ラテックスアレルギー
天然ゴム(natural rubber latex)製品に接触することによって生じるじんましん、 アナフィラキシーショック、ぜん息発作などの即時型アレルギー反応をラテックスアレルギーといいます。
天然ゴムは、手袋、カテーテル・絆創膏などの医療用具のほかに、炊事用手袋、ゴム風船、コンドームなどの日頃から接触する機会が多い日用品に含まれています。
ラテックスアレルギーで最も多い症状は、じんましんです。
手袋を装着した部分に、かゆみや発赤、膨疹、水疱が生じ、全身性に広がり、アナフィラキシーショックに移行する場合もあります。
アナフィラキシーショックは、手袋、歯科用デンタル・ダム、バリウム浣腸用のカフ、コンドーム、交又抗原性を有する果物の摂取による例があります。
呼吸器の症状は、じんましんが全身に波及した場合や、手袋パウダーに付着したラテックスアレルゲンを吸入した場合に生じます。
米国食品医薬品局が1992年にラテックスアレルギーの注意を報告するまでに、アナフィラキシーショックによる死亡が15名、アナフィラキシーショックが1,000名以上報告されました。
医療従事者がラテックスアレルギーによりぜん息発作やアナフィラキシーを生じたために職場を変更せざるを得なくなった患者さんが欧米やわが国で多数報告され、訴訟の事例もあります。
アナフィラキシーショックによる死亡例の多くはバリウム浣腸用のカフによるものでした。
ラテックスアレルギーの治療は、現在のところ疑わしい物質からの回避しかありません。
診断がつけられれば、症状が進行しないように日常生活、医療用具に注意して、医師と具体的な回避の方法を考えます。完全に除去することができれば、過敏性の改善が得られる可能性があります。
最近では医療用具だけでなく日用品でもラテックスフリーの製品が増えていますので、ラテックスに感作された方はできるだけこのような製品を使用するように心がけてください。
<参考文献>
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