映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』について
こんばんは!
昨夜、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』を日本語字幕付きで観てきました。これは、聞こえない両親の元に生まれた、聞こえる息子 五十嵐大さんが実際に体験したことを映画化したものですが、素直にすんなり観ることができました。
素直にすんなり観ることができた
どういうことかというと、聞こえない人を主人公にしたテレビドラマや映画が、ここ数年一気に増えてきました。その影響もあって、手話や聞こえないことについて知ってもらう機会が増えたのは喜ばしいことだと思う反面、全てではないけれど、どこか美化して作られた感じに、いつも冷めた気持ちになってしまうことが多かったのです。
ドラマや映画の内容が良い悪いという意味ではなく、聞こえない当事者からすると、現実にはあり得ない話の作りに、逆に手話や聞こえない人に対する誤解が生まれるのではないかという、その違和感で観ているのが辛くなることもありました。
ですが、この『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は違いました。主人公の五十嵐大さんの過ごしてきた「聞こえる人たちのいる世界」と「聞こえない両親のいる世界」の間で揺れ動く気持ちが、とてもリアルに描写されていました。映画監督の真摯な姿勢が感じられた映画で、久しぶりに素直に観ることができたし、自然と涙もあふれてきました。
実話に基づいて制作するテレビドラマや映画は、編集や演出など見せ方を考えるのはとても大変だと思います。だけど、変に美化せずリアルにそのままを大切に作られた、この映画はいろいろな意味で私の心の奥深いところまで響きました。
「自分は何者なのか」を改めて振り返るきっかけにもなり、「自分の今いる世界、自分がこれまで生きてきた世界」にいろいろな想いを馳せることになった、有意義な時間になりました。この話は、また別の機会にしたいと思います。
この映画は、本当に一人でも多くの方々に観てほしいと思っています。そして、昨日の記事でも触れましたが、字幕付きの時間や期間を限定しないで聞こえない人たちも、聞こえる人と同じように自由に選んで観ることができるようにしてほしいという思いを強くして帰ってきました。
映画館で思いがけず再会した聞こえない仲間達も、字幕付きが限定されている中で、車の運転ができない聞こえない高齢者もいるので、みんなの都合を調整をして、何とか観に来れたと話していました。
字幕を通してテレビドラマや映画の内容を知ることができるというのは、いろいろな想いや感情を味わったり、身の回りの出来事などについて考えたりする貴重な時間(機会)に繋がります。そのことによって、その人の人生がより潤いのある豊かなものとなることもあるのです。
内容を知ることでより豊かな時間を過ごしたいという思いから、字幕付きの映画を探して観に行く聞こえない人たちの存在を、テレビや映画関係者、マスコミ関係者達には特に知ってもらいたいと強く思ったひとときでした。
そして、ある本が来年の映画化に向けて、今クラウドファンディングでみんなに呼びかけているということで、関係者に字幕と副音声(目の見えない人のための情報保障)をつけてほしいと呼びかけています。このことについても、またどこかで話題にしたいと思っています。
今日も、私の長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました🌈
ステキな日々に心からありがとうございます🌷