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キャッシュレス時代の新円、食糧難な時代の新円

執筆日:2024年11月16日
公開日:2024年11月16日

2024年7月、紙幣のデザインが20年ぶりに変わりました。たまたま現金が必要だったので、ATMで引き出したら新紙幣が出てきました。

正直に話すと、紙幣のデザインが変わることに対して興味を持っていませんでした。2020年にコロナ渦が始まって以降、私自身がキャッシュレス化を深化させていったことで、今ではほとんど現金を使わないからです。新紙幣のデザインどころか、旧紙幣のデザインすら記憶が怪しくなっていました。

新紙幣になるタイミングで「預金封鎖※」が行われるのではないかという噂もありました。理論的に実施することは可能でも、実施すれば経済や国民生活は大混乱に陥るので、政治家が実施の決断をするのは困難でしょう。

母方の祖母が存命の時に、「預金封鎖」によってどんなことが起きたのか、聞いたことがありました。祖母はその当時20歳前後という年齢でした。私が歴史の教科書で習った出来事を、祖母は実際に体験しているのですね。どんなやばい答えが返ってくるのかと思いきや、そんなに深刻そうな感じもなく、「お金が引き出せなくなってね~」の一言でした。

アレ?そんなもん?理由をあれこれ考えてみましたが、当時は食糧事情が非常に悪く、お金よりも食料のほうが貴重だったこと、祖母は地方の田舎に住んでいたこと、「預金封鎖」で一番影響を受けたのは富裕層であったことなどの理由から、現金が引き出せなくなっても、状況は大して変化なかったのではないかと考えました。

食糧難の時代だったので、その日生きるのも大変だったということは想像できます。人生でそういう体験をしてきた祖母は、生前良く言っていました。親族で一人くらいは農家をやった方がいいと。

※「預金封鎖」とは政府が経済を安定させるために取る緊急措置であり、国民の預金が一時的に凍結され、自由に引き出せなくなること。国家の財政が非常に悪化したり、インフレが急激に進行している状況で行われることがある。過去には日本でも第二次世界大戦後の1946年に実施された。

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