの行動や生き方に大きな影響を与えることがあります。

5.喪失感と向き合うヒント
槇寿郎のストーリーは、喪失感に押しつぶされるだけでなく、それと向き合うきっかけも教えてくれます。彼は、息子の杏寿郎の遺言に触れたとき、酒を飲むのを寸前で止め、涙を流しました。この場面は、彼が心の中で「何かを変えたい」と思い始めた兆しを表しているように感じます。喪失感と向き合う際に考えたいのは次の2点です。
① 感情を受け入れる
喪失感を無理に否定せず、涙を流し、悲しむ時間があっても良いと思います。槇寿郎は、喪失感を消すため、強がったり、酒に溺れて、感情を抑え込んでいましたが、自分の中で悲しみを受け入れることで、心が軽くなり、一歩前に進めたのだと思います。

② 他者とのつながりを持つ
一人で抱え込まず、信頼できる人に話すことで、感情が整理されることがあります。槇寿郎は主人公と手紙を通じて、自分の非を認め謝罪したり、苦しかった胸の内を告白したりする描写がありました。これによって、彼は自分の感情を整理し始めることができたのだと思います。現代では、家族や友人に話すことが難しい場合もあるかもしれません。日記に気持ちを書き出したり、信頼できるカウンセラーに相談することも手段です。

まとめ
煉獄槇寿郎が経験した喪失感は、特別な話ではありません。私たちもまた、大切なものを失ったとき、同じような感情に悩むことがあります。

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