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【コラム】春菊

春菊は春に黄色の花を咲かせ、
葉の形が菊に似ていることから、
その名が付きました。

旬は11月から3月で、
この時期に収穫されるものは、
茎や葉が柔らかく、香りも高いです。

春菊は主におひたしや鍋物、
味噌汁の具材などにします。
サラダ用なら生食も可能です。

春菊は本草綱目に、
茼蒿(とうこう)という名で記載され、
心氣を安んじ、脾、胃を養い、
痰飲を消し、腸、胃を利すと、あります。

現代の薬膳食典によると、
春菊(食性食味/平辛甘、帰経/肝肺心脾胃)は、
精神不安や情緒不安を取り除く、
肝の熱を取り除く、胃を養い、
脾胃を和やかにする、
水分代謝の失調により生じた痰を取り除く、
肺を潤す、お通じをよくするように作用します。

さらに、春菊は豊富なβカロチンと
ビタミンCの相乗効果で、肌荒れやしみを予防し、
αピネン、ペリルアルデヒドなど多くの香り成分が
自律神経を整えるといわれています。

今は陰気が減り、陽気が増える陰消陽長の時で、
これから気温が徐々に上昇し、暖かくなります。
人間も自然界の変化に伴い、
陽気が満ちてきて活動的になってきます。

けれども、
陽気が人体の上部に上(のぼ)ったり、
春の季節の影響を受けやすい
肝の疏泄作用がうまくいかなかったりすると、
眩暈や高血圧、不眠やいらいら、
梅核気(咽頭部に梅のようなものがひっかかっているような異物感)、
食欲不振などが現れることがあります。

そんなとき、香り高い春菊を
取り入れてみるとよいでしょう。


毎月1日、15日に
名古屋・大阪 薬膳資格取得 一般社団法人 紡ぐしあわせ薬膳協会 (yakuzen.or.jp)
ホームページに、
薬膳コラムを書いています。
普段は薬局薬剤師として働き、
国際中医薬膳師、国際中医師、
紡ぐしあわせ薬膳協会の認定講師となり、
2017年2月よりコラムが掲載されています。

【薬膳コラム】「春菊」が、
2025年2月15日に更新されました。

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