【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜山科茄子〜[家庭料理](1065文字)
茄子が大好物の私には夏のご馳走の、山科茄子を鉄鍋蒸し焼きにしました。
山科茄子は、果実部分が、長円形か、ふっくらとした丸みのある卵型の、濃紫黒色で光沢のある、茄子としては中くらいの大きさの茄子で、古くから京都市の山科で栽培されてきた京野菜の一つです。
「京の伝統野菜」と「ブランド京野菜」に認定されています。
皮が薄くて歯切れが良く、水分が多く柔らかい肉質で、加熱調理すると、とても柔らかくとろける感じになります。
旨味が強く、煮物・焼き物・漬物にすると美味しく、京都で古くから親しまれている煮物の「茄子とにしんのたいたん」では最適な茄子とされています。
さて、調理です。
鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、縦方向に半分に切った、やや小ぶりの山科茄子4個分を並べて、鉄鍋の蓋をしました。
たいていの茄子は、鉄鍋蒸し焼きでは、そのまま鉄鍋に入る場合には丸焼きにするのですが、山科茄子は切ったほうが、淡い複雑な味や香りを感じられて美味しいので、切りました。
鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして37分間、火にかけました。
半分に切っているので、茄子の丸焼きの時の弱火で40分間よりも、時間を少し短くしてみました。
火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。
鉄鍋の蓋を開けたら、茄子の良い香り。
油が染みて斑模様になっていて、種のある部分が凹んだり盛り上がったりしていて、全体的に潰れていて、とても美味しそうです。
ただ、一部皮が剥がれてしまったので、もう少しだけ、時間を短くしても良かったかもしれません。
というわけで、盛り付け。
醤油を少量かけていただきます。
お味は。
とても美味しかったです!
何とも品の良い香り。
豊かな旨味。
噛むと、旨味が口の中いっぱいに広がりました。
果肉は意外としっかりしていて、ところどころ形が残りながら細かくなっていき、最後に感じられるのは、ねっとり感。
茄子の味に茄子の香りではありますが、普通の茄子に比べて、コクと深みがあります。
そして、甘味です。
茄子の味に茄子の香りではありますが、普通の茄子に比べて、甘くて、丸っこい感じです。
縦の筋は普通の茄子ほどではなく、普通の茄子よりは綺麗に食べられました。
山科茄子は本当に美味しいですね。
個性が強いわけではないから、美味しかったという記憶だけで、季節が終わると翌年まで細かいところは忘れてしまうのですが、食べると、じんわり、とても美味しいので、毎年感動します。
今年も食べられて嬉しいです。
山科茄子の鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。
ありがとう、ごちそうさまでした!