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【コラム】スパイスはくすり
皆様の食卓にはスパイス、薬味といわれるものは何がありますか?
刺身にわさび、とんかつにからし、
うなぎに山椒、うどんに七味唐辛子、
ラーメンに胡椒、冷奴に生姜やねぎなど
お使いかと思います。
一昔前、香辛料は刺激物なので身体に悪い、
とらない方がよいといわれていました。
そうかと言えば、数年前は、
花椒や唐辛子などを
ふんだんに使ったしびれ鍋が
ブームになっていましたね。
スパイス、薬味などの辛味の食材は
発散、行気、活血の働きがあり、
邪気を散らし、気血の流れを促し、
肺、大腸、皮膚の機能を補います。
スパイスは香りづけ、味つけ、
カレーやパエリアなどの色づけに、
肉や魚の臭み取りなどに用いられ、
抗菌、抗かび、殺菌にも働きます。
スパイスのなかには生薬もあり、
茴香(ういきょう/フェンネルシード)、
鬱金(うこん/ターメニック)、
山椒、小豆蒄(しょうずく/カルダモン)は
芳香性健胃薬です。
桂皮(けいひ/シナモン)は
解熱、鎮痛、健胃に作用し、
頭痛、熱、のぼせ、風邪などによく、
葛根湯(かっこんとう)、
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、
小建中湯(しょうけんちゅうとう)など
汎用されています。
胃の冷えによい丁字(ちょうじ/クローブ)、
生姜(生薬名はしょうきょう/ジンジャー)は
主薬の柿蔕(柿のへた)に協力して、
柿蔕湯(していとう)という方剤となり、
しゃっくりを治します。
山椒、
乾姜(かんきょう/生姜を湯通しまたは蒸したもの)のスパイスと人参を配合した
大建中湯(だいけんちゅうとう)は
消化管を温める作用が強く、
おなかが冷えて痛み、
腹部膨満感のある方に有効です。
調味料としての役割だけでなく、
食薬ともなりうるスパイスを
うまく料理に取り入れると薬膳になりますよね。
身体に熱を持ちやすい方は
温めすぎるとかえってよくないので、
おひとりおひとりの適量を見極めましょう。
毎月1日、15日に
名古屋・大阪 薬膳資格取得 一般社団法人 紡ぐしあわせ薬膳協会 (yakuzen.or.jp)
ホームページに、
薬膳コラムを書いています。
普段は薬局薬剤師として働き、
国際中医薬膳師、国際中医師、
紡ぐしあわせ薬膳協会の認定講師となり、
2017年2月よりコラムが掲載されています。
【薬膳コラム】スパイスはくすりは、
2020年2月15日に更新されました。