見出し画像

じんま疹

じんましんは、皮膚の一部がくっきりと赤く盛り上がり(膨疹)が身体のあちらこちらにできる疾患です。

しばらくすると跡形もなく皮疹とかゆみが消えるという特徴があります。

かゆみを伴いますが焼けるような感じになることもあります。

発症して1か月以内を急性じんましん、それ以上経過した場合を慢性じんましんと呼びます。

じんましんは、アレルギー性の場合と非アレルギー性の場合があります(アレルギー性は少ないと考えられています)。



アレルギーで発症するじんましんでは特殊な例を除いては原因となるアレルゲンが身体に入ってから数分程度の短時間で症状があらわれ、アレルゲンが身体に入れば、繰り返し同じ症状があらわれます。

食物による場合、薬による場合、ハチなど昆虫の毒による場合などが代表的です。

個々の皮疹は数十分から数時間以内に消えるのが一般的ですが、中には半日から1日続く場合もあります。

膨疹の大きさはさまざまで個々の膨疹が融合して体表が覆われる場合もあります。




重症の場合には、のどの粘膜が腫れ、呼吸が苦しくなることがあります。

皮膚症状の他、全身倦怠感、関節痛、発熱などの症状がある場合は内臓の疾患かもしれませんので、詳しい検査を行う必要があります。

しかし、自覚症状が皮膚だけの場合は、何か月間・何年間か症状が続いても、ほとんどの場合はやがておさまっていきます。

じんましんには目や唇などが腫れる「血管性浮腫」の場合もあり、一度あらわれると消えるまでに2~3日かかります。



慢性じんましんは薬で症状を抑えることができても、服薬を止めればまた症状があらわれます。

原因が明らかな場合は、原因となっている物質・アレルゲンや刺激の回避が大切です。

勉強や仕事などのストレスや暴飲暴食、不規則な生活を避けることが重要です。

治療としては抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を基本として、重症の場合は短期間だけ経口ステロイド薬を服用する場合があります。


最近は症状を誘発する原因が特定されない慢性じんましんで、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の増量などの適切な治療を行っても日常生活に支障を来すほどの痒みを伴う膨疹)が繰り返し継続的に認められ、血清総IgE値などの条件を満たす場合に抗IgE抗体製剤(オマリズマブ)が使用されています。

日本アレルギー学会は適正使用を推進する視点から「アレルギー専門医または皮膚科専門医が、ぜん息およびアナフィラキシーに対応できる医療施設で使用すること」としています。


<参考文献>

https://allergyportal.jp/knowledge/hives-angioedema/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?