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たかが食塩水(芝中2023)
3つのビーカーには以下のような液体が入っています。
Aの液体は8%の食塩水、Bの液体は7%の食塩水、Cの液体は水です。
⑴3種類の液体の量をA:B:C=1:1:1の割合で混ぜると□%の食塩水になります。
⑵3種類の液体の量をA:B:C=1:2:□の割合で混ぜると2%の食塩水になります。
(注:⑴⑵のそれぞれの□にあてはまる数を求める問題です。)
多くの中学受験生は、5年生の夏頃から少しずつ比の考えを教わっていくと思います。すると、これまでに考えてきた問題を、比の考えによってとらえ直し、より大胆に発想のジャンプができるようになります。食塩水の問題はその代表的なものの1つです。
比の考えを食塩水の問題に応用するときに前提となるのは、複数の食塩水を「混ぜる」とは、それらに含まれている食塩の質量を合わせて「平らにならす」(=平均する)ことである、という考え方です。そして、これを図形的に認識する道具が面積図です(てんびん図についてはまた今度話します)。
今回取り上げるのは、「食塩水の濃度」「比」「平均」の関係を正しく理解しているかどうかを測る軽めの一題です。基本の理解は大丈夫ですか?
(解)
⑴A, B, Cの液体が同量ずつ混ぜあわされるので、できあがった食塩水の濃度は、3つの液体の濃度の平均になる。よって、
(8+7+0)÷3=5(%).
⑵まず、AとBの食塩水を1:2の割合で混ぜてできる食塩水の濃度は
(8+7×2)÷(1+2)=22/3(%)
これにCの水を加えて2%の食塩水ができるときの面積図を描く。
![](https://assets.st-note.com/img/1703421470944-x8ApBjWE5H.png?width=1200)
すると、アとイの長方形のタテの長さの比は16/3:2=8:3であるから、ヨコの長さの比は3:8である。
よって、問題文の□にあてはまる数は
(1+2)×8/3=8 (終)
ひとこと
まずは今回のような基本的な問題を十分に理解しましょう。易々と解けてしまった子は、ぜひこちらの本格的な(いささか本格的すぎる)問題にチャレンジしてみてください。