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嘘を許せない私

最近観た韓国の時代劇ドラマについて書いてみたいと思う。

このドラマは、私の中にあるドロドロした憎しみや怒りを、表面に浮き上がらせてくれた。

又、私の母の苦しみを思い出させてくれるドラマでもあった。

私は嘘が許せない。

ドラマのヒロインは実の父親は王様だとは知らない。

悲しい運命の果てにヒロインの母は、ヒロインを身ごもったまま、下働きの男性に助けられ、一人で王の娘を産む、その後その助けてくれた男性の献身的な愛を受け入れ結婚するのだ。

ヒロインの育ての父親となった男性は、耳も口も不自由な敵国の元刺客だった、妹も誕生して、家族4人で平和に暮らしていた。

ヒロインが19歳になった頃、悲劇が起こる。

両親は殺害され、ヒロインは妹を命をかけて守ろうと誓う、それなのに妹は姉を裏切ろうとしていた、母の遺言を利用して、姉の代わりに王の娘になろうと企んでいたのだ。

この妹の行為を私は許せない、両親と姉にあんなにも大切に愛されたにも関わらず、何故皆を騙して王女になろうとするのか!そうして妹は地獄へと堕ちていくことになった。

でも姉であるヒロインは、最愛の妹を見捨てられず、憎み切れず、最後まで妹を助ける方を選ぶ。

私には理解できない愛だ、私ならそんな妹を放置して自分の身を守るだろう、とにかく真実を周りの人に伝えて、自分が本物の王女だと主張して誤解を解こうとするだろう。

私は真実を隠して嘘をつき通すなんて凄く嫌なのだ。

相手を思う余りにつく嘘でも、その為に傷つく人はいて、後にそれが原因で悲劇が起こったりする。

確かに妹は繊細で上流階級の暮らしに相応しい容姿で、庶民の世界は場違いだと思うのだろう、それでも嘘で人を騙し欲しいものを手に入れようとするのは違うと強く思う。

私は優しい人を悲しませたくない、愛を注いでくれた人を裏切りたくない。

もう一つ、このドラマは親子の愛情を描いている、子どもを守ろうとする為に王は、敢えて実の子を王宮から追い出し、先代の王の子を自分の息子と偽り皇太子として育てるのだ。

その為に実の子から恨まれ、そこから悲劇を招くことになる。

私の母は、双子の弟を出産した、でも祖母と叔母と父は、母には内緒で子どもの無い叔母夫婦に1人を養子にすることを取り決めていたのだ。

母は騙されて大切な息子を取り上げられた。

でも私と残された弟を守る為に、我慢して受け入れ、心の中で養子になった息子を想い、隠れて泣きながら暮らし続けた。

このドラマを観て、母から聞かされた無念の数々を思い出した。

私は母の境遇から学び、自分の子ども2人を大切に守り育てることができた。

帝王の娘 スベクヒャンは、私の半生で味わった様々な負の感情と向き合わせてくれたドラマだった。

今の私は、見えている世界は私の思い込みが映像化した鏡の世界だと知っている。

子どもを失い苦しんだ母も、私に憎しみを感じさせてくれた元夫も、全部が自作自演の一人芝居だと理解している。

私が何故嘘を許せなかったのか?

自分が嘘つきだから、つまり自分を許せなかったのだ。

自分が助かる為に、自分を守る為に、自分が良い思いをする為に、自分を正当化する為に、私は子どもの頃から嘘をつきまくった。

そのことが原因で、一番大切な大親友と絶交することになった。

あんなにも私に愛情をかけてくれた両親を、私は自分を正当化する為に嘘をついて騙し続けた。

そして結局は離婚して、私は自立できず、両親からの援助に頼る生活をしている。

帝王の娘 スベクヒャンというドラマに登場する、悪魔な妹は、ある意味私だとも言える。

だからこそ、私の感情は揺さぶられヒロインの妹を憎悪したのだと思う。

この世界に本物の悪魔なんていない。

ちゃんと理由があって仕方なく悪魔になるしかないこともある。

私は嘘つきな自分を許せず、罰を与えて自分が得をすることの無いように、常に不運になるようにと願ってきた。

ドラマのおかげで、改めて自分を憎んでいたことを思い出せた、ドラマに出会わせてくれた宇宙に感謝している。

今ここで全部許そう。

私が嘘つきになったのは、この世界が恐ろしかったからだ。

地獄の世界を生きるには、人を騙してでも自分を守るしかないと思った。

もう幻想の悪夢から目覚めた私は、嘘つきな自分を卒業できる。

この世界は愛しかない素晴らしい世界だったのだから。


ここまで読んでくださって感謝します。

幸せをありがとうございます✴️






















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