熊本地震 一歩違えば死んでいた話。
2016年4月、熊本県を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。
当時、中学生だった私は、母と祖母の家に居た。その時、突然、経験したことのない程の揺れに襲われた。
一瞬、何が起こったか分からなかったが、母の「机の下に隠れて!」という声に導かれて、座敷用の机の下に潜り込んだ。
度重なる揺れが少し落ち着いたころ、母と祖母の無事を確認し、心を落ち着かせた。
家の中はめちゃくちゃになっていた。
塾に行っていた兄や会社にいる父、熊本に住んでいる親戚たちに連絡をとり、全員の無事を確認した。
その後、家族と合流し、家に帰ったが、祖母の家と同様に、中はめちゃくちゃになっていた。
部屋中に物が散乱し、ガラスの破片などを警戒して、靴を履いたまま部屋に入った。
被災時に必要なものをとり、車に積んだ。
そこから数日は、車の中で生活することになった。
家の中にいては、何かが倒れてきたり、物が飛んできたりするなど、危険が多いからだ。
初めの頃は、車全体が大きく揺れるという初めての感覚の中で生活することに違和感や驚きがあったが、次第に慣れてきた。
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