神戸かわさき造船これくしょん8

サークル「茶漬物語」は、8月15日(日)に神戸国際展示場3号館にて開催された「艦隊これくしょん ~艦これ~」オンリーの同人誌即売会「神戸かわさき造船これくしょん8」に参加してきました。

今回は同人誌の新刊として「艦娘短歌集vol.04 わたつみのやまとうた」を頒布しました。個人制作の同人誌レーベルとして「艦娘短歌集」シリーズを2年前から持っており、その4作目となります。今回の「艦娘短歌集」は、艦娘の名を詠み込んだ季節詠や、艦娘に詠ませる恋の題詠・相聞歌を収録した和歌集として仕上がりました。

メロンブックス様でもお取り扱いいただいております。ご興味がございましたらどうぞ。


また今回の神戸行きに際して、その旅すがらいくつか歌を詠むことができたので、以下公開します。


[飛行機から望む太平洋]
天の原うち出でて見ればわたつみの波にもまがふ沖つ白雲
――本歌:わたの原こぎ出でて見れば久方の雲居にまがふ沖つ白波(藤原忠通/詞花和歌集・雑下・382)

[空から見た奈良]
葛城や高間の峰のうす霞 雲居のよそより見るぞをかしき
――本歌:よそにのみ見てややみなん葛城や高間の山の峰の白雲(詠人不知/新古今和歌集・恋一・990)

[空から見た大阪]
難波江や短き葦の一夜(ひとよ)なる仮寝の夢に泊まりてしがな

[芦屋川]
芦屋川 葦の一夜の夢にのみ見てややみなん汝(な)がおもかげを
――参考歌:[空から見た奈良]に同じ

[御影山]
みかげ山かたぶく月のつれなきに過ぎがてに鳴くほととぎすかな

[葵]
あふち草逢瀬絶ゆればなかなかに見で過ぐす日ぞなほ恨めしき
(神戸市の街路樹の根元に葵が多く生えていたことによる)

[やっと神戸に来ることができた]
いま来むと言ひし契りをいのちにて今はた眺むる大輪田(おほわだ)の海
村雨や衣手ひつる涙川ゆく末の海を見むぞ嬉しき

[神戸の夕景]
海風はさびしさと共に吹きつらん 輪田の渚の朱色(あけいろ)の空
小夜嵐やみにし野辺の夕暮れに影うちそふる山の端の月

[蝉の声]
憂かりける世の苦しきにひくらしの生きかぬるとてなきわたるらん

【同人誌即売会「神戸かわさき造船これくしょん8」に寄せて】
ちはやふる神さぶる海の波の辺に千代にかはらぬ花ぞ咲きける
(折句……神/辺/かは/咲き(神戸かわさき))

[淡路島を初めて見ました]
幾夜経てつひに逢ひにし君なれば淡路の島も名のみなりけり

[明石]
朝ぼらけ一夜明かしの朝霧にほのけく残る有明の月
――参考歌:有明の月も明かしの浦風に波ばかりこそ寄ると見えしか(平忠盛/金葉和歌集・秋・216)

[生田の森]
村雨や雲間の日影さしそめて生田の森に秋風ぞ吹く

[秋声]
ひくらしの声かすかなる山里にあはれをさそふ秋風ぞ吹く

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