赤ちゃんが日記 48
僕にオレンジ色の「カボチャの服」を着せたでしょ、母。そして、「カボチャが付いたカチューシャ」を付けたでしょ。
で、スマホを向けて「笑って 笑って」って言ったよね。僕は絶対に笑わなかった。
「なんで笑ってくれないのよぉー」って言ってたけど、絶対に笑わなかった。
なぜ僕に「カボチャの服」を着せるんだよ?
僕をカボチャにしたいの?
僕はカボチャ畑から拾われてきたの?
わけが分からない。いったい、何をしたいんだよ。
どうやら「ハロウィーンパーティー」なんだって。でも、なぜ「カボチャ」にしたいのか?ぜんぜん分からない。仮装させたいってこと?面白い恰好をさせたいってこと?みんなで笑いたいの?
僕は「カボチャ」じゃない!
僕の希望は「デビル」。黒い服を着て、三角が先っぽについた尻尾をつけて、アタマには黒い三角のカチューシャがいいよ。服の襟の後ろは紫色。尻尾先の三角の裏も紫。それが刺し色になるのさ。これがいい。
赤ちゃんだからって、僕の意志も尊重してもらいたいからさ。だから絶対に笑わなかったのさ。そもそも、気に入らないコスプレを勝手にさせないでほしい。将来、大きくなって、大人になって、その写真を指さしてみんなで笑っても・・・僕の意志じゃないからね。もしかしたら、その時には「恥ずかしい気持ち」になるかもしれないんだよ。
考えてる?分かってる?「笑わない」のは、抗議なんだからね。
つづく
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